DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

準プレーオフ:SSG-NC 第1戦(10月22日)予告先発など

 2023年プロ野球ポストシーズンは準プレーオフへと入り、レギュラーシーズン3位・SSGランダースと、10月19日にトゥサンベアースとのワイルドカード決定戦で勝利したレギュラーシーズン4位・NCダイノスとの対戦となった。両チームのポストシーズンでの対戦は2017年のワイルドカード決定戦以来で、この時はNCがSSGの前身であるSKワイバーンスに勝利した。

 SSGはレギュラーシーズン3位で2年連続ポストシーズンへ進出し、2022年のレギュラーシーズンと韓国シリーズ優勝から後退した形で韓国シリーズ2連覇に挑む。一方、2020年にレギュラーシーズンと韓国シリーズで優勝して以来となるポストシーズンへ進出したNCは3年ぶりの韓国シリーズ優勝を目指す。第1戦の予告先発投手SSGエリアス(※22試合・8勝6敗・防御率3.70)、NCシン・ミンヒョク(※29試合・5勝5敗・防御率3.98)と発表された。

 先に3勝したほうが、10月30日(月)からのプレーオフに出場、レギュラーシーズン2位・KTウィズと11月7日(火)からのLGツインスとの韓国シリーズ出場権をかけて戦う。9回で同点だった場合の延長は15回までで。引き分け再試合もある。

※ ( )内は2023年レギュラーシーズンの成績。


【2023年 準プレーオフ:SSG-NC 日程】

第1戦 : 10月22日  14時   仁川
第2戦 : 10月23日  18時半  仁川
第3戦 : 10月25日  18時半  昌原
第4戦 : 10月26日  18時半  昌原
第5戦 : 10月28日  14時     仁川

 

 10月17日にレギュラーシーズン最終戦のトゥサン戦を終えて中4日のSSGでは、第1戦の先発投手が2023年シーズン途中の5月から契約している左腕の外国人選手エリアスとなり、チーム最多タイの9勝を記録しているベテランのエース格、キム・グァンヒョンは第2戦以降に先発すると思われる。その他の先発投手は外国人選手マッカーティ、23歳の若手オ・ウォンソクと左腕がそろう。そのため、右の先発投手としてムン・スンウォンの起用も考えられる。

 リリーフの中心は最多セーブ(42)の個人タイトルを受賞するソ・ジニョンで、中継ぎは76試合に登板した39歳の右腕ノ・ギョンウン、73試合に登板した40歳の左腕コ・ヒョジュンとベテランが軸となっている。リリーフの層が厚くないだけに、ポストシーズンのような短期決戦では先発要員がロングリリーフに回ることも考えられる。

 SSGの打線は狭い本拠地球場(仁川SSGランダースフィールド)の特性を生かした本塁打攻勢が特徴で、36歳のチェ・ジョンが29本塁打、87打点とチーム最多を記録している。韓国1年目ながら確実性のある打撃で活躍した外国人選手エレディア、35歳で20本塁打を記録した左打者のチェ・ジュファン、シーズン終盤に長子を上げてきた34歳の左打者ハン・ユソム、41歳の元メジャーリーガーのチュ・シンスなど、主力野手の多くが30代以上である。一方20代の主力野手は内野手のパク・ソンハン、外野手のチェ・ジフンと、先日の杭州アジア競技大会野球韓国代表に選ばれた2名のみと言っていい。またチュ・シンスと同じ41歳で、2022年韓国シリーズでは代打逆転サヨナラ本塁打など印象的な活躍でMVP(最優秀選手)を受賞したキム・ガンミンが勝負所で起用されることが考えられる。

 

 それとは対照的に、NCは若手とベテランが融合した攻撃陣となっている。35歳で初めて首位打者(.339)となった安打製造機ソン・アソプ、二塁手パク・ミヌ、外野手パク・コヌやクォン・ヒィドンなど経験豊富な30代の打者、チーム最多打点(90)の外国人選手マーティンといった選手たちに、アジア競技大会野球韓国代表として攻守に活躍し兵役免除の恩典を得た21歳の両打ちの遊撃手キム・ジュウォン、23歳で正捕手に定着しつつあるキム・ヒョンジュンワイルドカード決定戦で満塁本塁打などの活躍を見せたソ・ホチョルなどが加わり、上位から下位まで切れ目のない打線が構成される。パク・セヒョク、ユン・ヒョンジュンなどの代打要員も豊富である。

 しかし先発投手陣には不安が残る。最多勝(20勝)、最優秀防御率(2.00)、最多奪三振(209)と圧倒的な活躍だった外国人選手フェディが、10月17日のキアタイガーズ戦での登板で負傷し、第1戦での先発を回避した。そのため第1戦は韓国人投手で最多の122回に登板した右腕のシン・ミンヒョクが先発投手となった。フェディの状態がこの準プレーオフの行方を大きく左右しそうだ。他の先発投手としてはシーズン途中の8月から契約した左腕の外国人選手タナー、右腕ソン・ミョンギ、イ・ジェハクなどが候補となるが層は厚くない。リリーフの軸はチーム最多の70試合に登板した右腕リュ・ジヌク、アジア競技大会野球韓国代表に選ばれ優勝による兵役免除の恩典を得た23歳の左腕キム・ヨンギュなどで、選手層は先発投手陣よりは厚い。しかし抑えで29セーブを記録したイ・ヨンチャンが安定感を欠くため、できる限り点差は広げておきたい。

 

 両チームともに打線が活発なため打撃戦が予想されるが、キム・グァンヒョン、フェディなど両チームのエース級の先発投手によるポストシーズンならではの白熱した投手戦にも期待したい。

 

(文責:ふるりん