DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

プレーオフ:KT-NC、第1戦(10月30日)予告先発など

 2023年ポストシーズンプレーオフへと進み、レギュラーシーズン2位:KTウィズとレギュラーシーズン4位で準プレーオフ勝者のNCダイノス10月30日より対戦する。5戦3先勝制で先に3勝したチームが11月7日より韓国シリーズでレギュラーシーズン1位:LGツインスと対戦し年間総合優勝を争う。

 

【2023年プレーオフ:KT-NC 日程】

第1戦:10月30日18時半 水原

第2戦:10月31日18時半 水原

第3戦:11月2日18時半 昌原

第4戦:11月3日18時半 昌原

第5戦:11月5日14時  水原

注:延長は15回まで。

 

 第1戦の予告先発投手はKTエバ(※18試合・12勝0敗・防御率2.60)、NCフェディ(※30試合・20勝6敗・防御率2.00)と発表され、外国人選手投手の対決となった。

※ 2023年レギュラーシーズンの成績。

 

プレーオフ展望】

 2015年より一軍に参入したKTと2013年より一軍に参入したNCはポストシーズンで初対戦となる。KTは2021年、NCは2020年に韓国シリーズで初優勝している。

 

 KTは10月10日にレギュラーシーズン最終戦を終え、プレーオフ第1戦は20日ぶりの実戦となる。第1戦の予告先発投手は2023年シーズン途中の6月、約1年ぶりにKTと契約し12連勝を記録した外国人選手クエバスである。2021年、サムソンライオンズとのレギュラーシーズン優勝決定戦や韓国シリーズで登板するなど、大舞台の経験があるのが心強い。チーム最多の15勝を記録した左腕の外国人選手ベンジャミン、韓国人では最多の12勝を記録したアンダースローの右腕コ・ヨンピョ、その他ペ・ジェソン、オム・サンベクなど先発投手陣の層は厚い。リリーフではチーム最多の68試合に登板、10月に杭州アジア競技大会野球韓国代表で優勝し兵役免除の恩典を得た20歳のパク・ヨンヒョンが中継ぎの柱となり、22歳のソン・ドンヒョン、経験豊富な28歳のチュ・グォン、チーム最多の32セーブを記録したキム・ジェユンなどが控えている。

 打線では37歳でチーム最多本塁打(18)、打点(87)を記録したパク・ピョンホが健在で、17盗塁と快足の外国人選手アルフォード、正捕手チャン・ソンウ、内野手のファン・ジェギュンとキム・サンス、外野手のキム・ミンヒョクとペ・ジョンデなど経験豊富な選手がそろう。しかし、2023年は心身ともに不調で、10月に杭州アジア競技大会野球韓国代表で優勝し兵役免除の恩典を得たカン・ベッコが練習試合で負傷し、プレーオフに出場できなくなった。レギュラーシーズンでは9本塁打を記録したムン・サンチョルなどの起用で主軸を任せられるカン・ベッコの不在を補ったが、ポストシーズンでは不安材料となる。また2021年韓国シリーズ優勝に貢献した39歳のパク・キョンス、シン・ボンギ、オ・ユンソクなど控えの野手も経験豊富である。

  

 トゥサンベアースとのワイルドカード決定戦、SSGランダースとの準プレーオフで合計4連勝と勢いに乗るNCの第1戦の予告先発投手は最多勝(20勝)、最優秀防御率(2.00)、最多奪三振(209)と圧倒的な投球内容だった外国人選手フェディである。しかし10月17日のキアタイガーズ戦で負傷し準プレーオフなどに出場せず、ケガからの回復具合も気がかりで、韓国では初の大舞台での登板と不安材料もある。他の先発投手としては左腕の外国人選手タナー、韓国人選手ではソン・ミョンギ、シン・ミンヒョクなどがあげられるが、今回のポストシーズンでは勝利投手となっていない。そのため10月の杭州アジア競技大会野球韓国代表で優勝し兵役免除の恩典を得た23歳の左腕キム・ヨンギュ、他にはイ・ジェハク、リュ・ジヌク、チェ・ソンヨンなどの中継ぎ投手陣への負担が増す。抑えとしては経験豊富なイ・ヨンチャンがいるが、投球内容は不安が多い。

 そのためNCでは準プレーオフまでと同じく打線の爆発に頼るしかない。レギュラーシーズンの首位打者ソン・アソプ、パク・コヌ、パク・ミヌなどの経験豊富な打者と外国人選手マーティン、ソ・ホチョル、キム・ジュウォン、キム・ヒョンジュンなどの新鋭の打者たちが勢いを維持できるかが勝敗を左右すると思われる。

 

 KTとしては2年ぶり、NCとしては3年ぶりとなる韓国シリーズ進出を目指し、プロ野球界の新興勢力どうしが頂点を目指して激突する熱戦に期待したい。

 

(文責 : ふるりん