イ・スンヨン新監督による世代交代推進
2023年は終盤に失速しレギュラーシーズン3位、ポストシーズンでは準プレーオフでNCダイノスに敗れ、韓国シリーズ2連覇に失敗したSSGランダース。オフシーズンにはキム・ウォンヒョン監督を解任し、本拠地仁川(インチョン)出身のイ・スンヨン新監督が就任した。また余剰戦力を対象とした2次ドラフトでキム・ガンミン、チェ・ジュファンなどが去り、前身のSKワイバーンスの色を一掃しようとしたように思われた。またキウムヒーローズからFAとなっていた捕手イ・ジヨンとサインアンドトレードの形式で契約した。
KTウィズでコーチの経験はあるが監督は初めてとなるイ・スンヨン新監督は、世代交代を推進しながら3年連続ポストシーズン進出、2年ぶりの韓国シリーズ優勝を目指す。なお2024年シーズンよりユニフォームなどのデザインが変更されている。
【投手陣】
〈先発〉
△キム・グァンヒョン、△エリアス、◎ダガー、△オ・ウォンソク、ムン・スンウォン、パク・チョンフン
〈リリーフ〉
ノ・ギョンウン、イ・ロウン、ソン・ヨンジン、△ペク・スンゴン、チェ・ミンジュン、△コ・ヒョジュン、ソ・ジニョン
注 : ◎は新加入、△は左腕
先発投手陣の柱は2023年にチーム最多タイの9勝、韓国通算158勝の左腕キム・グァンヒョンとなるが、35歳と年齢を重ねている。そこで2023年は8勝を記録した22歳の若手左腕オ・ウォンソクの成長が必要となる。また外国人選手は韓国2年目の左腕エリアスと、新外国人の右腕ダガーの2名となった。アンダースローのパク・チョンフンは近年不振が続き、復活が期待される。
リリーフ陣は、2023年に40セーブで最多セーブの個人タイトルを受賞したソ・ジニョンが中心となる。また41歳の左腕コ・ヒョジュン、40歳の右腕ノ・ギョンウンのベテラン2名が健在である。しかし今後を考え、プロ2年目の19歳のイ・ロウン、ソン・ヨンジンの2名の成長を期待したい。
【打撃陣】
〈予想スタメン〉
捕手:△キム・ミンシク
一塁:オ・テゴン
二塁:アン・サンヒョン
三塁:チェ・ジョン
遊撃:△パク・ソンハン
外野:△チェ・ジフン、△ハン・ユソム、 エレディア
指名:△チュ・シンス
〈控え〉
(捕手) チョ・ヒョンウ、◎イ・ジヨン
(内野手) キム・ソンヒョン、キム・チャンヒョン、△チョン・ウィサン、△チェ・ジュヌ
(外野手) カン・ジンソン、△イ・ジョンボム、ハ・ジェフン
注 : ◎は新加入、△は左打者。
打線の軸となるのは37歳のチェ・ジョンで、2023年もチーム最多の29本塁打を記録、個人通算本塁打数を458本に伸ばしイ・スンヨプ(現トゥサン監督)の史上最多の個人通算467本が視野に入ってきた。また42歳となる元メジャーリーガーのチュ・シンスは2024年シーズンでの現役引退を発表しており、韓国出身選手としては最多となるMLB通算218本塁打の偉大な打者の最後のシーズンとなる。2023年、打率.321を記録した外国人選手エレディアも33歳になり、34歳のハン・ユソムなど主力野手の高齢化が進んでいるため、世代交代が急務である。一方で手薄な捕手の補強としてキウムからFAとなっていた38歳のイ・ジヨンと契約した。
2023年は4本塁打と成績を落とした23歳のチョン・ウィサン、27歳のアン・サンヒョンなどが次代の主力打者として期待される。また26歳のチェ・ジフンは韓国代表にも定着し、プロ野球界を代表する俊足巧打の外野手としてさらなるスケールアップが求められる。
【本拠地】
仁川SSGランダースフィールド
2002年に文鶴(ムンハク)野球場として開場した、総天然芝の美しい野球場。韓国の首都圏・仁川(インチョン)広域市の東部にそびえる文鶴(ムナク)山の北側に位置する。SKからSSGへと経営が譲渡された2021年3月より現在の通称に変更している。
2006年ごろから、韓国の他の野球場に先駆けエンターテイメントを追求したボールパークとして整備され、家族連れや様々な客層が楽しめる快適な観戦環境が提供されている。センター外野上の電光掲示板「ビッグボード」は韓国の野球場の中でも最大級の迫力である。SSGランダースとなってから、韓国ではSSG(新世界)グループが経営するスターバックスコーヒーが入店するなどさらなる進化を遂げている。今後、仁川広域市の青羅(チョンナ)国際新都市で新たなドーム型野球場の建設が計画されている。
[交通アクセス]
仁川交通公社1号線・文鶴競技場(ムンハクキョンギジャン)駅から徒歩5分。
(文責 : ふるりん)