DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  第6回 ネクセンヒーローズ

 2012年は前半まで上位争いを続けたが、後半失速し6位に終わった。シーズン終盤にキム・シジン監督を解任し、あまり知名度がなくまだ45歳のヨム・ギョンヨプ新監督が就任した。2013年シーズンこそ、球団創設6年目にして初のポストシーズン進出を狙う。


【投手陣】

〈先発〉 
ナイト、△◎バンヘッケン、△カン・ユング、キム・ヨンミン、キム・ビョンヒョン、チャン・ヒョフン
〈中継ぎ〉
マ・ジョンギル、△オ・ジェヨン、イ・ボグン、イ・ジョンフン、ムン・ソンヒョン、△パク・ソンフン、ハン・ヒョンヒィ
〈抑え〉
ソン・スンナク
注 : ◎は新加入、△は左腕

 2012年16勝、最優秀防御率(2.20)のタイトルに輝いたナイト(元北海道日本ハム)、11勝の左腕バンヘッケンの両外国人投手が先発の柱となる。ただ3番手以降が弱く、相変わらず不安材料である。22歳の左腕カン・ユング、韓国2年目を迎える元メジャーリーガーのキム・ビョンヒョン(元東北楽天)などに期待するしかない。
 リリーフ陣ではサイドハンドの19歳の若手、ハン・ヒョンヒィに期待が集まる。新人だった2012年一軍でシーズンを通して活躍した。抑えには2012年33セーブの守護神ソン・スンナクが控えているため、先発が崩れてもなんとか中継ぎで持ちこたえれば勝機が見えてくる。


【打撃陣】

〈ベストオーダー〉

1.チャン・ギヨン(右) △ 
2.ソ・ゴンチャン(二) △
3.イ・テックン(中)   
4.パク・ピョンホ(一) 
5. カン・ジョンホ(遊)    
6.ユ・ハンジュン(左) 
7.イ・ソンヨル(指) △ 
8.パク・トンウォン(捕) 
9.キム・ミンソン(三)  

〈控え〉
(捕手) チェ・ギョンチョル、ホ・ドファン
(内野手) キム・ミヌ、△チョ・ジュングン、チ・ソックン、ユ・ジェシン、シン・ヒョンチョル
(外野手) パク・ホンド、オ・ユン、△チョン・スソン、△ムン・ウラム、ソン・ジマン

注 : △は左打者。
 
 2012年本塁打(31)、打点(105)の二冠王パク・ピョンホ、26本塁打のカン・ジョンホ、韓国代表経験もあるイ・テックンなど、中軸に破壊力がある。俊足のチャン・ギヨン、2012年新人王のソ・ゴンチャン、打点を稼げるユ・ハンジュンなど周りを固める人材も豊富で、得点力は高い。
 ただやはり層の薄さは否めず、春季キャンプの練習試合で積極的に起用されたパク・ホンド、シン・ヒョンチョルなどの若手にも期待したい。また最大の弱点は捕手で、2012年はチェ・ギョンチョル、ホ・ドファンなどが代わる代わる起用されてきた。軍から除隊されたばかりの22歳の若手パク・トンウォンは打撃もよく期待が集まる。

 2012年よりも若手の底上げが進み、戦力的には充実してきている。足りないのは経験だけだ。2013年シーズン、ヨム・ギョンヨプ新監督のもと前年に築いた土台をもとにヒーローズの野球が花開く日が来るのであろうか。 


本拠地
 ソウル・木洞野球場

 ソウル南西部の木洞(モクトン)野球場は、高校野球大学野球といったアマチュア野球との併用となっている。特徴としてはすぐ近くを交通量の多い幹線道路が通っているため外野席がないこと(外野フェンスの裏側、ポール近くにマウンドがある)、内野席ではポール付近にネットがないため、比較的開放感のある観戦環境となっていること、ヒーローズのホーム応援席がサムソンと同じく3塁側になっていることである。
 首都ソウル市内の高層住宅団地の多い地域を本拠地とする歴史のない球団であるために、ロッテやキアなど熱狂的なファンの多いチームの試合だと、1塁側のほうが観客も多く盛り上がっていることも目立つ。だが近隣住民のための応援席も用意するなど、地域密着をはかりファンの拡大につとめてはいる。近年のプロ野球人気の向上もあってか、紫色のスティックバルーンを持ってヒーローズを応援するファンたちの数も増えてはいる。特に、カナダ出身の若き青年ファンが名物となっていて、韓国の野球ファンの間では大変な有名人で、野球中継でもよくその姿が映される。
 球場周辺はアイスホッケーのリンクやリトルリーグ専用の野球場がある運動公園となっていて、近隣に商店や食堂はない。球場内の売店も充実してきて、ホットドッグやハンバーガーなども売られるようになった。まともな食事をしたいのなら、最寄の地下鉄梧木橋駅付近の食堂やファーストフード店でとっておきたい。ヒーローズのグッズを扱う売店もあるが、値段が高く種類も少ない。
 ヒーローズのマスコット・トクトリ(アゴ助とでも訳せようか?)である。いろいろな格好でファンを楽しませるだけでなく、ヒーローズの選手がホームランを打ったらホームインする前にレッドカーペットを敷いたり、試合前に選手たちのキャッチボールの相手をしていたりもする(しかも左投げ)。さらに応援スタンドにもよく現れ、ヒーローズのみならずビジターチームのファンにも愛されている。




 2013年シーズンの入場料は、プレミアムブルー席、指定C席など新しい種類の席が新設されている。一般席(自由席)が平日10000ウォン、土日・祝日は17000ウォン。ブルー席(指定席)は平日15000ウォン、土日・祝日は25000ウォン。プレミアムブルー席は平日17000ウォン、土日・祝日は27000ウォン。指定C席は平日13000ウォン、土日・祝日は20000ウォン。
 バックネット裏付近のテーブル指定席は2階部分が平日25000ウォン、土日・祝日が40000ウォン。同テーブル指定席の1階部分(現代海上イカー席)は平日40000ウォン、土日・祝日が45000ウォン。プレミアムハイカー席は55000ウォン。
(3月26日現在の為替レート:1万ウォンが約850円。)

[交通アクセス]
 ソウル地下鉄5号線・梧木橋(オモッキョ)駅から徒歩10分弱。木洞総合運動場内にある。
 梧木橋駅へはソウル駅や鍾路など旧都心部から25−30分程度。ソウル・江南(カンナム)地区からは地下鉄2号線・9号線を利用し5号線に乗り換え、40−50分程度。仁川空港からは空港鉄道(A'REX)で金浦空港まで行き、ソウル地下鉄5号線に乗り換え50分程度で到着。(金浦空港からは20分弱。)
 梧木橋駅の隣に木洞駅があるが、最寄り駅ではないので要注意。

(文責 : ふるりん)