大打者の最後のシーズンを有終の美で飾れるか
2021年はシーズン途中で監督が交代するなど低迷し8位に終わった。シーズンオフには10年以上の間主力として活躍してきたソン・アソプがFA(フリーエージェント)となりNCへ移籍してしまい、戦力の低下が懸念される。さらに40歳を迎える大打者イ・デホ(元福岡ソフトバンク)が2022年シーズン限りでの現役引退を公言しているため、最後のシーズンを有終の美で飾りたいところだ。
【投手陣】
〈先発〉
◎△バーンズ、◎エップラー、パク・セウン、△キム・ジヌク、チェ・ジュニョン、イ・インボク
〈リリーフ〉
ク・スンミン、△キム・ユヨン、△カン・ユング、イ・スンホン、キム・ドギュ、チン・ミョンホ、◎ムン・ギョンチャン、キム・ウォンジュン
注 : ◎は新加入、△は左腕
2021年はチーム防御率が最下位だった層が厚いとは言えない投手陣において、2021年にチーム最多の10勝を記録したパク・セウンが先発投手陣の柱となる。2021年はリリーフとして新人王候補にあがった20歳のチェ・ジュニョン、2020年東京オリンピック野球韓国代表にも選ばれた19歳の左腕キム・ジヌクなどの若手が先発として活躍すれば投手力は大きく向上する。新外国人選手のバーンズ、エップラー(元オリックス)は未知数も、ともに機能しないと苦しい戦いを強いられそうだ。
リリーフ陣では抑えのキム・ウォンジュンが負傷で4月2日のレギュラーシーズン開幕に間に合わないため、ソン・アソプの補償選手としてNCから移籍したムン・ギョンチャンなどが代役になると思われる。
【打撃陣】
<先発予想>
捕手:チ・シワン
一塁:チョン・フン
二塁:アン・チホン
三塁:ハン・ドンヒィ
遊撃:◎△イ・ハクチュ
外野:◎ピータース、△チュ・ジェヒョン、チョン・ジュヌ
DH:イ・デホ
〈控え〉
(捕手) アン・ジュンヨル、チョン・ボグン
(内野手) キム・ミンス、◎△パク・スンウク、△ペ・ソングン、◎△ ナ・スンヨプ
(外野手) △ キム・ジェユ、シン・ヨンス、◎チョ・セジン
注 : ◎は新加入、△は左打者。
最優先の課題はソン・アソプの穴をいかにして埋めるかであり、新外国人ピータースにその期待がかかる。また2020年から2021年まで活躍した外国人選手マチャドの代わりに誰がショートを守るかであるが、候補としてサムソンからトレードで移籍したイ・ハクチュ、KTから移籍したパク・スンウクなどがあげられ競争が激しい。
北京オリンピック、2015WBSCプレミア12での野球韓国代表の優勝に貢献したロッテの象徴でもあるイ・デホは最後のシーズンでも主力として活躍し、ロッテ以外のファンからも大きな拍手と歓声を送られることであろう。イ・デホがいなくなる今後を考え、36歳のチョン・ジュヌなど主力の高齢化が進んでいるため、22歳のハン・ドンヒィに続く若手として20歳のナ・スンヨプ、18歳の新人チョ・セジンなどの成長に期待したい。
2021年シーズン途中の5月に就任したサットン監督は、自身が2005年から2007年まで外国人選手として活躍していた経験を活か低迷するチームの底上げを図っている。2022年はイ・デホの引退ツアーも計画されており、1992年以来30年間遠ざかっている韓国シリーズ優勝でイ・デホを送り出したいところだが、まずは2017年以来となる5年ぶりのポストシーズン進出が現実的な目標であろう。イ・デホが安心してグラウンドを去ることができるチーム作りが求められる。
【本拠地】
釜山・社稷野球場
釜山は韓国のみならず、アジア屈指の貿易港として発展を遂げた。野球の盛んな都市として知られ、釜山近隣のファンの期待を一身に受ける本拠地・社稷(サジク)野球場は、ロッテが好調だと大観衆で球場が埋まり、特有の熱を帯びた応援のボルテージが見られるかもしれない。
社稷野球場は釜山広域市の北部にあり、国際フェリーターミナルがある釜山港付近からは遠く、西面(ソミョン)や釜田(プジョン)の繁華街からは比較的近い。野球場の正面玄関付近は繁華街であり、食事や買い物などには困らない大都市の球場である。ロッテファンたちは新聞紙を短冊状にちぎってからまとめて房を作り、試合後半になると配布される赤色のビニール風船を振り回すか頭にかぶるなどして、一体となって野球場全体を盛り上げてきた。
[交通アクセス]
釜山交通公社3号線・総合運動場(チョンハプウンドンジャン)駅、社稷(サジク)駅下車で徒歩10分。
(文責 : ふるりん)