DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  第5回 トゥサンベアーズ

 2011年は投打ともに不振で、長期政権をとってきたキム・ギョンムン監督がシーズン途中で辞任するなどいいところがなく、5位に終わり5年ぶりにポストシーズン進出を逃した。2012年シーズンよりキム・ジヌク新監督が就任し、日本人の伊東勤首席コーチ(元西武監督)を迎えてチームの建て直しにつとめている。


【投手陣】

〈先発〉 
キム・ソヌ、ニッパート、イ・ヨンチャン、キム・スンフェ、イム・テフン、ソ・ドンファン
〈中継ぎ〉
チョン・ジェフン、コ・チャンソン、△イ・ヘェチョン、△キム・チャンフン、ホン・サンサム、ノ・ギョンウン、△チョン・デヒョン
〈抑え〉
◎プロクター

注 : △は左腕
 2011年16勝のキム・ソヌ、15勝のニッパートが2012年シーズンも先発の柱となる。だが3人目以降の先発がだいぶ見劣りがし、上位に進出できなかった。そのためには若手の台頭と、2011年不振だったイム・テフン、イ・ヘェチョン(元東京ヤクルト)の復活が待たれる。
 2011年は安定した抑えを起用できなかったため、メジャーリーグでリリーフとして実績のある新外国人投手プロクターを起用することになった。リリーフは何でもこなせるチョン・ジェフンの戦列復帰も待たれる。全体的に左腕不足で、20歳の若手チョン・デヒョンが期待を集める。


【打撃陣】

〈ベストオーダー〉

1.イ・ジョンウク(中) △
2.オ・ジェウォン(二) △ 
3.キム・ヒョンス(左) △ 
4.キム・ドンジュ(指)
5.ヤン・ウィジ(捕) 
6.チェ・ジュンソク(一) 
7.イ・ウォンソク(三) 
8.ソン・シホン(遊)
9.チョン・スビン(右) △

注 : △は左打者

〈控え〉
(捕手) ヨン・ドカン、チェ・ジェフン
(内野手) クク・へソン、コ・ヨンミン、キム・ジェホ、△チェ・ジュファン、ユン・ソンミン
(外野手) イム・ジェチョル、△イ・ソンヨル、△チョン・ジンホ、ホ・ギョンミン

 2011年は前年より本塁打数が激減し、足を使った以前のトゥサンらしい野球へと回帰した。2011年盗塁王のオ・ジェウォンを筆頭として、イ・ジョンウク、チョン・スビンなど快足の選手たちが上位を打ち、キム・ヒョンス、キム・ドンジュ、チェ・ジュンソクといった長打力のある打者が走者を帰す攻撃が中心となる。正捕手に成長したヤン・ウィジは打撃だけでなく、守備の面でも向上を期待したい。
 なお、かつてのレギュラーだったコ・ヨンミン、勝負強い打撃が光るイム・ジェチョルなども控え、野手の層は比較的厚い。以前のような爆発力ある打線の復活が待たれる。

 キム・ジヌク新監督以下大きくコーチ陣を入れ替え、新体制で2012年シーズンに臨むトゥサンベアーズ。大きな補強がなく、以前とほぼ同じ選手で公式戦に臨むこととなったが、キム・ギョンムン監督が果たしえなかった韓国シリーズ優勝という夢を、新人監督は実現させることができるであろうか。それには2011年あまり見られなかった若手の台頭が不可欠である。


【本拠地】  ソウル・蚕室野球場
 首都ソウルの南東部にある、韓国を代表する3万人収容の大型野球場。トゥサンだけでなくLGの本拠地にもなっていて、ライバル意識の強い両チームの対戦はソウルダービーということで他にない盛り上がりを見せる。また、トゥサン、LGがどちらとも韓国シリーズに出場しなくても、他球場の収容人数は1万人台が多く、観客動員を増やすため第5戦以降はこの球場で試合が行われる。内野の場内通路には売店のみならず子供用の遊戯施設や、無料でインターネットが利用できるパソコンも設置されている。
 両翼100m、左・右中間117m、センター125mと韓国の野球場では最大級の広さがあり、大変ホームランの出にくい球場である。近年プロ野球人気の盛り上がりにより、野球場にも女性ファンの姿が目立つようになった。また球場のグッズショップも以前より商品が充実してきたが、売り場が広くないので週末の試合だと外に行列ができていることがある。



 なお入場料金であるが、平日より土日・祝日は料金が割り増しとなる。内野席はすべて指定席となり、スタンド下層部ホームベース寄りのブルー指定席(平日 : 1万2000ウォン、土日・祝日 : 1万5000ウォン)、外野寄りのレッド指定席(平日 : 1万ウォン、土日・祝日 : 1万2000ウォン)に分かれている。内野スタンド上層部はイエロー席(平日 : 9000ウォン、土日・祝日 : 10000ウォン)。外野はグリーン席(平日 : 7000ウォン、土日・祝日 : 8000ウォン)として自由席となっている。
 またバックネット裏の指定席は、テーブル席が4万ウォン、VIP席が6万ウォンとなっている(平日、土日・祝日ともに同一料金)。

(4月2日現在の為替レート:1万ウォンが約740円。)

 なお、かつてないプロ野球人気の盛り上がりのため、土日・祝日の試合を観戦する場合は、できる限り早く球場に行くのが望ましい。試合開始1時間以上前から長蛇の列ができている可能性がある。熱狂的なファンの多いロッテ、キアがビジターチームの場合や、同じ蚕室のライバルLGとの対戦では、なおのこと混雑が予想される。


 地下鉄・総合運動場駅側の出入口(外野3塁側)には、プロ野球8球団のグッズを扱っているショップもある。また同駅の改札口横には、トゥサンの選手たちと蚕室野球場を背景に写真を撮れるフォトゾーンもある(2011年8月確認)。
 球場から地下鉄で1駅離れた三成(サムソン)駅付近には、KOEX(韓国総合貿易センター)モールがあり、昼間はショッピングや食事、夜は野球観戦というプランも立てやすい。


[交通アクセス]
 ソウル地下鉄2号線・総合運動場(チョンハプウンドンジャン)駅、5番出口徒歩0分。
 ソウル駅、鍾路(チョンノ)、明洞(ミョンドン)などソウルの中心街からは、地下鉄2号線などで約40分。ソウル・江南(カンナム)地区の繁華街からは地下鉄2号線で10分前後。

 なお、地下鉄2号線・8号線の蚕室(チャムシル)駅は最寄り駅ではないので要注意。

(文責 : ふるりん)