2014年はシーズン終盤に失速し、2年連続でポストシーズン進出に失敗し7位に終わった。またオフシーズンにはＦＡでチャン・ウォンジュン、キム・サユル、パク・キヒョクとチームを支えた主力選手たちが移籍し、戦力の低下が著しかった。
【投手陣】
〈先発〉
ソン・スンジュン、◎ラリー、◎リンドブロム、イ・サンファ、ホン・ソンミン、チョ・ジョンフン
〈中継ぎ〉
△カン・ヨンシク、△イ・ミョンウ、キム・ソンベ、チェ・デソン、チョン・デヒョン、シム・スチャン、シン・ギュボム、◎チョン・ジェフン
〈抑え〉
キム・スンフェ
注 ： ◎は新加入、△は左腕
2014年の先発三本柱だった外国人投手オクスプリングとユーマン、チャン・ウォンジュンがそろって移籍し、先発投手陣にはかなり不安が残る。2014年8勝に終わったソン・スンジュンの復活が期待される。左腕ラリー、右腕リンドブロムと米国メジャーリーグで実績のある新外国人投手が十分な働きをしても、4−5人目の先発が心もとなく大きな連勝は期待しにくい。
リリーフ陣では、チャン・ウォンジュンの人的補償として移籍してきたベテランのチョン・ジェフンに注目が集まる。抑えは2014年20セーブをあげたキム・スンフェが予定されているが、成績次第ではチョン・ジェフンにも機会が回ってくる可能性はある。先発、リリーフともにやや若さが足りない。
【打撃陣】
（ベストオーダー）
１．アドゥチ（中） △◎
２．ファン・ジェギュン（三）
３．ソン・アソプ（右）△
４．チェ・ジュンソク（指）
５．パク・チョンユン（一） △
６．カン・ミンホ（捕）
７．チョン・フン（二）
８．ムン・ギュヒョン（遊）
９．イ・ウミン（左）
〈控え〉
(捕手) チャン・ソンウ、△キム・ジュンテ
(内野手) ×パク・チュンソ、オ・スンテク、△キム・デウ、ソン・ヨンソク
(外野手) キム・ミンハ、ハ・ジュンホ、△チョ・ホンソク、◎イム・ジェチョル
注 ： ◎は新加入、△は左打者、×は両打ち。
打線ではここ5年ほどレギュラーとして活躍していたチョン・ジュヌが軍へ入隊したため、その穴を埋める外国人打者アドゥチが期待される。示範競技でも4本塁打と、2014年31本塁打を記録したサムソンのナバーロのような1番打者となる可能性を秘めている。中軸にはソン・アソプ、チェ・ジュンソク、カン・ミンホなど実績のある打者が並び、2012年までファンを熱狂させた強力打線がよみがえるかもしれない。
ロッテは全体として機動力よりも一発を重視した打線がチームカラーであるが、現役時代は俊足の外野手だったイ・ジョンウン新監督の采配に注目したい。2014年一軍で出場機会が増えてきたキム・ミンハ、ハ・ジュンホなど、控えの選手も比較的充実している。
オフシーズンにグラウンド外での騒動が発覚し、ここ2年観客動員数も振るわなくなり、人気球団のイメージが薄れていったロッテジャイアンツ。生え抜きで1992年の韓国シリーズ優勝を知るイ・ジョンウン新監督は、新旧の選手を融合させ球場から足が遠のいたロッテファンたちを再び振り向かせることができるのであろうか。
【本拠地】
釜山・社稷野球場
韓国第2の都市・釜山(プサン)は韓国のみならず、アジアを代表する貿易港として近年国際的な地位が向上している。また野球の盛んな都市として知られ、その釜山市民の期待を一身に受けるロッテの本拠地・社稷(サジク)野球場は、チームが好調だと2万人以上の大観衆で球場が埋まり、韓国、いや世界一とも言われる熱狂的な応援を繰り広げ、その独特の光景は野球ファンなら一度は見ておきたい。野球場の正面玄関、球場内通路の2か所にグッズショップがあり、品ぞろえも豊富で見ているだけでも飽きない。
ファンたちは新聞紙をちぎってボンボン状のふさを作り、試合後半になると配布されるオレンジ色のビニール風船を振り回すか頭にかぶるなどして、世界でも類を見ない独特の応援風景を作り上げる。また終盤には「釜山港へ帰れ」、「プサンカルメギ(釜山のカモメ)」などのご当地ソングが歌われ、雰囲気を盛り上げる。だが2013年、2014年と2年連続ポストシーズン進出を逃したことで、特に夏場以降の観客の落ち込みが激しく熱気は失われている。
また釜山や周辺の慶尚南道出身者の多いソウルでも、蚕室野球場、木洞野球場のロッテ戦の際はビジター内野席がロッテファンで埋めつくされることも珍しくない。
2015年の入場料金は以下のとおり。内野は全席指定席制となっていて、プレミアム席(バックネット裏下段)が40000ウォン、R指定席が30000ウォン、S・A指定席が12000ウォン、Ｂ・Ｃ指定席が10000ウォン、外野自由席は7000ウォン。また家族席は1人あたり中央部が25000ウォン、3塁側が20000ウォン(最大5人まで)。また、グラウンドにせり出した内野エキサイティングゾーンは30000ウォン、カップル席(2人用)が80000ウォンとなっている。
2014年シーズンより、釜山から北へ50kmほどの地方都市・蔚山(ウルサン)広域市の文殊(ムンス)野球場でも時折主催試合が行われる。同野球場は1万2000席程度と規模が小さく、チケットの入手は困難になると予想される。
(3月24日現在の為替レート：1万ウォンが約1080円。)
（文責：ふるりん）
