2014年はサムソンと首位争いを繰り広げ、初の韓国シリーズ進出を果たしたが惜しくも敗れた。投打にタレントはそろっているが、自己最高の40本塁打を記録したカン・ジョンホが米国メジャーリーグ・ピッツバーグパイレーツへと移籍した。新しい戦力を発掘しつつ、3年連続ポストシーズン進出が最大の目標となる。
【投手陣】
〈先発〉
△バンヘッケン、◎△フィアベンド、ムン・ソンヒョン、ハン・ヒョンヒィ、△オ・ジェヨン
〈中継ぎ〉
マ・ジョンギル、ソン・シニョン、△◎キム・テッキョン、キム・デウ、キム・ヨンミン、チョ・サンウ、ハ・ヨンミン
〈抑え〉
ソン・スンナク
注 ： ◎は新加入、△は左腕
韓国4年目となり、2014年20勝と大活躍した外国人投手バンヘッケンが2015年シーズンも投手陣の柱となる。10勝を記録した外国人投手ソーサがＬＧへ移籍し、その穴を埋めるのは左腕フィアベンドだ。韓国人選手の先発投手が手薄で、2014年自己最多の9勝を記録したムン・ソンヒョンだけでなく、プロ入り後2年間リリーフとして活躍したハン・ヒョンヒィが先発に転向する。2014年シーズン後半先発として活躍した左腕オ・ジェヨンが故障で復帰時期が未定であり、その代役として若手のハ・ヨンミンなどがあげられる。
リリーフは左腕不足で、高卒新人キム・テッキョンの抜擢が予想される。抑えのソン・スンナクは2014年32セーブで自身3度目の最多セーブのタイトルを受賞したが、安定感を欠いた。投手陣は全体として不安が残る。
【打撃陣】
〈ベストオーダー〉
１．ソ・ゴンチャン（二） △
２．イ・テックン（中）
３．ユ・ハンジュン（右）
４．パク・ピョンホ（一）
５. キム・ミンソン（三)
６．スナイダー（指） △◎
７．ムン・ウラム（左） △
８．パク・トンウォン（捕）
９．キム・ハソン（遊）
〈控え〉
(捕手) ホ・ドファン、キム・ジェヒョン
(内野手) ユ・ジェシン、ソ・ドンウク、ユン・ソンミン、△イム・ビョンウク、キム・ジス
(外野手) △イ・ソンヨル、カン・ジグァン、△パク・ホンド、△コ・ジョンウク
注 ： △は左打者。
米国へ進出したカン・ジョンホの不在はどうしても気になるが、3年連続本塁打・打点二冠王のパク・ピョンホ、2014年首位打者・最多安打・シーズンMVPの安打製造機ソ・ゴンチャンなどプロ野球界最高級のタレントが健在である。イ・テックン、ユ・ハンジュンなど経験豊富な打者も控え、2014年シーズン後半ＬＧに所属していた新外国人打者スナイダーも、韓国2年目ということで活躍が見込まれる。
カン・ジョンホの後継者としてはまだ19歳の高卒2年目の若手キム・ハソンが起用される。控えにもユン・ソンミン、イ・ソンヨルなど実績のある打者がそろい、2015年もネクセン打線は他チームの脅威であることは確かだ。
2015年シーズン、3年目を迎えたヨム・ギョンヨプ監督は数多くの課題を抱えながらも、悲願の韓国シリーズ初優勝に向けてその手腕を発揮したい。ネクセンは資金源の豊富なチームではないだけに、得意の育成で選手層を厚くし真の強豪へと成長できるか、その正念場に差し掛かっている。
【本拠地】
ソウル・木洞野球場
ソウル南西部の木洞(モクトン)野球場は、高校野球や大学野球といったアマチュア野球との併用となっている。特徴としてはすぐ近くを交通量の多い幹線道路が通っているため外野席がないこと(外野フェンスの裏側、ポール近くにマウンドがある)、内野席ではポール付近にネットがないため、比較的開放感のある観戦環境となっていること、ヒーローズのホーム応援席が3塁側になっていることである。
首都ソウル市内の高層住宅団地の多い地域を本拠地とする歴史の浅い球団(2008年創設)であるため、ビジターの1塁側も観客が多く盛り上がりやすい。だが近隣住民のための応援席も用意するなど、地域密着をはかりファンの拡大につとめてはいる。現在南へ4kmの地点に韓国初のドーム球場(完成時期未定)が建設され、そちらへの本拠地移転が取りざたされているが、使用料などを巡って紛糾が続き正式には何も決まっていない。
球場周辺はアイスホッケーのリンクやリトルリーグ専用の野球場がある運動公園となっていて、近隣に商店や食堂は少ない。球場内の売店も充実してきて、ホットドッグやハンバーガーなども売られるようになった。まともな食事をしたいのなら、最寄の地下鉄梧木橋駅付近の食堂やファーストフード店でとっておきたい。ヒーローズのグッズを扱う売店もあるが、値段が高く種類も少ない。
ヒーローズのマスコット・トクトリ(アゴ助とでも訳せようか？)である。いろいろな格好でファンを楽しませるだけでなく、ヒーローズの選手がホームランを打ったらホームインする前にレッドカーペットを敷いたり、試合前に選手たちのキャッチボールの相手をしていたりもする(しかも左投げ)。さらに応援スタンドにもよく現れ、ヒーローズのみならずビジターチームのファンにも愛されている。
2015年シーズンの入場料金は以下の通り。一般席は平日(火・水・木)10000ウォン、週末(金・土・日)と祝日は17000ウォン。内野C席は平日13000ウォン、週末・祝日20000ウォン。ブルー席は平日15000ウォン、週末・祝日25000ウォン。プレミアムブルー席は平日17000ウォン、週末・祝日27000ウォン。チョンウデロス席は平日25000ウォン、週末・祝日40000ウォン。現代海上ハイカー席は平日30000ウォン、土日・祝日は45000ウォン。プレミアム現代海上ハイカー席は平日40000ウォン、土日・祝日55000ウォン。
(3月26日現在の為替レート：10000ウォンが1080円。)
（3月17日現在の為替レート：1万ウォンは約1074円。）
［交通アクセス］
ソウル地下鉄5号線・梧木橋(オモッキョ)駅から徒歩10分弱。木洞総合運動場内にある。
梧木橋駅へはソウル駅や鍾路など旧都心部から25−30分程度。ソウル・江南(カンナム)地区からは地下鉄2号線・9号線を利用し5号線に乗り換え、40−50分程度。仁川空港からは空港鉄道(A'REX)で金浦空港まで行き、ソウル地下鉄5号線に乗り換え50分程度で到着。(金浦空港からは20分弱。)
梧木橋駅の隣に木洞駅があるが、最寄り駅ではないので要注意。ソウル地下鉄9号線・新木洞駅からも徒歩20分程度とやや遠い。
（文責 ： ふるりん）
