DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

2019年 シーズン展望 第9回 KTウィズ

初のポストシーズン進出へ

 

 韓国で10番目のプロ野球チームとして2015年に一軍へ参入、2018年は9位とそれまでの3年連続最下位から脱出に成功したKTウィズ。オフシーズンにはイ・ガンチョル新監督が就任し、一軍参入5年目にして初のポストシーズン進出(レギュラーシーズン5位以上)を目指す。

 


【投手陣】

〈先発〉 
◎クエバス、◎アルカンタラ、△クム・ミンチョル、◎イ・デウン、キム・ミン、チュ・グォン
〈リリーフ〉
キム・ジェユン、△チョン・ソンゴン、オム・サンベク、イ・サンファ、ペ・ウヨル、シン・ビョンニュル、◎ソン・ドンヒョン、△ハ・ジュンホ
注 : ◎は新加入、△は左腕
 先発投手陣は大きく入れ替わった。2018年シーズン終了後に退団したニッパート、フィアベンドの両外国人選手の代役としてまだ若い28歳のクエバス、26歳のアルカンタラと契約し、ともに活躍が期待される。2018年に先発として活躍した左腕クム・ミンチョルが兵役のため軍へ入隊したため、その穴は新人2次ドラフトで指名され入団したイ・デウン(元千葉ロッテ)が埋めることになりそうだ。2017年から2018年には兵役のため軍に入隊し警察野球団に所属していた。

 若手ではプロ2年目の19歳のキム・ミンに期待がかかる。2018年は高卒新人ながら4勝を記録した。また18歳の高卒新人ソン・ドンヒョンも一軍での起用が予想される。チョン・ソンゴン、オム・サンベクなど20代前半の若手にとってはこの上ない刺激となるであろう。

 抑えは2018年と同じくキム・ジェユンが任されると思われる。また29歳ながらも外野手から投手に転向したハ・ジュンホは、左のリリーフとして起用されると思われる。

 

 

【打撃陣】

〈先発予想〉

1.ファン・ジェギュン(遊)  
2.パク・キョンス(二) 
3.カン・ベッコ(右) △ 
4.ロハス(中) △ 
5.ユン・ソンミン(一)
6.オ・テゴン(三) 
7.ユ・ハンジュン(指)  
8.チャン・ソンウ(捕) 
9.イ・デヒョン(左) △


〈控え〉
(捕手) イ・ヘチャン、イ・ジュンス
(内野手) シム・ウジュン、チョン・ヒョン、ムン・サンチョル、◎カン・ミングク、コ・ミョンソン
(外野手) △キム・ミンヒョク、△オ・ジュンヒョク、△キム・ミンヒョク、△◎チョ・ヨンホ

注 : △は左打者。◎は新加入。
 2018年は43本塁打の外国人選手ロハスなどを中心とした本塁打構成が特長だった。中でも高卒新人としては新記録となるシーズン29本塁打を放ったカン・ベッコは大きく注目された。2019年シーズンは大きなメンバーの交代はなく、破壊力ある打線は健在である。

 三遊間など内野陣は大きな守備位置の変更がある。31歳のファン・ジェギュンはこれまで守ってきた三塁からショートに転向し、内野のユーティリティープレイヤーだったオ・テゴンが打撃を買われ三塁に定着する。軍から除隊され復帰した27歳のムン・サンチョルは勝負強い打撃で一軍定着を狙う。

 


 長年投手コーチとして複数の球団で指導の実績があるイ・ガンチョル新監督は、一軍での本格的なチームの指揮は初めてである。10球団で最も歴史が浅く、選手層が厚いとはいえない成長途上のチームをどのように強化し、初のポストシーズン進出まで導くことができるのか注目したい。

 

 

【本拠地】
水原KTウィズパーク
 
 KTウィズの本拠地・水原(スウォン)はソウルから南へ約40kmに位置し、中心市街地を囲む世界文化遺産の華城(ファソン)の城郭都市である。総合運動場は華城から2km北西に離れ、その北端に水原KTウィズパークがある。この野球場は2000年から2007年まで現代ユニコーンズ(解散済)の本拠地として利用されていた。KTウィズが創設され一軍へ参入した2015年、新たに本拠地として観客席の増設工事などで大幅にリニューアルされた。

 観客席はチームカラーの赤で統一され、外野には大型の電光掲示板が設置されるなど最新鋭の設備をほこる。1塁側のKT応援席では、暑い真夏のナイターで大量の水を放射して涼を求める「ウォーターフェスティバル」が開催されることもあり、ライトポール付近にはウォータースライダーも設置されるなど、エンターテイメント性も追及されている。

 各地方からの出身者が多い首都圏にあるため、遠征チームのファンにより3塁側応援席もにぎわうことがあり、規模は小さいが球場内の通路には遠征チームのグッズショップもある。飲食物の売店も充実している。

 

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水原KTウィズパーク




[交通アクセス]
 近隣に鉄道の駅はない。最寄りはKORAIL首都圏電鉄・華西(ファソ)駅でタクシーで10分程度。大田(テジョン)、釜山(プサン)などからの長距離列車が停車するKORAIL水原駅からはタクシーで20分程度。水原駅からは7770番などのバスも運行されている。
 また、ソウル市内からだとソウルメトロ2・4号線の舎堂(サダン)駅から水原方面への7770番バスが球場北西側のバス停に止まる。


(文責:ふるりん