DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  準プレーオフ : ロッテ−NC 展望

 
 チョ・ウォヌ監督就任2年目、ロッテは2012年以来5年ぶりのポストシーズン進出を果たした。2015年、2016年と2年連続で8位に低迷したこともあり、開幕当初は期待も低かったが、8月以降は33勝14敗と勝率約7割の快進撃でレギュラーシーズンを3位で終えた。ロッテとは対照的に、NCは8月以降22勝24敗2分けと調子を落とし3位の座をロッテから奪われた形となった。


 ロッテの復活に大きく貢献した選手としては、誰もが2011年以来の古巣復帰となったイ・デホ(元福岡ソフトバンク)をあげるであろう。34本塁打・111打点で二度の三冠王に恥じない成績を残した。他にはレギュラーシーズンで193安打と自身3度目の最多安打の個人タイトルを獲得したソン・アソプは、チャンスも作れ打点も稼げた。他にはチェ・ジュンソク、チョン・ジュヌ、カン・ミンホなどの強力な打者も控え、下位打線には二塁守備も華麗な外国人選手バーンズも控えている。また捕手を除いては控え野手の層も厚く、後半の快進撃を支えた。
 ロッテの投手陣はレギュラーシーズン前半に不安を抱えていたが、後半になり先発、リリーフともに質が向上した。2016年シーズン終了後、家庭の事情で母国アメリカ合衆国へ帰国していた外国人投手リンドブロムが7月に復帰したのが大きかった。それにより不調だったもう一人の外国人投手ラリーも復調し、後半は連勝を重ねチーム最多の13勝を記録した。その他22歳のパク・セウンが韓国人投手最多の12勝、37歳のベテランで11勝と復活を遂げたソン・スンジュンなど、先発投手陣も安定していた。リリーフ陣はロッテ移籍後2年目で自身4度目の最多セーブ(37)の個人タイトルを獲得したソン・スンナクが軸で、中継ぎ陣としてはチーム最多の72試合登板で8勝を記録したペ・ジャンホ、序盤は先発も任されたパク・チンヒョン、2010年以来7年ぶりの復活を遂げたチョ・ジョンフンなど右腕を中心にした構成となっている。左のリリーフ要員が若手のキム・ユヨン、2017年シーズンは不振だったベテランのイ・ミョンウとやや手薄なのが不安である。

 
 勢いに乗るロッテに対し、SKとのワイルドカード決定戦を1試合で終わらせ2日間休息できたとはいえNCには不安が大きい。第1戦はポストシーズンの経験も豊富なチーム最多勝(12勝)の外国人投手ハッカーが先発するが、5日のワイルドカード決定戦で同じ12勝を記録した外国人投手のマンシップを先発として起用したため、9日の第2戦での起用が厳しい。マンシップは11日、本拠地・馬山での第3戦での先発が予想される。第2戦は2016年まで4年連続2ケタ勝利を記録したイ・ジェハクの先発登板が予想されるが、2017年シーズンは不調で5勝にとどまり不安が大きい。22歳で9勝を記録した右腕チャン・ヒョンシク、20歳で7勝を記録した左腕ク・チャンモらの起用も考えられるものの、ともにレギュラーシーズンは防御率5点台、さらに経験不足で大舞台を任せるには荷が重い。ワイルドカード決定戦では無失点に抑えたが、ウォン・ジョンヒョン、キム・ジンソン、イム・チャンミンのリリーフ陣の軸となる選手たちは、レギュラーシーズン終盤の不調から脱したかどうかは不透明で、NC投手陣は先発、リリーフともにロッテと比べて不安ばかりが募っていく。
 打線に関してはナ・ソンボム、スクラッグスを中軸としてパク・ミヌ、キム・ソンウクの上位打線、5番以降のモ・チャンミンやクォン・ヒィドンなど打点を稼げる打者、また正捕手キム・テグンや経験豊富なベテランのソン・シホン、イ・ジョンウク、2017年シーズンでの現役引退を表明している41歳の精神的支柱イ・ホジュンなどロッテに負けず劣らずの実力ある選手たちがそろう。チーム状態は良くないが、5年ぶりのロッテと違い4年連続でポストシーズンに出場し続けている経験で厳しい戦いを乗り切りたい。
 
 
 新興球団NCダイノスが2013年より一軍に参入してからポストシーズンに進出できず、低迷が続いたロッテジャイアンツ。NCの本拠地・馬山は2010年までロッテが準本拠地として時折試合を開催していた。そのため、現在NCを応援している野球ファンの中には、過去にロッテを応援していた者も少なくないと思われる。そういった意味でも、ポストシーズンで初対戦となるNC−ロッテの地域のプライドをかけた対決は大いに盛り上がるであろう。