2013年は公式戦4位ながら韓国シリーズに出場し、王者サムソン相手に3勝をあげる健闘を見せた。オフにはＦＡで主力選手３名が抜けた。またソン・イルス新監督(元近鉄、日本名・石山一秀)が就任し、13年ぶりの韓国シリーズ優勝を狙う。
【投手陣】
〈先発〉
ノ・ギョンウン、ニッパート、△ユ・ヒィグァン、◎ボルスタッド、イ・ジェウ
〈リリーフ〉
チョン・ジェフン、ピョン・ジンス、オ・ヒョンテク、△イ・ヒョンスン、ホン・サンサム、ユン・ミョンジュン、イ・ヨンチャン
注 ： ◎は新戦力、△は左腕
韓国4年目を迎えた外国人投手ニッパート、2013年10勝とブレークした左腕ユ・ヒィグァン、右のノ・ギョンウンが先発の三本柱となる。これに米国メジャーリーグ通算35勝の新外国人投手ボルスタッドが加われば、万全の陣容となる。ただし先発として起用できそうな若手が少なく、故障者が出た場合かなり苦しくなる。2012年先発として活躍したが、2013年は故障でほとんど棒に振ったイ・ヨンチャンの復活に期待したい。
リリーフも含めて左腕不足であり、軍から除隊され復帰した左腕イ・ヒョンスンに期待が集まる。課題の抑えも定まらず、経験豊富なチョン・ジェフンを中心に日替わりとなる可能性が高い。
【打撃陣】
〈ベストオーダー〉
１．ミン・ビョンホン（中）
２．オ・ジェウォン（二） △
３．キム・ヒョンス（左） △
４．カントゥ（一） ◎
５．ホン・ソンフン（指）
６．イ・ウォンソク（三）
７．ヤン・ウィジ（捕）
８．キム・ジェホ（遊）
９．チョン・スビン（右） △
注 ： ◎は新加入、△は左打者、×は両打ち。
〈控え〉
(捕手) チェ・ジェフン、△キム・ジェファン
(内野手) △オ・ジェイル、ホ・ギョンミン、コ・ヨンミン、×ヤン・ジョンミン、△チェ・ジュファン、キム・ドンジュ
(外野手) △◎チャン・ミンソク、パク・コヌ、△オ・ヒョングン、キム・ジンヒョン
5年以上主力として活躍してきたイ・ジョンウク、ソン・シホンがＮＣ、チェ・ジュンソクがロッテへと移籍し、野手の層は明らかに薄くなった。ただし代わりのレギュラーの選手がいないわけではなく、極端に攻撃力が下がることはない。新外国人打者として米国メジャーリーグ通算104本塁打のホルヘ・カントゥが加わり、4番として本塁打量産が期待される。
トゥサンといえば、以前から機動力を前面に押し出した攻撃が知られているが、その核となるのが2013年自己最高の成績を残したミン・ビョンホンである。2011年盗塁王のオ・ジェウォンなど快足の選手が多く、足でかき回してキム・ヒョンス、カントゥ、ベテランのホン・ソンフンなどの中軸で返すのが得点パターンとなりそうだ。
2軍監督から昇格したソン・イルス監督は、1軍での監督経験はなく未知数であるが厳しい規律でチームをまとめ上げている。戦力の流出はあったものの、得意の全員野球でその穴を感じさせず、また育成力も高いため予想外の選手が戦力として定着することも多い。2014年こそ4度目の優勝となるであろうか。
【本拠地】 ソウル・蚕室野球場
首都ソウルの南東部にある、韓国を代表する3万人収容の大型野球場。トゥサンだけでなくＬＧの本拠地にもなっていて、ライバル意識の強い両チームの対戦はソウルダービーということで他にない盛り上がりを見せる。また、トゥサン、ＬＧがどちらとも韓国シリーズに出場しなくても、立地を考え観客動員を増やすため第5戦以降はこの球場で試合が行われることが慣例となっている。内野の場内通路には各種の売店のみならず子供用の遊戯施設なども設置されている。
両翼100m、左・右中間117m、センター125mと韓国の野球場では最大級の広さがあり、大変ホームランの出にくい球場である。また比較的トゥサンファンは女性率が高く、応援の時は黄色い歓声が球場内に響く。また球場のグッズショップは、売り場が広くないので週末の試合だと外に行列ができていることがあるが、商品の多様性にはやや乏しい。
なお入場料金であるが、平日より土日・祝日は料金が割り増しとなる。内野席はすべて指定席となり、スタンド下層部ホームベース寄りのブルー指定席(平日 : 1万2000ウォン、土日・祝日 : 1万5000ウォン)、外野寄りのレッド指定席(平日 : 1万ウォン、土日・祝日 : 1万2000ウォン)に分かれている。内野スタンド上層部はネイビー席(平日 : 9000ウォン、土日・祝日 : 10000ウォン)。2014年より内野エキサイティングゾーンが新設され、料金は2万ウォン(土日・休日ともに同じ値段)。外野はグリーン席(平日 : 7000ウォン、土日・祝日 : 8000ウォン)として自由席となっている。
またバックネット裏の指定席は、テーブル席が4万ウォン、中央席が6万ウォンとなっている(平日、土日・祝日ともに同一料金)。
（3月20日現在の為替レート：1万ウォンが約951円。）
近年プロ野球人気が高いため、特に天気の良い4月から6月前半までの土日・祝日の試合を観戦する場合は、できる限り早く球場に行くのが望ましい。前売りが完売してしまっている場合当日券販売が少ないため、試合開始数時間前から行列ができることもある。熱狂的なファンの多いロッテ、キア、同じ蚕室野球場のライバルＬＧとの対戦では、なおのこと混雑が予想される。平日の試合だと、カードによってはかなりの余裕がある。
地下鉄・総合運動場駅側の出入口(外野3塁側)には、プロ野球8球団のグッズを扱っているショップもある。また、野球場から総合運動場駅と逆の方向に歩いて、蚕室総合運動場(ソウルオリンピックスタジアム)の横には、野球などのスポーツ用品店が並んでいる一角があり、試合開始前に時間があればのぞいてみるのもいい。
球場から地下鉄で1駅離れた三成(サムソン)駅付近には、COEX(韓国総合貿易センター)モールがあり、昼間はショッピングや食事、夜は野球観戦というプランも立てやすい(野球場から徒歩でも10分少々)。COEXのビル内には都心空港ターミナルがあり、金浦空港・仁川空港へのリムジンバスが頻繁に出ていて、空港からのアクセスも良い。
［交通アクセス］
ソウル地下鉄2号線・総合運動場(チョンハプウンドンジャン)駅、5番出口徒歩0分。
ソウル駅、鍾路(チョンノ)、明洞(ミョンドン)などソウルの中心街からは、地下鉄2号線などで約40分。江南(カンナム)地区の繁華街からは地下鉄2号線で10分前後。
なお、2つ隣の地下鉄2号線・8号線の蚕室(チャムシル)駅は最寄り駅ではないので要注意。
（文責 ： ふるりん）
