5年連続ポストシーズン進出、そして韓国シリーズ初優勝へ
2021年は混戦の5位争いを最後に勝ち抜き、4年連続ポストシーズンに進出するも2年連続でワイルドカード決定戦敗退となったキウムヒーローズ。オフシーズンにはMLB通算132本塁打の実績がある新外国人選手ヤシエル・プイーグとの契約が注目を集めたが、過去に5度の本塁打王となり4番打者として活躍してきたパク・ピョンホがFA(フリーエージェント)となりKTへ移籍してしまった。
【投手陣】
〈先発〉
△ヨキシュ、◎エップラー、チェ・ウォンテ、アン・ウジン、チョン・チャンホン、ハン・ヒョンヒィ
〈リリーフ〉
キム・ソンジン、チャン・ジェヨン、キム・ジュンヒョン、△キム・ジェウン、キム・ソンギ、ヤン・ヒョン、△キム・ソンミン、キム・テフン
注 : △は左腕
先発投手陣の軸は2021年に最多勝(16勝)の個人タイトルを受賞した韓国4年目の外国人選手ヨキシュとなる。韓国人の先発投手陣もチェ・ウォンテ、アン・ウジンなどの生え抜きを中心に頭数がそろい、新外国人選手エップラー(元オリックス)次第では強固な陣容となる。
2021年まで中心的存在だったチョ・サンウが兵役のため軍へ入隊し、リリーフ陣ではその穴を埋めなければならない。2021年はシーズン途中からキム・テフンが抑えを務めていたが、今後の成長次第では150km/h後半の速球を投げるプロ2年目の19歳チャン・ジェヨンの抜擢もあると思われる。他にもアンダースローの18歳の新人ノ・ウンヒョンなどの活躍にも期待したい。
【打撃陣】
〈先発予想〉
捕手:イ・ジヨン
一塁:△キム・ウンビン
二塁:△キム・ヘェソン
三塁:△ソン・ソンムン
遊撃:シン・ジュヌ
外野:△イ・ジョンフ、◎プイーグ、△イ・ヨンギュ
指名:パク・トンウォン
〈控え〉
(捕手) キム・ジェヒョン
(内野手) チョン・ビョンウ、キム・ジュヒョン、キム・スファン、◎カン・ミングク
(外野手) △イェ・ジヌォン、△パク・チュホン、△ピョン・サングォン、◎△キム・ジュヌァン
注 : ◎は新加入、△は左打者。
何と言っても新外国人プイーグに注目が集まるが韓国での活躍は未知数であり、パク・ピョンホの移籍による長打力低下が懸念される。2021年は自身初の首位打者(.361)となりプロ6年目でプロ野球界を代表するイ・ジョンフが打線の軸となる。2021年は盗塁王(46個)の個人タイトルを受賞したキム・ヘェソン、36歳のベテランのイ・ヨンギュとリーグでも屈指のチャンスメーカーが上位にそろい、イ・ジョンフ、プイーグ、そして2021年はチーム最多の22本塁打を記録した捕手パク・トンウォンが中軸を打つと思われるが、下位打線にあまり良い人材がいない。
2021年でパク・ピョンホ、ソ・ゴンチャンと2人の主力が抜けたため、内野に関しては流動的な選手起用になりそうだ。守備に定評のある20歳のシン・ジュヌの打撃面での成長に期待したい。
就任2年目を迎えたホン・ウォンギ監督にとって、2022年は試練のシーズンとなるかもしれない。だがフロントの選手のやりくりには定評があり、2021年まで4年連続ポストシーズン進出という結果は出してきた。決して楽観はできないが5年連続ポストシーズン進出、2008年の球団創設以来初となる韓国シリーズ優勝を目指したい。
【本拠地】
ソウル・高尺スカイドーム
ソウル市内南西部の韓国初のドーム型野球場・高尺(コチョク)スカイドームは、2016年よりネクセンヒーローズ(2019年よりキウムに改称)の本拠地となった韓国唯一のドーム型の野球場である。アマチュア野球の大会や、音楽やアイドルグループの公演など多目的に利用されている。WBC(ワールドベースボールクラシック)、WBSCプレミア12の会場としても利用されたことがある。
内野は大きく上段と下段に分かれている。球場内通路にも売店はあるが、ボール型のモニュメントがある球場の正面広場の向かい側などに商店街があるため、観戦前後の買い物や食事やには困らない。ソウル市内ということで、蚕室野球場と同じく一塁側のキウム応援席だけでなく三塁側の遠征チームの応援席もにぎわっている。
[交通アクセス]
首都圏電鉄京仁線・九一(クイル)駅から徒歩5分。
(文責:ふるりん)