DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2019年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  準プレーオフ:ロッテ−サムソン

 この2チームでのポストシーズンでの対戦は、9年前の1999年のプレーオフでの激闘があまりにも有名である。特に韓国シリーズ進出をかけた第7戦での大邱での死闘は、6回表ホセ(ロッテ)が反撃ののろしとなるソロ本塁打を打ったあとに、サムソンファンから水を浴びせかけられたことにより激昂し、ヘルメットなどをスタンドに投げ入れ、スタンドからもゴミなどがグラウンドに投げ込まれ、試合がしばらく中断する大騒動となった。再開された試合は延長11回までもつれ込む大熱戦で、6−5でロッテが勝利し、1勝3敗の劣勢から3連勝し韓国シリーズ進出を果たした。(韓国シリーズではハンファに1勝4敗で敗れた。)
(上記の試合の映像はこちらをご覧ください。)

 さて、舞台はプレーオフではなく今回は準プレーオフではあるが、9年前の伝説的な試合に負けず劣らずの名勝負をファンは期待している。

 公式戦での戦いを振り返ると、3位ロッテは右のソン・スンジュン、ソン・ミンハン、左のチャン・ウォンジュン(3人ともに12勝)の先発三本柱が1年を通してローテーションを守り、チーム防御率3.68と8球団2位の成績だった。準プレーオフでもこの3人が先発するとロイスター監督が予告した。リリーフ陣の層は薄かったが終盤は左の中継ぎカン・ヨンシクが安定した投球を続け、絶好調だった北京五輪後から9月半ばまでは新外国人コルテスが守護神として最後を締めていた。ただ、コルテスは9月半ばから打たれることが目立ち、ポストシーズンに不安を残した。右のリリーフではベテランのチェ・ヒャンナムが一番期待がかかるが、絶対的な切り札とは言えず、三本柱がどこまで投げれるかが試合の鍵を握るであろう。あまり奇策を用いなかったロイスター監督が短期決戦でどのような采配を見せるかに注目したい。

 ロッテ打線は、波に乗ったときの爆発力だけだったら8球団トップだった。チーム打率はトップのSKとほぼ同率の2位(.282)、そして本塁打数は92本(2位)だったが、盗塁数(133個)が3位だったため、得点(624)は3位だったが、上位から下位打線まで穴が少なく、つながった時の得点力はすさまじいものがあった。その軸となっていたのは韓国1年目にして30本塁打を打ち、打点王(111点)となった左の大砲ガルシア(元オリックス)だ。右の大砲イ・デホ本塁打こそ18本だったが、打率3割、94打点を記録し4番としての責務を果たしていた。
 打線に火をつけるのはともに30盗塁以上を記録した1番のキム・ジュチャンと、3番のチョ・ソンファンだ。特に打率.327を記録したチョ・ソンファンの勝負強さと闘志あふれるプレーは他球団の脅威となっていて、そのあとを打つイ・デホ、ガルシアにも大きな影響を与えた。ポストシーズンでも要注意人物となりそうだ。若き正捕手カン・ミンホもチーム2位の19本塁打と、6番や7番打者としては大きな脅威となっていた。
 
 ただ、ロッテ打線は比較的層が薄く固定されたメンバーと打順で構成されていて、主力打者の2,3人が打てなくなるとまったくつながらなくなり、それが9月の6連敗など何度かあった大型連敗を招いてしまい、非常に浮き沈みの激しいシーズンだった。またエラーも84と8球団中2位と多く、エラーがらみの失点(投手の自責点ではない失点)が64と8球団中最多で、集中力を欠いたときのもろさが目立った。この準プレーオフでも波に乗れば総合力でサムソンに勝るだけに、一気に3連勝という展開も予想できるが、崩れれば3連敗という可能性もある。ちなみに第1戦の先発ソン・スンジュンは、今季サムソン相手に3勝1敗と比較的相性はいい。

 
 一方の4位サムソンは、5位ハンファとの4位争いを1ゲーム差で制し、12年連続でポストシーズンにコマを進めた。21世紀になって3度の韓国シリーズ優勝を果たしているだけに、戦力は苦しくとも勝ち方を知っているチームという印象が強い。公式戦でも7月半ばは4位争いから脱落しかけていたが、戦力として機能しなかった外国人投手を解雇し、選手起用を大きく変えてから調子を上げ、4位以内に残った。

 投手陣だが、先発陣の層が薄くロッテに大きく見劣りする。チーム防御率も4.42と8球団中5位だった。規定投球回数に達したのはユン・ソンファン、チョン・ヒョヌク(ともに10勝)だけで、2人とも先発だけではなく中継ぎもこなしていて大車輪の活躍だった。かつてエースとして活躍し、今季ひじの手術から復帰したペ・ヨンスも、先発ローテーションを守り続けたが9勝にとどまり防御率も4.55だった。そのほかはベテランのイ・サンモク(6勝)、北京五輪後に入団し比較的安定した投球を続けたエニス(1勝)などが先発要員としてあげられるが、シーズン終盤に先発起用が多かったユン・ソンファンが第2戦以降で先発するのは確実だ。
 ロッテと比べて長所といえるのはリリーフ陣だ。右のアン・ジマン、左のクォン・ヒョクと中継ぎの柱が健在で、ソン・ドンヨル監督は短期決戦での投手のやりくりには定評がある。また3年連続セーブ王の守護神オ・スンファン(39セーブ)も控えていて、先発が好投し6回から中継ぎが総動員でオ・スンファンにつなぐ形になれば、勝機は見えてくる。経験豊富な正捕手チン・ガビョンのリードにも注目したい。

 打線であるが、チーム打率は.258の6位だが、チーム本塁打が93本の3位と長打力がそれなりにあったため、得点は5位(557)と下位チームと比べればそれなりに多かった。だが打線のつながりや爆発力はロッテと比べて大きく見劣りする。
 今季のサムソン打線は、右のパク・ソンミン(14本塁打)、左のチェ・ヒョンウ(19本塁打)の大きく成長した若手の主軸打者に頼るところが大きかった。彼らにとっては初の大舞台であるが、緊張することなくのびのびとプレーしてほしい。今季初の2ケタ本塁打を記録した左のチェ・テイン(10本)が、怪我から準プレーオフに間に合うように戻ってきたのも大きい。パク・ハニ、パク・チンマン、ヤン・ジュンヒョクなど2005,06年の韓国シリーズ連覇に貢献したベテランの野手たちも、ここ一番での活躍を期待したい。また、第1戦の先発であるペ・ヨンスも、今季3勝1敗と比較的ロッテとの相性はいい。

 シーズン中は4ゲーム差のついた両チームの対戦であるが、熱狂的なファンに支えられたミラクルロッテを、経験豊富なサムソンがどのようにいなして自分たちのペースに持っていくかが、勝敗の分かれ目になりそうだ。

(文責 : ふるりん