DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  第4回 ネクセンヒーローズ

 2013年は公式戦3位で球団創設6年目にして初のポストシーズン進出を成し遂げたが、トゥサンとの準プレーオフで先に2勝しながら3連敗で敗退し、大舞台での経験のなさが出てしまった。2014年シーズンも戦力は充実し、2年連続のポストシーズン進出、そして初優勝が期待される。


【投手陣】

〈先発〉 
ナイト、△バンヘッケン、△カン・ユング、キム・ヨンミン、△オ・ジェヨン、ムン・ソンヒョン
〈中継ぎ〉
マ・ジョンギル、ハン・ヒョンヒィ、ソン・シニョン、イ・ジョンフン、キム・デウ、△パク・ソンフン、チョ・サンウ
〈抑え〉
ソン・スンナク
注 : ◎は新加入、△は左腕

 2013年それぞれ12勝を記録したナイト(元北海道日本ハム)、バンヘッケンの2人の外国人投手が2014年シーズンも先発の軸となる。それに続く韓国人投手が心もとなく、これまで期待されながら安定した成績を残せてないプロ6年目を迎える23歳の左腕カン・ユングには、生え抜きのエース候補としての独り立ちが求められる。
 リリーフは左不足で、3年目の20歳の若手ハン・ヒョンヒィ、ベテランのイ・ジョンフンが中継ぎの中心となる。2013年46セーブで最多セーブを受賞した守護神ソン・スンナクも健在だ。高卒2年目で19歳の若手チョ・サンウが剛速球で注目を集めている。


【打撃陣】

〈ベストオーダー〉

1.ソ・ゴンチャン(二) △ 
2.イ・テックン(中) 
3.イ・ソンヨル(指)   
4.パク・ピョンホ(一) 
5. カン・ジョンホ(遊)    
6.キム・ミンソン(三)
7.ユ・ハンジュン(右) 
8.ロッティーノ(左) ◎ 
9.ホ・ドファン(捕) 
  

〈控え〉
(捕手) チェ・ギョンチョル、イム・テジュン
(内野手) ユ・ジェシン、ソ・ドンウク、◎ペク・スンニョン、◎ユン・ソンミン、△◎イム・ビョンウク、キム・ジス
(外野手) ◎カン・ジグァン、オ・ユン、△ムン・ウラム、△コ・ジョンウク、ソン・ジマン

注 : △は左打者。
 
 2013年本塁打(37)、打点(117)の二冠王パク・ピョンホ、22本塁打のカン・ジョンホ、ベテラン外野手のイ・テックン、左の大砲イ・ソンヨル、2013年15本塁打と自己最高の成績を残したキム・ミンソンなど、中軸に破壊力がある。瞬足の二塁手ソ・ゴンチャン、打点を稼げるユ・ハンジュンなど周りを固める人材も豊富で、得点力は高い。ユーティリティプレイヤーの新外国人打者ロッティーノ(元オリックス)は現状だと下位を打つことになりそうだ。
 また2013年のオフシーズン、2次ドラフトやトレードで獲得したユン・ソンミン、カン・ジグァンたちも好調で、野手の層はだいぶ厚くなった。高卒新人ながら春季キャンプや示範競技で高い評価を得たイム・ビョンウクも期待を集める。投手陣に不安があるだけに、2014年シーズンも狭い木洞野球場で打ち勝つ野球が求められる。


 2014年シーズンは2013年以上に各チームの力の差が少なく、9球団随一の破壊力のある打線で初優勝を狙いたいところだ。課題の投手陣さえ安定すれば、その可能性は十分にある。


本拠地
 ソウル・木洞野球場

 ソウル南西部の木洞(モクトン)野球場は、高校野球大学野球といったアマチュア野球との併用となっている。特徴としてはすぐ近くを交通量の多い幹線道路が通っているため外野席がないこと(外野フェンスの裏側、ポール近くにマウンドがある)、内野席ではポール付近にネットがないため、比較的開放感のある観戦環境となっていること、ヒーローズのホーム応援席が3塁側になっていることである。
 首都ソウル市内の高層住宅団地の多い地域を本拠地とする歴史の浅い球団(2008年創設)であるために、全体としてビジターの1塁側が観客も多く盛り上がりやすい。だが近隣住民のための応援席も用意するなど、地域密着をはかりファンの拡大につとめてはいる。近年のプロ野球人気の向上もあってか、年々ヒーローズを応援するファンたちの数も増えてはいる。特筆すべきはカナダ出身のテッド・スミス氏が私設応援団長のような役割をしている点である。韓国の野球ファン全体にもよく知られた有名人で、野球中継でもよく雄姿が映し出される。
 球場周辺はアイスホッケーのリンクやリトルリーグ専用の野球場がある運動公園となっていて、近隣に商店や食堂は少ない。球場内の売店も充実してきて、ホットドッグやハンバーガーなども売られるようになった。まともな食事をしたいのなら、最寄の地下鉄梧木橋駅付近の食堂やファーストフード店でとっておきたい。ヒーローズのグッズを扱う売店もあるが、値段が高く種類も少ない。
 ヒーローズのマスコット・トクトリ(アゴ助とでも訳せようか?)である。いろいろな格好でファンを楽しませるだけでなく、ヒーローズの選手がホームランを打ったらホームインする前にレッドカーペットを敷いたり、試合前に選手たちのキャッチボールの相手をしていたりもする(しかも左投げ)。さらに応援スタンドにもよく現れ、ヒーローズのみならずビジターチームのファンにも愛されている。








 2014年シーズンの入場料は一般席(自由席)が平日10000ウォン、土日・祝日は17000ウォン。ブルー席(指定席)は平日15000ウォン、土日・祝日は25000ウォン。プレミアムブルー席は平日17000ウォン、土日・祝日は27000ウォン。指定C席は平日13000ウォン、土日・祝日は20000ウォン。
 バックネット裏付近のテーブル指定席は2階部分が平日25000ウォン、土日・祝日が40000ウォン。同テーブル指定席の1階部分(現代海上イカー席)は平日40000ウォン、土日・祝日が45000ウォン。プレミアムハイカー席は55000ウォン。
(3月22日現在の為替レート:1万ウォンが約946円。)


[交通アクセス]
 ソウル地下鉄5号線・梧木橋(オモッキョ)駅から徒歩10分弱。木洞総合運動場内にある。
 梧木橋駅へはソウル駅や鍾路など旧都心部から25−30分程度。ソウル・江南(カンナム)地区からは地下鉄2号線・9号線を利用し5号線に乗り換え、40−50分程度。仁川空港からは空港鉄道(A'REX)で金浦空港まで行き、ソウル地下鉄5号線に乗り換え50分程度で到着。(金浦空港からは20分弱。)
 梧木橋駅の隣に木洞駅があるが、最寄り駅ではないので要注意。ソウル地下鉄9号線・新木洞駅からも徒歩20分程度とやや遠い。

(文責 : ふるりん)