2014年は3年連続の最下位と、ここ6年間で4度の最下位とプロ野球史上稀に見る暗黒時代を過ごしているハンファ。ＳＫを3度の韓国シリーズ優勝に導いた名将キム・ソングン新監督を迎え、最下位脱出の期待が高まっているが、長くしみついた勝てない体質を一掃するのは容易ではない。
【投手陣】
〈先発〉
◎タルボット、△◎ユーマン、◎ペ・ヨンス、イ・テヤン、△ユ・チャンシク、△ソン・チャンヒョン
〈中継ぎ〉
△マ・イリョン、△パク・チョンジン、アン・ヨンミョン、チェ・ヨンファン、△◎クォン・ヒョク、チョン・デフン、◎キム・ミヌ、◎ソン・ウンボム
〈抑え〉
ユン・ギュジン
注 ： ◎は新加入、△は左腕
ハンファは近年自前で獲得した外国人投手がことごとく期待外れだったため、タルボット、ユーマンと韓国の他球団で実績がある外国人投手と契約した。またＦＡとなっていたプロ野球現役通算最多勝投手(124勝)のペ・ヨンス、キアからＦＡとなったソン・ウンボムと契約するなど、大型補強には成功した。また2014年7勝とブレークしたイ・テヤン、大型左腕ユ・チャンシクにも期待が集まる。
リリーフ陣では、ペ・ヨンスと同じくサムソンからＦＡで左の中継ぎとして活躍してきたクォン・ヒョクと契約した。だがパク・チョンジンなどベテラン頼みであり、上位球団と比べて質量ともに見劣りする。2014年のチーム防御率6.35という絶望的な数字を少しでも改善しなければならない。
【打撃陣】
〈ベストオーダー〉
１．イ・ヨンギュ（中） △
２．チョン・グヌ（二）
３．キム・ギョンオン（右） △
４．キム・テギュン（一）
５．チェ・ジンヘン（指）
６．ソン・グァンミン（左）
７．キム・フェソン（三）
８．ハン・サンフン（遊） △
９．チョン・ボムモ（捕）
〈控え〉
(捕手) チョ・インソン、オム・テヨン
(内野手) イ・ハクチュン、△カン・ギョンハク、◎クォン・ヨングァン、イ・チャンヨル、チュ・ヒョンサン
(外野手) △◎モーガン、△チュ・スンウ、△コ・ドンジン、キム・テワン
注 ： △は左打者。◎は新加入。
2014年ＦＡで移籍してきたが、肩の故障などで期待通りに活躍しなかったイ・ヨンギュが、キア在籍時と同様1番打者としてチームのけん引役になることが臨まれる。チョン・グヌは海外キャンプ中の怪我で出遅れ、示範競技にも出場しなかったが開幕後に合流できると思われる。
ここ近年、主砲キム・テギュンが高い打率を残していても周りの選手があまり打たないため得点に結びついていない。投手と比べて野手の補強はあまり進まず、2014年主軸として活躍したが契約でもめて退団した外国人打者ピーエイの代役、モーガン(元横浜DeNA)は状態が悪く示範競技にも出場していない。他球団の脅威となるような打線となるためには、予期せぬ若手の成長に期待するしかない。
ハンファは示範競技でも6連敗で最下位と、さすがのキム・ソングン監督もメディアデーでこのチームがどうして弱いのかわかった、と自虐的なコメントを残さざるを得なかった。主力が負傷などでまともに出場していなかったため、公式戦になれば状態は上向くと思われる。2014年の上位球団どころか、最下位争いをしたキアなどと比べて勝っている点を探すほうが難しく、新球団ＫＴに負けないように意地を見せるしかないのであろうか。
【本拠地】
大田・ハンバッ運動場野球場
大田(テジョン)は韓国中西部の地方都市で、ソウルから南部への鉄道・高速道路の分岐点と交通の要所にあり、1970年代以降ハイテク産業が発展し人口140万人を超える韓国第5の都市に成長した。ハンファは1986年の球団創設(1993年までピングレイーグルス)以来大田を本拠地としている。2012年以降、野球場の大規模な改修工事により内野2階席が増設され、グラウンドが拡張されるなどリニューアルが続いている。2014年から応援ステージが内野1塁側から外野ライト側へと移動した。2015年シーズン開幕を前に、ハンファの主催試合では「ハンファ生命イーグルスパーク」の愛称で呼ばれることになった。
最近の改装工事費用には、リュ・ヒョンジンがロサンゼルスドジャースへ移籍した際の2500万ドル以上のポスティング入札額が利用されていると思われる。近年低迷が続くハンファだが、リュ・ヒョンジンに代わる新たなスターの誕生をファンは待ち望んでいる。
2015年シーズンの入場料金は以下の通り。内野指定席は平日10000ウォン、土日・祝日11000ウォン。内野下段テーブル席は平日15000ウォン、土日・祝日18000ウォン。内野エキサイティングゾーンは平日18000ウォン、土日・祝日20000ウォン(ブロックによっては平日20000ウォン、土日・祝日22000ウォン)。内野テーブル席は平日22000ウォン、土日・祝日は25000ウォン。バックネット裏の中央テーブル席は平日25000ウォン、土日・祝日28000ウォン。アウトバックゾーンは平日33000ウォン、土日・祝日35000ウォン。ハンファダイレクトゾーンは平日40000ウォン、土日・祝日50000ウォン(ブロックによっては平日50000ウォン、土日・祝日60000ウォン)。
外野応援席は平日9000ウォン、土日・祝日は10000ウォン。外野自由席は平日7000ウォン、土日・休日8000ウォン。外野芝生席(4人)は平日32000ウォン、土日・祝日は36000ウォン。外野レフトのブルペンA席は平日12000ウォン、土日・祝日は15000ウォン。ブルペンB席は平日9000ウォン、土日・祝日は10000ウォン。
(3月26日現在の為替レート：10000ウォンが約1075円。)
なお、主催試合は大田より40kmほど北の地方都市・清州(チョンジュ)で開催されることもある。
［交通アクセス］
【大田・ハンバッ総合運動場野球場】
Korail、大田地下鉄1号線大田駅からバス(111-1番など)、タクシーで10分程度。
大田地下鉄1号線・中央路(チュンアンノ)駅から111番バス、タクシーで5分程度。
（文責 ： ふるりん）
