DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  9月14日 ネクセンヒーローズ−NCダイノス(馬山総合運動場野球場)

 3月24日に開幕した2018年レギュラーシーズンも終盤にさしかかりました。
 優勝やポストシーズン進出をかけた順位争いが過熱化する一方で、選手の引退など別れの季節が到来しています。

 それは多くの選手が汗を流し熱のこもった姿をファンたちの前に見せてきた野球場とて例外ではありません。


 今回は2018年シーズンでNCダイノスの本拠地球場としての役割を終えることになっている馬山総合運動場野球場についてお届けします。


 NCダイノスは2011年にプロ野球9番目の球団として創設され、2013年より一軍のレギュラーシーズンに参加しました。
 本拠地はかつてロッテの試合が開催されることもあった韓国南東部の地方都市・馬山で、1982年に開場した中心市街地の総合運動場野球場を改修してプロ野球の本拠地として利用してきました(2018年時点での収容人数は1万1000人)。
 一方で新球場の建設も計画され、候補地は二転三転しましたが現在の総合運動場にあった競技場を撤去して建設することになりました。
 建設工事は2016年6月から開始され、2019年2月に収容人数約2万2000人の新球場が完成する予定です。




 

 現在利用されている野球場の外壁には、2013年からこれまで活躍してきたNCダイノスの選手の雄姿や、2015年にプロ野球史上初のシーズン40本塁打・40盗塁を達成したエリック・テームズ(現ミルウォーキーブルワーズ)など記念すべき試合や記録の写真が飾られています。




 
 9月14日、馬山など韓国南東部には前日からの雨が午前中も降り続けましたが、昼過ぎに雨は上がりました。
 観客席の通路などはまだ水がたまっている部分もありましたが、18時半に予定通り試合が開始されました。
 



 天気も悪く中止になるかもしれないと思われていたからか、この日の観客は約3100人と寂しい入りでしたが、9月12日のキア戦で5連勝とし最下位から9位へと浮上したNCは、前日13日に中止になったにもかかわらずその勢いは衰えず、2回裏に3点を先制しました。





 
 NCダイノスの応援は外野1塁側のステージが中心で、内野1塁側にもチアリーダーが配置されています。
 観客は満員から程遠くても、NCがリードしていることもあって応援は終始盛り上がっていました。



 
 終盤応援の熱気が最高潮に達するのは、ご当地ソングの「Come on Come on 馬山ストリート」(2007年に韓国のロックバンドNo Brainが発表)が流れたときです。

 歌詞の日本語訳は以下の通りです。

俺が生まれた場所、馬山ストリート
 荒っぽい潮風の吹く港町
 特別なところも見どころもないけれど
 俺はそこが大好きだ
 
 コーラのように輝く海の水が流れる
 おばさんの味のある馬山のなまり
 なじんでいたその町を俺は出て行ったよ
 夢を胸いっぱいに抱いて

 流れ行く漢水の川の水よ
 馬山港まで俺の心を届けてくれないか


 Come on! Come on!馬山ストリートよ!
 Come on! Come on!わが友よ!
 Come on! Come on!馬山ストリートよ!
 
 飛び上がれ!


 歌詞から察するに、故郷・馬山を離れてソウル市内で暮らす男性の心情をうたったものと思われます(漢水はソウル市内を流れる大きな河川です)。
 No Brainのメンバー、イ・ソンウ(歌唱担当)は馬山出身です。
 この「馬山ストリート」はさほど有名な曲ではなかったそうですが、NCダイノスの応援歌として採用されたことで広く知られるようになりました。
 軽快なテンポなのでプロ野球の応援歌にはぴったりですね。





 試合は3番ナ・ソンボムの21号本塁打を含む6打点、先発ローガン・ベレットの好投で7-3とNCが勝利し、連勝を6にまで伸ばしました(9月16日時点でNCは9位)。


 2019年、NCダイノスの新球場が無事に完成し、最新鋭のボールパークでもこの「馬山ストリート」などの応援歌で野球ファンたちが盛り上がることを心から願います。




(文責:ふるりん)