DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

2024年 シーズン展望 第2回 KTウィズ

3年ぶり2度目の韓国シリーズ優勝へ

 2023年はレギュラーシーズン2位で2年ぶりに韓国シリーズに出場するも、1勝4敗でLGツインスの前に屈した。2015年以来抑えを任されていたキム・ジェユンがFA(フリーエージェント)となり、サムソンライオンズへ移籍した。2020年の打点・本塁打王だった外国人選手ロハス(元阪神)が復帰したが、投打ともに目立った補強はない。

 特に野手の高齢化が進む中、2019年から指揮を執り続け、プロ野球10チームの監督で最古参となったイ・ガンチョル監督は5年連続ポストシーズン進出、2021年以来3年ぶり2度目の韓国シリーズ優勝を目指す。なお、2024年シーズンからユニフォームやロゴデザインが変更されている。


【投手陣】

〈先発〉 
エバス、△ベンジャミン、コ・ヨンピョ、オム・サンベク、キム・ミン
〈リリーフ〉
チュ・グォン、イ・サンドン、キム・ミンス、◎ムン・ヨンイク、◎ウ・ギュミン、ソン・ドンヒョン、パク・ヨンヒョン
注 : ◎は新加入、△は左腕

 先発投手陣は韓国6年目となるクエバス、韓国3年目のベンジャミンの外国人選手2名、アンダースローのコ・ヨンピョの3名が軸となる。2023年に8勝を記録した右腕ペ・ジェソンが兵役のため軍へ入隊し、その穴を埋める人材として24歳のキム・ミンの成長に期待がかかる。また2022年は13勝を記録するも、2023年は故障で未勝利に終わった22歳のソ・ヒョンジュンの復活も欠かせない。

 リリーフではサムソンへ移籍したキム・ジェユンの代わりとなる抑えが急務である。2023年に中継ぎで結果を残した20歳のパク・ヨンヒョン、23歳のソン・ドンヒョンの2名の右腕が新たな抑え候補としてあげられる。また余剰戦力を対象とした2次ドラフトでサムソンから39歳のウ・ギュミンを指名し、層を厚くした。若手では19歳の高卒新人ウォン・サンヒョンがキャンプの練習試合から積極的に起用されている。

 

【打撃陣】

〈先発予想〉

捕手:チャン・ソンウ

一塁:パク・ピョンホ

二塁:△イ・ホヨン

三塁:ファン・ジェギュン

遊撃:キム・サンス

外野:◎×ロハス、△キム・ミンヒョク、ペ・ジョンデ

DH:△カン・ベッコ
〈控え〉
(捕手)  △キム・ジュンテ、カン・ヒョヌ
(内野手) パク・キョンス、オ・ユンソク、シン・ボンギ、チャン・ジュヌォン、△チョン・ソンホ
(外野手)  ムン・サンチョル、△チョ・ヨンホ、ソン・ミンソプ、△チョン・ジュニョン

注 : △は左打者、×は両打ち、◎は新加入。

 最大の補強は外国人選手ロハスである。2017年から2020年まで通算132本塁打、409打点という実績は文句がないが、33歳という年齢と韓国での3年間の空白をどれだけ埋められるかは未知数である。2023年はチーム最多の18本塁打、87打点を記録したパク・ピョンホも37歳となり、その他36歳のファン・ジェギュン、34歳のチャン・ソンウ、33歳のキム・サンスなど主力野手の高齢化が著しい。

 また2022年、2023年と負傷などで不本意な成績となっている24歳のカン・ベッコには、プロ野球界を代表する打者としての成績を残していた2021年までの姿を取り戻すことが強く期待されている。同年代や下の世代の野手があまり結果を残していないだけに、同じ28歳のキム・ミンヒョク、ペ・ジョンデと生え抜きの野手たちの進化が求められる。

 

【本拠地】
水原KTウィズパーク

 KTウィズの本拠地・水原(スウォン)はソウルから南へ約40kmに位置し、世界文化遺産の華城(ファソン)が中心市街地を囲む城郭都市である。総合運動場は華城から2km北西に離れ、その北端に水原KTウィズパークがある。かつては水原公設運動場野球場として2000年から2007年まで現代ユニコーンズ(解散)の本拠地として利用されていた。KTウィズが創設され一軍へ参入した2015年、観客席の増設工事などで大幅にリニューアルされ本拠地として使用している。観客席はチームカラーの赤で統一され、外野には大型の電光掲示板が設置され、内部の通路には多様な飲食店やグッズショップが並び、快適な観戦環境が提供されている。

水原KTウィズパーク(2023年)

 


[交通アクセス]
 近隣に鉄道の駅はない。ソウルからの首都圏電鉄、大田(テジョン)や釜山(プサン)などからの長距離列車が停車するKORAIL水原駅からはタクシーで20分程度。水原駅からは7770番などのバスも運行されている。
 また、ソウル市内からはソウルメトロ2・4号線の舎堂(サダン)駅から水原方面への7770番バスが球場北西側のバス停に止まる。


(文責:ふるりん