韓国プロ野球のメッカとして、LG、トゥサンの2球団の本拠地であるだけでなく、この2球団が進出しなくても、韓国シリーズの第5戦以降が行われるソウル・蚕室野球場。2009年シーズンの例年にないプロ野球の盛り上がりにより、蚕室野球場は週末になると大変な賑わいを見せます。
今回は週末の蚕室野球場の様子をお届けします。
地下鉄2号線総合運動場(チョンハプウンドンジャン)駅の目の前にあるチケット売り場には、長蛇の列ができていました。この日は25000人以上の観客が入ったそうです。ダフ屋と思しき中年の男性や女性の姿もかなり見かけました。
2009年シーズンから、蚕室野球場は指定席の範囲が広がりました。以前の内野自由席のうち、下層部のベンチボックス付近がブルー指定席(1万ウォン、週末は1万2000ウォン)、下層部の外野よりの部分がレッド指定席(7000ウォン、週末は8000ウォン)となり、上層部のオレンジ色の部分だけが自由席(レッド指定席と同じ価格)となりました。僕が球場に到着した4時過ぎには、内野指定席はすでに完売となっていました。
1塁側内野席の入口を抜け、球場内の通路に入ると、トゥサンの本拠地らしい雰囲気が漂っています。無論LG主催試合のときはまったく雰囲気が変わり、これが同じ球場なのだろうか、と思うほどです。
スタンドに入ると、すでに1塁側はぎっしりと埋まり、トゥサンの選手たちが練習を続けていました。
人気女性タレント、ホン・スンアの始球式でいよいよプレーボール!
(チームの顔、主砲キム・テギュン。)
1塁側、3塁側ともに熱い応援合戦が繰り広げられ、試合開始後もどんどん観客がスタンドへと入っていき、内野席はいつの間にかほとんど空席がなくなっていました。
一方外野スタンドにも、熱心なファンたちが陣取り応援を続けています。
試合の合間に、トゥサンファンの一般人男性が、大勢の観客の前で婚約者にプロポーズをし、その様子がオーロラビジョンで大写しされ、観客から祝福を受けていました。
日本では絶対にありえない光景ですが、時々選手がこのような形でプロポーズをすることがあります。人々が感情を包み隠さず表に出す韓国らしいイベントです。
さて、試合はキム・ドンジュの逆転ホームランもあり、トゥサンが勝利しました。
野外球場ならではの涼しい風にあたり、大勢のファンたちとともに野球を楽しめる、総天然芝のすばらしい野球場は、これからもソウルのみならず韓国の野球ファンたちにとって聖地であり続けることでしょう。ソウル・江南の繁華街から近く、地下鉄の駅からすぐという最高の立地条件にある蚕室野球場に、是非一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
5月から毎週月曜日にお送りしてきた現地観戦レポートも、一旦これにて終了とさせていただきます。もしまた韓国へプロ野球の観戦に行きましたら、また皆様にご報告したいと思います。また皆さんの観戦記なども心よりお待ちしています。
(文責 : ふるりん)