DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

準プレーオフ:キウム-KT 第1戦(10月16日)予告先発など

 2022年プロ野球ポストシーズンは準プレーオフへと入り、レギュラーシーズン3位・キウムと、キアとのワイルドカード決定戦に勝利したKTの対戦となった。2020年と2021年の準プレーオフは11月開催で最大3試合に短縮されたが、2022年は2019年までの最大5試合までに戻された。

 キウムは2018年から5年連続のポストシーズン出場で、2020年から3年連続ポストシーズン出場のKTとは初対戦となる。第1戦の予告先発キウムアン・ウジン(※30試合・15勝8敗・防御率2.11)、KTオム・サンベク(※33試合・11勝2敗・防御率2.95)と発表された。

 先に3勝したほうが、10月24日(予定)からのプレーオフに出場、レギュラーシーズン2位・LGと11月1日(予定)からの韓国シリーズ出場権(レギュラーシーズン1位・SSG-プレーオフ勝者)をかけて戦う。

※ ( )内は2022年レギュラーシーズンの成績。


【2022年 準プレーオフ:キウム-KT 日程】

第1戦 : 10月16日  14時   ソウル・高尺
第2戦 : 10月17日  18時半  ソウル・高尺
第3戦 : 10月19日  18時半  水原
第4戦 : 10月20日  18時半  水原
第5戦 : 10月22日  14時     ソウル・高尺

 

 キウムとKTはレギュラーシーズンで80勝62敗2分けと同率3位で、直接対決で8勝7敗1分けと勝ち越していたためポストシーズンではキウムが3位、KTが4位の扱いとなった。KTは10月13日、ワイルドカード決定戦でキアと対戦し6-2で勝利、中2日で準プレーオフへ進出した。それに対してキウムは10月8日で全日程を終え準プレーオフまで1週間の調整期間があった。

 

 キウムは打線に打率(.349)・打点(113)の二冠のイ・ジョンフ、投手陣に防御率(2.11)・奪三振(224)の二冠のアン・ウジンのプロ野球界を代表する大黒柱がいる。

 24歳のイ・ジョンフは本塁打(23)もチーム最多で、1人で試合の局面を変えてしまう力がある。MLBで実績のある外国人選手プイーグは6月まで低調だったが、韓国に適応した7月以降は調子を上げ21本塁打を記録、イ・ジョンフとともに打線をけん引した。ただしチーム総得点はリーグ8位と高くはない。数少ない得点源となる選手としては、勝負強い打撃でチーム2位の79打点を記録した左の内野手ソン・ソンムンがいる。またチャンスメイカーとしては打率.319、34盗塁を記録した23歳のキム・ヘェソンがイ・ジョンフ、プイーグなどへのつなぎ役となっている。

 投手陣のチーム防御率(3.79)はリーグ3位である。準プレーオフ第1戦の予告先発のアン・ウジンが剛速球で三振の山を築くことができれば勝利が大きく近づく。韓国5年目の外国人選手で左腕ヨキシュも10勝を記録、大舞台の経験が豊富で信頼がおける。先発3番手以降としては外国人選手エップラー(元オリックス)、チェ・ウォンテ、ハン・ヒョンヒィ、チョン・チャンホンと頭数はそろい、短期決戦のため何名かはリリーフに回ると思われる。リリーフの軸は終盤抑えを任された左腕キム・ジェウンで、チーム最多の65試合に登板、最多タイの13セーブ、最多の27ホールドを記録した。

 

 2021年は韓国シリーズで優勝したKTは23歳の若き主力打者カン・ベッコが負傷などで長期にわたって離脱し、攻撃力が低下しチーム総得点(631)は7位と低調だった。4番打者として活躍したパク・ピョンホは9月に負傷で離脱したが35本塁打プロ野球史上最多の6度目の本塁打王となり、チーム最多の98打点を記録した。ほかには強打の捕手で18本塁打を記録したチャン・ソンウ、経験豊富なベテラン内野手ファン・ジェギュン、終盤のチャンスに強いペ・ジョンデ、俊足のショートのシム・ウジュン、シーズン途中の6月からの出場で14本塁打を記録した外国人選手アルフォードなど、切れ目のない打線が構成されるが控えの選手層が薄い。

 投手陣はリーグ2位の防御率(3.51)とキウムよりも数字がいい。第1戦の先発の右腕オム・サンベクは26歳で自身最多の11勝を記録し勢いに乗っている。第2戦以降はチーム最多タイの13勝を記録した21歳のソ・ヒョンジュン、アンダースローのコ・ヨンピョが先発すると思われる。韓国3年目の外国人選手デスパイネがやや不調で不安を残すが、アルフォードと同じくシーズン途中の6月から加入した外国人選手の左腕ベンジャミンがワイルドカード決定戦でリリーフ登板しており、準プレーオフでも同様の起用が考えられる。リリーフはリーグ最多の76試合に登板した右腕キム・ミンスが中心であるが、抑えでチーム最多の33セーブを記録したキム・ジェユンが10月11日のLG戦でセーブに失敗しチームがワイルドカード決定戦に回ることになるなど不安を抱えている。

 

 キウム、KTともに打線にはリーグを代表する選手がいるものの得点力は高くなく、投手力や守備力が優位のロースコアの試合展開が予想される。

 

(文責:ふるりん