DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  第10回  KTウィズ 

 プロ野球10番目の新球団として2015年に一軍へ参入したが、2016年は2年連続で最下位に終わったKTウィズは、他チームとの実力差が依然として大きい現実を突き付けられた。キム・ジヌク新監督のもと3年目となる2017年シーズンは最下位からの脱出を図る。


【投手陣】

〈先発〉 
◎ローチ、△フィアベンド、チュ・グォン、△チョン・デヒョン、コ・ヨンピョ
〈リリーフ〉
チョ・ムグン、チャン・シファン、キム・ジェユン、△ホン・ソンヨン、△チョン・ソンゴン、△シム・ジェミン
注 : ◎は新加入、△は左腕
 2016年まで、新球団の特例として他チームより1人多い4人の外国人選手と契約できたが、2017年シーズンからは他チームと同じく3人までとなった。2016年7月にネクセンから移籍し韓国3年目となる外国人選手フィアベンド、新外国人選手ローチに続く先発投手して、2016年にチーム史上初の完封勝利を記録した21歳の若手チュ・グォンが期待される。またコ・ヨンピョもリリーフから先発に転向し層を厚くしようとしている。
 リリーフでは2016年にチーム最多の8勝を記録したキム・ジェユンが抑えを任されると考えられる。左右共にリリーフはそろっていて、若手の起用と成長で投手陣の層を厚くしたい。


【打撃陣】

〈ベストオーダー〉

1.イ・デヒョン(中) △ 
2.シム・ウジュン(三) 
3.ユ・ハンジュン(指)    
4.モネル(一)  ◎
5.イ・ジニョン(右) △
6.パク・キョンス(二) 
7.オ・ジョンボク(左)  
8.チャン・ソンウ(捕) 
9.パク・キヒョク(遊) 


〈控え〉
(捕手) イ・ヘチャンキム・ジョンミン
(内野手) キム・ドンウク、キム・ヨンフン、△ナム・テヒョク、キム・ソンミン、チョン・ヒョン
(外野手) △チョン・ミンス、△ハ・ジュンホ、◎△ホン・ヒョンビン、キム・サヨン

注 : △は左打者。◎は新加入。
 2016年は長距離砲の不在で迫力不足だった打線の切り札として、新外国人選手のモネルに期待が集まる。LGからの移籍後は2015年から2年連続で20本塁打以上を記録したパク・キョンス、2017年シーズン中の通算2000安打達成が期待されるイ・ジニョン、2016年は負傷で十分に力を発揮できなかったユ・ハンジュンなど、ベテラン選手たちがこれまで同様に打線の軸となると思われる。だが最下位脱出のための原動力としてチョン・ヒョン、シム・ウジュン、高卒新人ホン・ヒョンビンなど若手の成長が望ましい。
 2016年は不祥事による出場停止などで一軍出場がなかったチャン・ソンウが正捕手として活躍すれば、打線は他チームに見劣りしないものとなる。


 2017年シーズンは、3月の示範競技で7勝3敗1分けの首位で終えるなど比較的明るいムードで開幕を迎えられるが、公式戦は全くの別物である。一軍参入3年目ということで新球団としての新鮮さも薄れ他チームの警戒も厳しくなる中、最下位脱出という大きな目標をどのように達成していくのか注目したい。


本拠地
 水原KTウィズパーク
 
 KTウィズの本拠地・水原(スウォン)はソウルから南へ約40kmに位置し、中心市街地を囲む世界文化遺産の華城(ファソン)の城郭都市として知られている。総合運動場は華城から2km北西に離れ、その北端に水原KTウィズパークがある。隣のメイン競技場はサッカーKリーグ水原FC、体育館はプロバレーボール・韓国電力ビックストームと現代建設ヒルステートの本拠地として利用されている。
 この野球場は2000年から2007年まで現代ユニコーンズの本拠地として利用されていたが、将来のソウル市内移転を計画していた仮の本拠地であったため、地元住民の情熱を得られず球団も経営難により解散となった(選手の大半は2008年創設された現在のネクセンヒーローズへ移籍)。現代ユニコーンズ最後の公式戦から7年半近くが過ぎた2015年シーズンから、KTウィズの本拠地として観客席の増設工事などにより大幅にリニューアルされた。観客席は赤色で統一され、外野には大型の電光掲示板が設置されるなど最新鋭の設備をほこるが、内野観客席の一部には改築前の面影も多少残っている。2017年現在最も新しいプロ野球チームであるが、近年のプロ野球自体の人気上昇によりKTウィズの観客動員も徐々に増加しているようで、新しいプロ野球ファンの拡大に貢献しているといえよう。また首都圏の球場であるため、3塁側のビジター応援席もにぎわうことが多く、規模は小さいがビジターチームのグッズショップもある。
 2017年シーズンの開幕を前に大きく改装工事が進んでいて、4月4日の本拠地開幕戦となるトゥサン戦でお披露目となる。







[交通アクセス]
 近隣に鉄道の駅はない。最寄りはKORAIL首都圏電鉄・華西(ファソ)駅でタクシーで10分程度。大田(テジョン)、釜山(プサン)などからの長距離列車が停車するKORAIL水原駅からはタクシーで20分程度。両駅からは7770番などの路線バスも運行されている。
 また、ソウル市内からだとソウルメトロ2・4号線の舎堂(サダン)駅から水原方面への7770番バスが便利で、野球場のすぐ横のバス停に着く。KTウィズの主催試合開催に合わせ、7770番が停車するバス停も改装されわかりやすくなっている。その他、ソウルメトロ2号線江南(カンナム)駅から3000番バスも運行されている。


(文責:ふるりん