DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  準プレーオフ : NC−LG 展望

  
 2011年球団創設、2013年より1軍へ参入してわずか2年目でポストシーズン初出場となったNCダイノス。シーズン序盤は最下位に低迷しキム・ギテ監督が辞任、5月のヤン・サンムン監督以降立て直しに成功、SKとの激しい4位争いを制し2年連続ポストシーズン進出に成功したLGツインズ。両チームのポストシーズンでの対戦は当然初めてで、公式戦での対戦成績は8勝8敗と五分五分である。


 NC、LGともに投手力の平均値が高く、NCのチーム防御率4.29は9球団中1位で、LGのチーム防御率4.58は3位である。
 先発投手陣ではNCに軍配が上がる。第1戦の予告先発のイ・ジェハクは2013年新人王、2年連続2ケタ勝利と安定した成績で、第2戦以降はチーム最多勝のチャーリー(12勝)、ウェーバー(9勝)、エリック(8勝)の外国人投手3人も控えていて9球団屈指の先発陣だ。
 リリーフの柱はベテランのソン・ミンハンで、若い選手の多いチームの精神的支柱となっている。右のウォン・ジョンヒョン、イム・チャンミン、イ・ミンホ、左のソン・ジョンウク、イ・ヘェチョン(東京ヤクルト)と中継ぎ陣もそろっている。抑えは25セーブのキム・ジンソンだが、歴史の浅いチームであるためベテランを除き投手陣全体にポストシーズンの経験がなく不安が残る。
 

 LGのほうが先発陣は見劣りする。第1戦の予告先発リュ・ジェグクは立ち上がりに不安があり、そこを付け入れられると苦しい戦いになる。第2戦以降はチーム最多勝(11勝)のアンダーハンドのウ・ギュミン、外国人投手リオーダン(9勝)やティーフォード(5勝)、シン・ジョンナクなどの先発が予想されるが、相手を圧倒できる顔ぶれではない。
 だがリリーフ陣の質はLGのほうが質も経験値も高い。中継ぎの軸は左腕シン・ジェウン(8勝)で、ほかにも右のユ・ウォンサン、イ・ドンヒョン、左のアンダーハンドのユン・ジウンなど必勝パターンが出来上がっている。守護神にはベテランのポン・ジュングン(30セーブ)が控え、接戦をものにできる強さがある。


 打線はNCがチーム打率.299で7位だが得点737は3位と、得点力はあった。チーム本塁打数143は3位と狭い本拠地を生かした一発攻勢もあり、盗塁154は2位と機動力もあった。また得点圏打率も.297と高かった。
 打線の軸はチーム二冠王の外国人打者テームズ(37本塁打・121打点)、ナ・ソンボム(30本塁打・101打点)で、ベテランのイ・ホジュン(23本塁打)、モ・チャンミン(15本塁打)がそのあとに続いている。21歳にしてセカンドのレギュラーとなり、50盗塁を記録したパク・ミヌや、2013年の盗塁王キム・ジョンホが上位打線を任され、テームズ、ナ・ソンボムへチャンスをお膳立てする。またイ・ジョンウク、ソン・シホンといった以前在籍していたトゥサンでポストシーズンの経験が豊富な選手たちもいる。

 LGはチーム打率.279のみならず、広い蚕室野球場を本拠地としているため本塁打数90も9球団中最下位、さらに得点668も7位と得点力が高いとは言えず、その反面投手陣に頼る部分が大きい。
 終盤はチームの二冠王(16本塁打・87打点)イ・ビョンギュ(背番号7)が4番を任されることが多く、ベテランのパク・ヨンテク、イ・ジニョンが周りを固めていた。俊足で出塁率の高い適任の選手がいなかったため、これまたベテランのチョン・ソンフンが1番を打った。大ベテランのイ・ビョンギュ(背番号9・元中日)も控え、脇役としてソン・ジュイン、オ・ジファンなど意外性のある打者もいて、力強さはないが上位から下位まで切れ目のない打線となっている。


 NCはポストシーズン初出場だが、トゥサン時代に5回のポストシーズン出場経験のあるキム・ギョンムン監督に大きな不安はない。それに対してLGのヤン・サンムン監督はポストシーズンでは初の指揮となり、チームも2003年から2012年まで10年間ポストシーズンに出られなかったため、経験不足な面も心配される。戦力的にはNCが優位だが、上位進出が確実になった8月以降は調子を落としサムソン、ネクセンの後塵を拝し3位にとどまった。逆にLGはシーズン後半快進撃を続け、勝率5割を少し下回ったが4位に手が届き勢いでは勝っている。初対戦らしい、まったく予測のつかない展開を期待したい。