DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  2007年オフシーズンの動向

 2007年限りで解散が濃厚な現代を除いた7球団のオフシーズンの動向をまとめてみた。各球団ともに1月中には春季キャンプに入るため、近日中に2008年シーズンの陣容を確定させると思われる。

 韓国シリーズ初優勝を達成し最高の1年となった新王者SKは、FAを行使した主砲イ・ホジュン、鉄腕のリリーフ右腕チョ・ウンチョンの残留に成功し、戦力に大きな変化は見られない。優勝に貢献したレイボーン、ロマノの両外国人投手も再契約する見込み。韓国シリーズ、アジアシリーズで好投したキム・グァンヒョンなど若手がさらに成長すれば、選手層はより厚くなり連覇の可能性は高まる。2008年シーズンの優勝候補筆頭であり、前年以上の独走の気配すら漂う。
 
 韓国シリーズで連勝スタートしたが4連敗の悪夢を味わってしまったトゥサンは、チームの大黒柱で2007年は22勝しシーズンMVPとなったリオスが日本プロ野球東京ヤクルトへと移籍し、大きな戦力ダウンは必至だ。その穴埋めとして元メジャーリーガーのキム・ソヌと年末から本格的交渉に入ったが、まだ合意には至っていない。2006年オフにも破格の条件でキム・ソヌと入団交渉したが、本人のメジャー志向が強く断念した。2007年キム・ソヌはメジャー昇格できなかったため、自身初となる韓国の球団でのプレーには意欲的であると見られる。また、FAを行使し日本の球団と交渉したと見られる主砲キム・ドンジュの去就、正捕手の座を失ったためトレード志願したホン・ソンフンの今後も決まっていないため、不安要素が大きく公式戦2位と躍進した2007年以上の成績を残すのは厳しい見通しだ。

 公式戦3位でプレーオフまで進出したハンファは、2007年打率3割、20本塁打以上を記録したが足を故障した外国人野手クルーズと契約を結ばなかった。代わりの外国人野手の獲得を進めていて、2007年は11勝したが不安定な投球内容が目立った外国人投手セドリック(元東北楽天)とは、他によい外国人が獲得できなければ再契約すると思われる。その他はトゥサンから外野の強化のため金銭トレードでユン・ジェグクを獲得した程度で、投打ともに若手の成長で選手層を厚くして、9年ぶりの韓国シリーズ優勝を狙うと思われる。

 投打ともにスケールダウンし1度も首位に立てず公式戦4位に終わり、韓国シリーズ3連覇を逃した元王者サムソンは、オフに大量16名もの選手を自由契約にし、チームの構造改革を進めている。先発ローテーションで活躍したブラウン(元阪神)、マゾーニの両外国人投手と再契約せず、ハンファで活躍したクルーズと契約し、3連覇を逃した最大の要因である貧打線の強化を図った。また、先発投手陣の強化としてロッテを自由契約となったベテランのイ・サンモクを獲得した。エースのペ・ヨンスが1年にわたったひじの手術のリハビリから回復すれば、2008年は優勝戦線に名乗りをあげてくることが予想される。

 キム・ジェバク新体制で大きな補強をし、最下位から脱出し5位浮上と健闘したLGは、コマ不足の投手陣を強化するため、サムソンを自由契約となったブラウンと契約し、また2007年シーズン途中入団したオクスプリング(元阪神)とも再契約した。主砲として期待されたが目立った成績を残せなかったバルデス(元福岡ダイエー)は退団し、若手の起用で打線強化を図る。なお、FAを行使した正捕手チョ・インソン、左の中継ぎリュ・テッキョンの2人の残留にも成功した。

 2年連続7位と低迷したロッテは、まず契約期間が満了したカン・ビョンチョル監督と契約の更新をせず、監督の後任人事に乗り出した。球団OBでよい人材がいないこともあり、決定までは時間がかかったが、姉妹球団でもある日本プロ野球千葉ロッテの協力を得て、メジャーリーグでも監督経験のある米国出身のジェリー・ロイスター新監督を迎えた。韓国プロ野球史上初の外国人監督の采配に注目が集まる。なお、ペレス(元オリックス)、カブレラの両外国人とは再契約せず、新外国人を獲得する方針。

 投打ともに故障者が続出し最下位に低迷したキアは、任期を1年残したソ・ジョンファン監督が辞任し、シーズン途中にバッテリーコーチに就任したチョ・ボムヒョン前SK監督が新監督に昇格した。またメジャーリーグで活躍したソ・ジェウンが故郷の球団であるキアに入団し、2007年に入団した元メジャーリーガーのチェ・ヒィソプとともに、チームの救世主として期待されている。なお、外野陣強化のためトゥサンからカン・ドンウをトレードで獲得した。2007年シーズン途中入団した大物外国人投手ロドリゲスはひじの故障のためワンポイント登板しかできずシーズン終了を待たず帰国し、先発ローテーションで活躍したスコービーの再契約も微妙である。
(文責:ふるりん