3年ぶりのポストシーズン進出へ
パク・チンマン監督の1年目となった2023年は最下位争いから抜け出せず8位に終わった。オフシーズンは最大の弱点だったリリーフの補強に努めた。KTウィズからキム・ジェユン、キウムヒーローズからイム・チャンミンとFA(フリーエージェント)となっていた抑えとしての実績がある2名の投手、余剰戦力を対象とした2次ドラフトでキウムからヤン・ヒョンなどを指名した。また外国人選手3名はすべて交代とし刷新を図った。2024年シーズンは3年ぶりのポストシーズン進出、そして2014年以来10年ぶり8度目の韓国シリーズ優勝を目指す。
【投手陣】
〈先発〉
◎コナー、◎レイエス、ウォン・テイン、△ペク・チョンヒョン、△チェ・チェフン、イ・ホソン
〈リリーフ〉
キム・デウ、イ・スンヒョン(背番号20)、◎△チェ・ソンフン、◎キム・ジェユン、◎イム・チャンミン、△イ・スンヒョン(背番号57)、◎ヤン・ヒョン、オ・スンファン
注 : ◎は新加入、△は左腕
2023年まで4年間先発投手陣の中心だった外国人選手ブキャナン(元東京ヤクルト)が去り、2021年以降の野球韓国代表に選ばれ続け4月に24歳となるウォン・テインにはさらなる成長が求められる。コナー、レイエスの新外国人選手2名は未知数で右腕であり、左腕の先発としては36歳のペク・チョンヒョンに衰えが見られ、全体的に層は厚くない。
プロ野球史上初めて個人通算400セーブを記録し、2024年で42歳を迎える守護神オ・スンファンは2年契約を結んだ。しかし体力的な不安がありキム・ジェユン、イム・チャンミンなどのリリーフ陣を補強した。2023年はチーム防御率が10位(4.25)だった脆弱な投手陣の向上が浮上のカギを握っている。
【打撃陣】
〈先発予想〉
捕手:カン・ミンホ
一塁:マキノン
二塁:キム・ジチャン
三塁:△リュ・ジヒョク
遊撃:イ・ジェヒョン
外野:△ク・ジャウク、△キム・ヒョンジュン、△キム・ソンユン
DH:△オ・ジェイル
〈控え〉
(捕手)キム・ドファン、キム・ジェソン
(内野手)△カン・ハヌル、△コン・ミンギュ、△キム・ヨンウン、△キム・ジェサン
(外野手) キム・ホンゴン、キム・ドンヨプ、ユン・ジョンビン
注:◎は新加入、△は左打者。
打線の中軸はク・ジャウクやカン・ミンホ、さらに新外国人マキノン(元埼玉西武)が担うと思われる。得点力は他チームと比べて高いとは言えないが、23歳のキム・ジチャン、21歳のキム・ヒョンジュンなどの若手がレギュラーに定着しつつあり、成長の余地がある。また21歳で遊撃手を任されていたイ・ジェヒョンが故障のため開幕には間に合わず、20歳のキム・ヨンウンなどのほかの若手が起用されている。また、2023年の杭州アジア競技大会野球韓国代表に選ばれた25歳の外野手キム・ソンユンの躍進が目覚ましい。
こうした若手の台頭だけでなく、38歳の捕手カン・ミンホは3試合出場すれば、パク・ヨンテクの通算試合出場数(2236)に並ぶなど、ベテランの活躍も重要である。2023年は不調だった37歳の左の長距離打者オ・ジェイルもそれに刺激を受けて復活が期待される。また近年期待を裏切り続けている33歳の右の長距離打者キム・ドンヨプにとって、2024年シーズンは真の正念場となりそうだ。
【本拠地】
大邱サムソンライオンズパーク
大邱(テグ)は韓国南東部にある人口250万人以上の韓国第4の都市である。中心市街地から小さな峠を越えた東にある大邱サムソンライオンズパークは、2016年に完成した緑に囲まれたボールパークである。周囲には商店や食堂などは少ないが、大邱都市鉄道(地下鉄)2号線・大公園(テゴンウォン)駅の目の前にあり交通の便はよい。
客席がサムソンのチームカラーの青に統一された特徴的なデザインの野球場には電光掲示板、観客席ともに最新鋭の設備が導入され、売店なども充実し快適な観戦環境が提供されている。この野球場は西日が差し込まないようにするため、かつての本拠地だった大邱市民運動場野球場と同じく三塁側がホームとなっている。ユニフォームなどその他の応援用品がそろうグッズショップは三塁側外野席の後方にあり、サムソンライオンズの40年あまりの歴史を紹介する野球展示館がある(入場無料)。またファールグラウンドが狭く、他の韓国のプロ野球本拠地球場に見られない八角の形状である。
[交通アクセス]
大邱都市鉄道(地下鉄)2号線・大公園駅4,5番出入口が球場前の広場にある。高速鉄道KTXが停車する東大邱駅前の複合乗換センターから大邱サムソンライオンズパーク方面への937番バスで15〜20分程度。
(文責:ふるりん)