DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

2022年 シーズン展望 第4回 LGツインス

20年ぶりの韓国シリーズ出場、28年ぶりの優勝へ

 2021年は最後まで優勝争いに残りながらレギュラーシーズン3位となり、ポストシーズンでは準プレーオフ敗退となったLGツインス。投打ともに若手の台頭が目覚ましく、目標は4年連続ポストシーズン進出では飽き足らず、2002年以来となる20年ぶりの韓国シリーズ出場、1994年以来となる28年ぶり3度目の韓国シリーズ優勝となる。

 
【投手陣】

〈先発〉 
ケリー、◎プルトコ、イム・チャンギュ、イ・ミンホ、△イム・ジュンヒョン、△キム・ユンシク
〈リリーフ〉
△チン・ヘス、ソン・ウンボム、イ・ジョンヨン、チョン・ウヨン、△チェ・ソンフン、◎キム・ジンソン、△ ハム・トクチュ、コ・ウソク

注 : ◎は新加入、△は左腕

 先発投手陣では韓国4年目の外国人選手ケリーが軸となる。2019年から2021年までの3年間で42勝と安定感が抜群である。新外国人選手プルトコも先発陣の一角を担う。プロ3年目で20歳のイ・ミンホはさらなる成長が期待され、左腕ではイム・ジュンヒョン、キム・ユンシクなど20代前半の有望な若手がそろい層は厚くなった。

 2021年にリーグでもトップクラスの成績を残したリリーフ陣は盤石だ。抑えは23歳のコ・ウソクが2019年から任されている。中継ぎの柱は22歳の右腕チョン・ウヨンで、左右ともにいろいろなタイプがそろい、144試合の長いレギュラーシーズンでは特定の選手に頼ることなく乗り切ることができると思われる。


【打撃陣】

〈先発予想〉

捕手:ユ・ガンナム

一塁:ムン・ボギョン

二塁:ソ・ゴンチャン

三塁:◎ルイーズ

遊撃:△ オ・ジファン

外野:△ キム・ヒョンス、△ ホン・チャンギ、◎△パク・ヘミン

指名:チェ・ウンソン  

〈控え〉
(捕手) ◎ホ・ドファン
(内野手) ソン・チャニィ、チョン・ジュヒョン、イ・サンホ、△イ・ヨンビン
(外野手) △イ・チョヌン、イ・ジェウォン、△ムン・ソンジュ、イ・ヒョンジョン

注 : ◎は新加入、△は左打者、×は両打ち。

 打撃陣で最も注目されるのはFA(フリーエージェント)となりサムソンから移籍した俊足好打の外野手パク・ヘミンで、リーグ最高の出塁率を誇るホン・チャンギと上位打線を組むと思われる。中軸はFAとなるも再契約したキム・ヒョンス、チェ・ウンソンなどの経験豊富な選手や新外国人選手ルイーズなどが任され、下位打線にもユ・ガンナム、ソ・ゴンチャン、オ・ジファンといった経験豊富な打者が並び、切れ目のない打線となりそうだ。

 示範競技では2021年まで一軍出場のない23歳のソン・チャニィが6本塁打と活躍しており、すでに一軍で経験を積んだ21歳のムン・ボギョン、22歳のイ・ジェウォン、19歳のイ・ヨンビンなどとともに打線の新しい顔となる可能性を秘めている。若手たちによるレギュラー争いにも注目したい。

 就任2年目となるリュ・ジヒョン監督は、投打ともに年齢的なバランスがよく近年になく充実した戦力を率いての優勝争いが期待されている。経験が必要なポストシーズンでの戦い方を身につければ、1994年以来の韓国シリーズ優勝も夢ではない。

 
【本拠地】
ソウル・蚕室野球場

 韓国屈指の規模の野球場は、LGのみならずトゥサンの本拠地でもある。LGは1982年創設のMBC青龍のころからソウル特別市を本拠地としていることもあり、「ソウルの地元球団」を前面に押し出してきた。同じ蚕室野球場を本拠地とするLG-トゥサンは球場全体が赤のLGファンと白のトゥサンファンに分かれ、熱い応援合戦も繰り広げられる。

 1982年に完成した蚕室野球場は、2010年代以降に建設された野球場と比べ前時代的な雰囲気が残っているが、改良を重ね快適な観戦環境が整っている。全国各地の出身者が集まる首都圏にあるため、3塁側の遠征チームのファンが多い時は他の野球場にない全体が熱狂に包まれた独自の雰囲気が醸し出される。

 
[交通アクセス]
 ソウルメトロ2号線・9号線総合運動場(チョンハプウンドンジャン)駅、5番出口徒歩0分。

 

(文責:ふるりん