DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2022年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

プレーオフ:サムソンライオンズ-トゥサンベアース、11月9日に第1戦

 2021年ポストシーズンプレーオフへと進み、レギュラーシーズン2位:サムソンライオンズと準プレーオフ勝者のトゥサンベアース11月9日より対戦する。先に2勝したチームが11月14日より韓国シリーズでレギュラーシーズン1位:KTウィズと対戦し年間総合優勝を争う。

 

【2021年プレーオフサムソンライオンズ-トゥサンベアース 日程】

第1戦11月9日18時半  大邱

第2戦11月10日18時半  ソウル・蚕室

第3戦11月12日18時半  大邱

注:9回を終えて同点の場合最長15回まで延長戦となり、15回を終えて同点の場合は引き分けとなる。

 

 第1戦の予告先発サムソンブキャナン(※30試合・16勝5敗・防御率3.10)、トゥサンチェ・ウォンジュン(※29試合・12勝4敗・防御率3.30)と発表された。

※ 2021年レギュラーシーズンの成績。

 

プレーオフ展望】

 サムソンライオンズはトゥサンべアースに敗れた2015年韓国シリーズ以来6年ぶりのポストシーズン出場となった。翌2016年から現在の本拠地・大邱サムソンライオンズパークに移転してから低迷が続き、2017年まで2年連続9位と過去最低順位を記録、2018年は6位と持ち直したかに思われたが2019年、2020年は2年連続8位と優勝争いから遠ざかっていた。だがホ・サミョン監督の2年目となった2021年レギュラーシーズンは優勝争いを続け、144試合を終えてもKTウィズと同じ勝率だったため行われた1試合のみの1位決定戦で敗れ2位となり、ポストシーズンプレーオフからの出場となった。4連覇を果たした2014年以来7年ぶり8度目の韓国シリーズ優勝を目指す。

 

  サムソンはチーム防御率4.30で10チーム中4位と、突出した数字は残していない。だが先発投手のクォリティースタート(6回以上投球し自責点3以内)は66と、1位のKT(76)に次ぎ2位となっているのが強みである。16勝で最多勝の個人タイトルを受賞した2年目の外国人選手ブキャナン(元東京ヤクルト)、34歳で自己最多の14勝を記録した左腕ペク・チョンヒョン、21歳で先発ローテーションに定着し自己最多の14勝を記録した右腕ウォン・テインが三本柱となっていた。

 リリーフ陣では史上初の韓国個人通算300セーブを達成、44セーブで韓国では9年ぶり6度目の最多セーブの個人タイトルを受賞したオ・スンファン(元阪神)が絶対的な存在で、9回まで1点でもリードすれば勝利は確実という安心感がある。ただしその他の中継ぎ陣が盤石とは言い難く、36歳のサイドスロー右腕ウ・ギュミンが中継ぎの柱となっていた。その他にはアンダースロー右腕のシム・チャンミン、チェ・ジグァンなどがいるが安定感を欠く。左腕のリリーフ要員が足りないため、レギュラーシーズン終盤と同様に外国人選手モンゴメリーチェ・チェフンが左のリリーフとして起用されると思われる。

 

 サムソンのチーム得点(712)は10チーム中6位、打率(.267)は3位、本塁打(133)は3位と、控えの層が厚くないこともあり攻撃力は傑出しているとは言い難い。だが中軸には韓国1年目でチーム最多の29本塁打、最多タイの97打点を記録した外国人選手ピレラ(元広島)、生え抜きの右打者ク・ジャウク(22本塁打・88打点)、2020年シーズンオフにFAでトゥサンから移籍し期待に応えた左の大砲オ・ジェイル’(25本塁打・97打点)と怖い打者がそろう。その周りを36盗塁の快足の1番打者パク・ヘミン、36歳の強打の捕手カン・ミンホ、韓国シリーズ4連覇に貢献した生え抜きの内野手キム・サンスなど韓国代表経験もある実績ある選手たちが脇を固める。下位打線でポイントゲッターとなる右打者の外野手キム・ホンゴン、20歳ながらユーティリティープレイヤーとして起用されている左打者の内野手キム・ジチャンなどの意外性のある選手たちの活躍にも期待したい。

 

 トゥサンは2015年から2020年まで6年連続韓国シリーズ進出、うち3度の優勝(2015,2016,2019年)と大舞台での経験は豊富で勝ち慣れているチームだ。2021年は7年連続のポストシーズン出場で、プロ野球史上初の7年連続韓国シリーズ進出を目指す。だが11月1日に開幕した2021年ポストシーズンではワイルドカード2試合、準プレーオフ3試合の合計5試合を消化したことによるチーム全体の疲労が気がかりだ。

 レギュラーシーズン終盤に故障し、チーム最多勝(14勝)で最優秀防御率(2.33)、最多奪三振(225)の個人タイトルを受賞した外国人選手ミラン(元福岡ソフトバンク)、9勝を記録したロケットプレーオフでも出場者名簿から外れた。したがって韓国人選手のみで先発投手を出さなくてはならず、韓国人では最多勝(12勝)のチェ・ウォンジュンが準プレーオフと同様プレーオフ第1戦で先発する。2戦目以降は22歳のクァク・ピンなどが予想されるが、ミランダ、ロケットの穴を埋める人材はいない。場合によっては第3戦の2番手で4回無失点と好投したイ・ヨンハの先発の起用も考えられる。リリーフは右のホン・ゴンヒィキム・ガンニュルが軸となるが、プレーオフから36歳のベテラン左腕チャン・ウォンジュンを加え、38歳のイ・ヒョンスンなどとともに左のリリーフを任されると思われる。

 攻撃陣は準プレーオフMVPでポストシーズンに強いチョン・スビン、第3戦で決勝本塁打の外国人選手フェルナンデスが好調で、パク・コヌキム・ジェファンヤン・ソックァンホ・ギョンミンパク・セヒョクなどがそろい、上位から下位まで切れ目のない打線が構成されている。またFAでサムソンへ移籍したオ・ジェイルの補償選手として移籍してきた内野手パク・ケェボムは、トゥサンで主力に成長した姿を古巣相手に見せたいところである。先発を中心に投手陣に不安が残るため、韓国シリーズ進出のためには打ち勝つしかないと思われる。

 

 サムソンはエース級の投手が6回までを投げ、中継ぎを挟んで最後はオ・スンファンに託すのが必勝パターンだが、打線が機能しなければ投手力に不安を抱えるトゥサンの勝機が増す。準プレーオフプレーオフ同様先に2勝すればいいため、総合力ではなくその時の勢いで勝負が決まってしまうことが予想される。基本的に第1戦で勝利したチームが韓国シリーズへ進出する可能性が高く、2016年3月の開場以降初めて迎えるポストシーズンの試合となるプレーオフ第1戦は、これまでの5年あまりの歳月で大邱サムソンライオンズパークがかつてない熱気に包まれるであろう。参考までに、過去のポストシーズンでの戦績はサムソンが5勝4敗と勝ち越している。

 

(文責 : ふるりん