2014年は3年ぶりにポストシーズン進出を逃し、戦力の補強が急務となったトゥサンベアーズはキム・テヒョン新監督を迎え、ＦＡの先発左腕チャン・ウォンジュンと4年間の大型契約を結び話題を呼んだ。
【投手陣】
〈先発〉
ニッパート、△ユ・ヒィグァン、◎△チャン・ウォンジュン、マヤ、△イ・ヒョンスン、ノ・ギョンウン
〈リリーフ〉
ピョン・ジンス、オ・ヒョンテク、△チャン・ミニク、ノ・ギョンウン、ユン・ミョンジュン、△ハム・トクチュ、キム・ガンニュル
注 ： ◎は新戦力、△は左腕
韓国5年目を迎えた外国人投手ニッパート、2014年自己最多の12勝の左腕ユ・ヒィグァン、韓国2年目の外国人マヤに加え、ロッテで通算85勝を記録した大物左腕チャン・ウォンジュンが加わり、先発陣の補強に成功した。5人目の先発はベテラン左腕イ・ヒョンスンが予想されるが、2014年先発ローテーションを守ったが15敗とチームの低迷の一因となってしまい、さらには負傷で開幕には間に合わないノ・ギョンウンも起用されると思われる。
リリーフ陣だが、チャン・ウォンジュンのＦＡ移籍による人的補償としてベテランのチョン・ジェフンがロッテへと移籍した。またイ・ヨンチャンなど実績ある選手が軍へ入隊し層は薄くなった。2010年代になり絶対的な守護神を確立できていない斗山にとって、抑えは2015年シーズンも悩まされる課題となりそうだ。プロ3年目の20歳の左腕ハム・トクチュに期待がかかる。
【打撃陣】
〈ベストオーダー〉
１．ミン・ビョンホン（右）
２．チョン・スビン（中） △
３．キム・ヒョンス（左） △
４．ラッツ（三） ◎
５．ホン・ソンフン（指）
６．オ・ジェウォン（ニ）
７．キム・ジェファン（一） △
８．ヤン・ウィジ（捕）
９．キム・ジェホ（遊）
注 ： ◎は新加入、△は左打者。
〈控え〉
(捕手) チェ・ジェフン、キム・ウンミン
(内野手) △オ・ジェイル、ホ・ギョンミン、コ・ヨンミン、△チェ・ジュファン、△リュ・ジヒョク
(外野手) △チャン・ミンソク、パク・コヌ、キム・ジンヒョン、△チョン・ジンホ
2013年シーズンオフにＦＡで移籍した3人の主力野手の空白は大きく、2014年は若手野手の台頭も見られず攻撃力が下がった。最大の補強としては、三塁手の外国人野手ラッツで示範競技などでも長打力を披露し、新たな攻撃の軸として活躍が予想される。これにキム・ヒョンス、ホン・ソンフンと経験豊富な打者がそろう中軸は他チームの脅威である。
走攻守に欠かせないミン・ビョンホン、チョン・スビン、オ・ジェウォンと機動力を生かせる選手も健在で、機能すれば2010年ごろのように上位から下位まで切れ目のない打線が完成する。だが控えの野手の層が厚いとはいえず、複数の主力選手に長期離脱者が出ると苦しい戦いを強いられることが予想される。
キム・テヒョン新監督は現役時代トゥサンで活躍していた捕手であり、トゥサン、ＳＫでのコーチの経験は長いが、監督として一軍の指揮を執るのは初めてである。その手腕は全くの未知数であるが、勝負強い攻撃的なトゥサンベアーズのチームカラーを復活させることで、まずは2年ぶりのポストシーズン進出、そして14年ぶりの韓国シリーズ優勝を目指すことになると思われる。
【本拠地】 ソウル・蚕室野球場
首都ソウルの南東部にある、韓国を代表する25000人収容の大型野球場。トゥサンだけでなくＬＧの本拠地にもなっていて、ライバル意識の強い両チームの対戦はソウルダービーということで他にない盛り上がりを見せる。また、トゥサン、ＬＧがどちらとも韓国シリーズに出場しなくても、立地を考え観客動員を増やすため第5戦以降はこの球場で試合が行われることが慣例となっているが、近年続く新球場の整備によりこれも2015年シーズン限りとなることが決まった。内野の場内通路には各種の売店のみならず子供用の遊戯施設なども設置されている。
両翼100m、左・右中間117m、センター125mと韓国の野球場では最大級の広さがあり、大変ホームランの出にくい球場である。また比較的トゥサンファンは女性率が高く、応援の時は黄色い歓声が球場内に響く。また球場のグッズショップは、売り場が広くないので週末の試合だと外に行列ができていることがあるが、商品の多様性にはやや乏しい。
（「第4回 ＬＧツインズ」も参照。）
地下鉄・総合運動場駅側の出入口(外野3塁側)には、プロ野球10球団のグッズを扱っているショップもある。また、野球場から総合運動場駅と逆の方向に歩いて、蚕室総合運動場(ソウルオリンピックスタジアム)の横には、野球などのスポーツ用品店が並んでいる一角があり、試合開始前に時間があればのぞいてみるのもいい。
球場から地下鉄で1駅離れた2号線三成(サムソン)駅、9号線奉恩寺(ポンウンサ)駅付近には、COEX(韓国総合貿易センター)モールがあり、昼間はショッピングや食事、夜は野球観戦というプランも立てやすい(野球場から徒歩でも10分少々)。COEXのビル内には都心空港ターミナルがあり、金浦空港・仁川空港へのリムジンバスが頻繁に出ていて、空港からのアクセスも良い。
2015年シーズンの入場料はグリーン席(外野自由席)が7000ウォン(土日・祝日8000ウォン)。なお内野は指定席制となり、上段のネイビー席(内野上段)は10000ウォン(土日・祝日12000ウォン)、下段のレッド席は12000ウォン(土日・祝日14000ウォン)、ブルー席は15000ウォン(土日・祝日17000ウォン)。内野エキサイティングゾーンは20000ウォン(土日・祝日25000ウォン)、テーブル指定席は40000ウォン(土日・祝日45000ウォン)VIP席は60000ウォン(平日、土日・祝日ともに同料金)。
※ 3月24日現在の為替レート : 1万ウォンが約1075円。
［交通アクセス］
ソウル地下鉄2号線・9号線総合運動場(チョンハプウンドンジャン)駅、5番出口徒歩0分。
ソウル駅、鍾路(チョンノ)、明洞(ミョンドン)などソウルの中心街からは、地下鉄2号線などで約40分。ソウル・江南(カンナム)地区の繁華街からは地下鉄2号線で10分前後。
3月28日よりソウル地下鉄9号線が総合運動場駅まで延伸され、金浦空港(キンポゴンハン)から乗り換えなしで行けるようになり、急行も運転される。ただし9号線ホームは野球場付近の出入り口から徒歩5分ほど離れているので注意。
（文責：ふるりん）
