プロ野球選手協会の定期総会が4日ソウルで開かれ、終了後に記者会見を開きソウル・東大門(トンデムン)野球場の撤去反対の声明をイ・ジョンボム会長(キア、元中日)が発表した。その後選手たちは地下鉄で東大門野球場に移動し、200名を越える選手たちが球場の周囲で同球場の保護を呼びかけるデモを行った。
東大門野球場は、日本統治時代の1925年京城運動場として完成し、その後ソウル運動場、そして現在の東大門野球場に改称され、長年韓国野球のメッカとなってきた。1982年3月27日、韓国プロ野球最初の試合であるMBC(現LG)−サムソンが行われたのもこの球場であった。だがその後プロ野球は蚕室(チャムシル)野球場で行われるようになり、東大門野球場は高校野球、大学野球とアマチュア野球にのみ使用されるようになった。また球場の施設老朽化も激しくなっていた。
21世紀となりソウルの都心に位置する東大門市場(トンデムンシジャン)付近の再開発が進み、かつてその上を高架道路が通っていた暗渠の清渓川(チョンゲチョン)は復元工事が進み、高架道路が撤去され清流の流れる公園となり、ソウル市民の憩いの場となった。また周囲にはトゥサンタワー、ミリオレなどの高層ビルが建てられた。その波から取り残されていたような東大門野球場も、2006年10月に再開発計画がソウル市から発表され2007年11月に撤去作業を開始し、ソウル市東部の広津(クァンジン)区に2万人収容の新球場を建設することとなった。プロ野球選手たちのほとんどが高校、大学時代にプレーした韓国野球の聖地・東大門野球場をぜひ残したいとの意見が多く、今回のデモ行動に至った。今後の動向に注目したい。