2011年球団創設、2013年より1軍へ参入してわずか2年目でポストシーズン初出場となったNCダイノス。シーズン序盤は最下位に低迷しキム・ギテ監督が辞任、5月のヤン・サンムン監督以降立て直しに成功、SKとの激しい4位争いを制し2年連続ポストシーズン進出に成功したLGツインズ。両チームのポストシーズンでの対戦は当然初めてで、公式戦での対戦成績は8勝8敗と五分五分である。
NC、LGともに投手力の平均値が高く、NCのチーム防御率4.29は9球団中1位で、LGのチーム防御率4.58は3位である。
先発投手陣ではNCに軍配が上がる。第1戦の予告先発のイ・ジェハクは2013年新人王、2年連続2ケタ勝利と安定した成績で、第2戦以降はチーム最多勝のチャーリー(12勝)、ウェーバー(9勝)、エリック(8勝)の外国人投手3人も控えていて9球団屈指の先発陣だ。
リリーフの柱はベテランのソン・ミンハンで、若い選手の多いチームの精神的支柱となっている。右のウォン・ジョンヒョン、イム・チャンミン、イ・ミンホ、左のソン・ジョンウク、イ・ヘェチョン(東京ヤクルト)と中継ぎ陣もそろっている。抑えは25セーブのキム・ジンソンだが、歴史の浅いチームであるためベテランを除き投手陣全体にポストシーズンの経験がなく不安が残る。
LGのほうが先発陣は見劣りする。第1戦の予告先発リュ・ジェグクは立ち上がりに不安があり、そこを付け入れられると苦しい戦いになる。第2戦以降はチーム最多勝(11勝)のアンダーハンドのウ・ギュミン、外国人投手リオーダン(9勝)やティーフォード(5勝)、シン・ジョンナクなどの先発が予想されるが、相手を圧倒できる顔ぶれではない。
だがリリーフ陣の質はLGのほうが質も経験値も高い。中継ぎの軸は左腕シン・ジェウン(8勝)で、ほかにも右のユ・ウォンサン、イ・ドンヒョン、左のアンダーハンドのユン・ジウンなど必勝パターンが出来上がっている。守護神にはベテランのポン・ジュングン(30セーブ)が控え、接戦をものにできる強さがある。
打線はNCがチーム打率.299で7位だが得点737は3位と、得点力はあった。チーム本塁打数143は3位と狭い本拠地を生かした一発攻勢もあり、盗塁154は2位と機動力もあった。また得点圏打率も.297と高かった。
打線の軸はチーム二冠王の外国人打者テームズ(37本塁打・121打点)、ナ・ソンボム(30本塁打・101打点)で、ベテランのイ・ホジュン(23本塁打)、モ・チャンミン(15本塁打)がそのあとに続いている。21歳にしてセカンドのレギュラーとなり、50盗塁を記録したパク・ミヌや、2013年の盗塁王キム・ジョンホが上位打線を任され、テームズ、ナ・ソンボムへチャンスをお膳立てする。またイ・ジョンウク、ソン・シホンといった以前在籍していたトゥサンでポストシーズンの経験が豊富な選手たちもいる。
LGはチーム打率.279のみならず、広い蚕室野球場を本拠地としているため本塁打数90も9球団中最下位、さらに得点668も7位と得点力が高いとは言えず、その反面投手陣に頼る部分が大きい。
終盤はチームの二冠王(16本塁打・87打点)イ・ビョンギュ(背番号7)が4番を任されることが多く、ベテランのパク・ヨンテク、イ・ジニョンが周りを固めていた。俊足で出塁率の高い適任の選手がいなかったため、これまたベテランのチョン・ソンフンが1番を打った。大ベテランのイ・ビョンギュ(背番号9・元中日)も控え、脇役としてソン・ジュイン、オ・ジファンなど意外性のある打者もいて、力強さはないが上位から下位まで切れ目のない打線となっている。
NCはポストシーズン初出場だが、トゥサン時代に5回のポストシーズン出場経験のあるキム・ギョンムン監督に大きな不安はない。それに対してLGのヤン・サンムン監督はポストシーズンでは初の指揮となり、チームも2003年から2012年まで10年間ポストシーズンに出られなかったため、経験不足な面も心配される。戦力的にはNCが優位だが、上位進出が確実になった8月以降は調子を落としサムソン、ネクセンの後塵を拝し3位にとどまった。逆にLGはシーズン後半快進撃を続け、勝率5割を少し下回ったが4位に手が届き勢いでは勝っている。初対戦らしい、まったく予測のつかない展開を期待したい。