DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2020年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  プレーオフ:トゥサン−サムソン

 この両チームのポストシーズンでの最近の対戦といえば、2005年の韓国シリーズである。このときは公式戦優勝のサムソンが、ハンファとのプレーオフを3連勝で勝ち抜いた公式戦2位のトゥサンを無傷の4連勝で撃破し、翌06年も韓国シリーズを連覇した黄金時代の幕開けとなった。なお、前年の2004年も両チームはプレーオフで対戦し、この時はサムソンが3勝1敗で勝ち抜き韓国シリーズに進出している。また、2001年両チームが韓国シリーズで対戦したときは、準プレーオフから勝ち上がったトゥサンが、サムソンを4勝2敗で破り3度目の優勝を果たしている。

 近年ポストシーズンでの激闘を繰り広げている両チームだが、今季はこれまでと違ってトゥサンが公式戦2位、サムソンが公式戦4位で準プレーオフを勝ち上がっての出場と、トゥサンが公式戦では上位でプレーオフに直行していて、立場が逆転している。
 両チームの直接対決は10勝8敗とサムソンが勝ち越したが、チームの年間成績は2位トゥサンと4位サムソンのゲーム差は5と開き、チーム成績を見るとその差は決して小さくはない。まずチーム防御率はトゥサンが8球団中3位(3.89)に対しサムソンが同5位(4.40)、チーム打率はトゥサンが防御率と同じ3位(.276)に対してサムソンが6位(.254)となっている。だが、サムソンは下馬評こそ不利という声が多かったが、12年連続でポストシーズンに進出した経験を生かし、8年ぶりのポストシーズン進出となった経験不足のロッテを無傷の3連勝で下した勢いがあり、決して侮ることはできない。3試合で終わらせたことにより、プレーオフに向けて投手陣を休ませることができたのが大きい。

 投手陣であるが、両チームともに先発陣の層は薄い。トゥサンは2007年22勝をあげたリオスが日本プロ野球東京ヤクルトに移籍し、その代わりとなる先発投手を育てることはできなかった。ただ1人規定投球回数に達し、2007年まで3年連続2ケタ勝利を記録した外国人投手ランデル(元読売)も、今季は不調で9勝どまりだった。元メジャーリーガーとして鳴り物入りで入団したキム・ソヌも、プレーオフ第1戦の先発を任されることになったが、期待通りに活躍したとは言えず、2軍落ちも経験し6勝どまりだった。これからのポストシーズンでは、左腕イ・ヘェチョン、右腕キム・ミョンジェなどの先発も予想される。
 トゥサンの投手陣を支えたのはリリーフ陣で、特に今季兵役から復帰したイ・ジェウが非常に安定した投球で中継ぎの柱として活躍し、チーム最多の11勝を記録した。そのほかキム・サンヒョン、イム・テフン、チョン・ジェフンなどのリリーフ陣にも期待がかかり、絶対的な抑えがいないため、キム・ギョンムン監督の継投策が見ものである。
 一方サムソンはより先発陣の層が薄く、プレーオフでも第1戦の先発となったペ・ヨンス、その他エニス、ユン・ソンファンなどが先発すると予想される。リリーフ陣は比較的安定していて、左のクォン・ヒョク、右のアン・ジマンだけでなく、韓国ナンバー1ストッパーのオ・スンファンが最後に控え、トゥサンにない長所となっている。両チームともに6回以降の投手起用が見ものである。ただトゥサンにとっては、公式戦終盤でイ・ジェウの調子が落ちてきていることが心配の種である。

 トゥサン打線はチーム打率こそ3位だが、盗塁数1位(189個)と快足の選手をそろえ、チーム本塁打数は6位(68本)でしかないものの、チーム得点数は1位(647)と高い攻撃力を誇っている。北京五輪でも活躍したイ・ジョンウク(47個)、コ・ヨンミン(39個)の主力選手だけでなく、レギュラーを狙う若手内野手のオ・ジェウォン(28個)の起用もあり、快足の選手がスタメンに名を連ねそうである。サムソンの正捕手チン・ガビョンがいかにトゥサンの足を封じるかが見どころとなっている。
 中軸はベテランの4番キム・ドンジュと、初の首位打者に輝いた20歳のキム・ヒョンスの2人がポイントゲッターとなる。主に3番を打ったキム・ヒョンスは、左投手も苦にせずヒットを量産し、チーム2位の89打点をあげた。キム・ヒョンスの活躍で、チーム打点王のキム・ドンジュや、そのあとを打つことが多いホン・ソンフン、チェ・ジュンソクなども生きてくる。ランナーも返せて、チャンスメークもできる最高の3番打者だ。
 
 サムソン打線は得点こそ5位(557点)だが、チーム本塁打数が3位(92本)と、長打力はトゥサンを上回っている。ただ盗塁数59と8球団中最低で、得点効率ではかなり劣る。準プレーオフではチン・ガビョン、ヤン・ジュンヒョク、パク・チンマンなど経験豊富な打者たちが肝心な場面で活躍し、経験豊富なベテランがそろい、チェ・ヒョンウ、パク・ソンミンなどのような若手が波に乗ると、勝負の行方は分からなくなる。

 総合的な戦力ではトゥサンに分が上がるが、準プレーオフを3連勝で終わらせた勢いやこれまでの経験を考えると、一方的な展開ではなく、どちらが勝つにしろ第6戦以降に決着がもつれることが予想される。今季からプレーオフが従来の5試合から7試合制に変わったが、ポストシーズンを長くしたことに見合うだけの熱戦を期待したい。

(文責:ふるりん