DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  第7回  LGツインズ 

 2012年は7位と、2003年以降ポストシーズン10年連続進出失敗という不名誉なプロ野球新記録をまたも塗り替えてしまい、ファンたちの落胆は深まるばかりである。開幕前の不祥事などもあり戦力が低下し、年間を通して上位に残れる力はなかった。


【投手陣】

〈先発〉 
△ジュキッチ、リズ、イム・チャンギュ、ウ・ギュミン、イム・ジョンウ、△シン・ジェウン
〈中継ぎ〉
イ・ドンヒョン、キム・ソンギュ、△イ・サンヨル、ハン・ヒィ、△チェ・ソンフン、ユ・ウォンサン、△リュ・テッキョン、◎チョン・ヒョヌク
〈抑え〉
ポン・ジュングン

注 : ◎は新加入、△は左腕
 3年連続で契約した外国人投手ジュキッチ、リズが相変わらず先発の柱だ。ただそのあとが弱く若手のイム・チャンギュ、リリーフから転向のサイドハンドのウ・ギュミンなど未知数の投手に任せるしかない。また貴重な先発左腕のシン・ジェウンの調子が上がっていないのも苦しい。
 また中継ぎもあまり質が高くなく、先発が崩れたら細かい継投でしのぐしかない。中継ぎの柱となり2012年自己最多の58試合に登板したユ・ウォンサンは状態が悪く、その不安を解消するため、オフにサムソンで長年リリーフとして活躍したチョン・ヒョヌクをFAで獲得した。また2012年26セーブをあげたポン・ジュングンはオフに膝の手術を受けたため、不調の場合はチョン・ヒョヌクが抑えを任されると思われる。



【打撃陣】

〈ベストオーダー〉

1.オ・ジファン(遊) △
2.イ・ジニョン(中) △  
3.パク・ヨンテク(左) △  
4.チョン・ソンフン(三) 
5.イ・ビョンギュ(背番号9)(右) △ 
6.チョン・ウィユン(指)   
7.キム・ヨンウィ(一) △
8.ユン・ヨソプ(捕) 
9.ソン・ジュイン(二) ◎  

〈控え〉
(捕手) ◎ヒョン・ジェユン、チョ・ユンジュン
(内野手) チェ・ドンス、×ソ・ドンウク、キム・イルギョン、ムン・ソンジェ、○カン・スンホ
(外野手) △ヤン・ヨンドン、△イ・デヒョン、イ・ビョンギュ(背番号7)、チョン・ジュヒョン

注 : ◎は新加入、△は左打者、×は両打ち。

 他球団と比べて左打者の多い打線であり、右の大砲の台頭が待たれる。イ・ビョンギュ(元中日)、パク・ヨンテク、チョン・ソンフンとここ数年中軸を打つ選手が変わっていないため、新陳代謝も必要ではあるが、三振が多いオ・ジファンが安定すると打線はさらに強力となる。
 ただ下位打線の顔ぶれは変わってきている。サムソンからトレードで移籍してきたソン・ジュイン、ヒョン・ジェユンがそれぞれ戦力として機能しそうな見通しが立ってきた。特にレギュラー争いが激しいと思われるのは捕手で、打撃が売りのユン・ヨソプも安泰ではない。代打や控えとしては41歳のベテランのチェ・ドンス、イ・ビョンギュ(背番号7)などがあげられる。

  
 キム・ギテ監督も就任2年目を迎え、2軍監督時代から自分が育てた選手たちを一軍で起用し、以前からの主力と融合させ、なんとか上位に残れるチームに変化させたいものである。LGは人気球団であるため、優勝争いを続ければプロ野球のさらなる観客動員数増加が見込まれるだけに、期待は大きい。


本拠地
 ソウル・蚕室野球場

 韓国最大級の野球場は、LGのみならずトゥサンの本拠地でもある。前身のMBC青龍の時代からソウルを本拠地としていることもあり、「ソウルの地元球団」というカラーを前面に押し出してきたのはLGのほうである。トゥサンもそれに対抗するため、球団エンブレムにアルファベットで「SEOUL」という文字を入れてはいる。試合中にもよく「ソウル賛歌」が流されるし、ファンたちも合唱する。
 ちなみにトゥサン−LG戦の際、どちらがホーム側でもLGが1塁側、トゥサンが3塁側のベンチやロッカーを使用する(応援席は主催チームによって1塁側と3塁側が入れ替わるので要注意)。毎年5月5日の同カードは、ソウルの野球ファンを二分するダービーマッチということで大いに盛り上がり、球場全体が赤のLGファンと白のトゥサンファンに分かれ、他国のプロリーグの試合にはない独特の雰囲気となる(2013年はLG主催)。
 人気球団ということもあり、グッズショップは狭いながらも品揃えが豊富で、買う気がなくても眺めているだけで楽しい。Tシャツなどのデザインも凝っていて、2−3万ウォン程度で購入できる。



 2013年シーズンの入場料はグリーン席(外野自由席)が7000ウォン(土日・祝日8000ウォン)。なお内野は指定席制となり、上段のイエロー席(内野上段)は9000ウォン(土日・祝日10000ウォン)、下段のレッド席は1万ウォン(土日・祝日12000ウォン)、ブルー席は12000ウォン(土日・祝日15000ウォン)。テーブル指定席は4万ウォン、プレミアム席は7万ウォン(この2種類は平日、土日・祝日ともに同料金)。

※ 3月27日現在の為替レート : 1万ウォンが約848円。


[交通アクセス]
 ソウル地下鉄2号線・総合運動場(チョンハプウンドンジャン)駅、5番出口徒歩0分。
 ソウル駅、鍾路(チョンノ)、明洞(ミョンドン)などソウルの中心街からは、地下鉄2号線などで約40分。ソウル・江南(カンナム)地区の繁華街からは地下鉄2号線で10分前後。
(第3回 トゥサンベアーズ編も参照〉 
 
(文責 : ふるりん