2012年は2年ぶりの最下位に転落し、ハン・デファ監督はシーズン中の8月末に辞任した。新監督はかつてヘテ(キアの前身)を9度の韓国シリーズ優勝に導いた71歳の名将キム・ウンニョンとなり、プロ野球界全体を驚かせた。そしてコーチ陣も、2012年引退したイ・ジョンボム(元中日)などヘテ色の強い顔ぶれとなった。しかし韓国を代表する左腕リュ・ヒョンジンが米国メジャーリーグ・ロサンゼルスドジャースへと移籍し、その穴をどうやって埋めるかが重くのしかかっている。
【投手陣】
〈先発〉
キム・ヒョンミン、ボーティスタ、◎△イブランド、△ユ・チャンシク、△ユン・グニョン
〈中継ぎ〉
キム・グァンス、イム・ギヨン、△マ・イリョン、△パク・チョンジン、ソン・チャンシク、チョン・ミンヒョク、◎キム・イリョプ、△○イ・チュンホ
〈抑え〉
アン・スンミン
注 : ◎は新加入、○は新人、△は左腕
2013年シーズンの投手陣は、左腕リュ・ヒョンジンが去ってもまだ左腕が多い。先発の柱は2012年自己最多の8勝をあげたキム・ヒョンミン、2年近く在籍する外国人投手ボーティスタとなる。新外国人イブランドは左腕だがリュ・ヒョンジンの穴を埋められるかは未知数で、2012年6勝をあげた3年目の若手ユ・チャンシクの成長に期待がかかる。
また高卒新人ながら開幕1軍入りを果たした左腕イ・チュンホにも期待がかかり、不調のベテランのパク・チョンジンに代わって左の中継ぎを任されると思われる。また若手のサイドハンド右腕イム・ギヨンも面白い。抑えは2012年シーズン途中から定着したアン・スンミンと、層は厚くないがタレントの揃った投手陣が出来つつある。
【打撃陣】
〈ベストオーダー〉
1.オ・ソンジン(三) △
2.カン・ドンウ(中) △
3.キム・テギュン(一)
4.キム・テワン(指)
5.チェ・ジンヘン(左)
6.チョン・ヒョンソク(右)
7.イ・デス(遊)
8.チョン・ボムモ(捕)
9.ハン・サンフン(二) △
〈控え〉
(捕手) ○ハン・スンテク、シン・ギョンヒョン
(内野手) イ・ヤンギ、△ハ・ジュソク、イ・ヨサン、イ・ハクチュン、○チョ・ジョンウォン
(外野手) オ・ジェピル、△チュ・スンウ、△ヨン・ギョンフム、△キム・ギョンオン
注 : △は左打者。○は新人。
2012年の首位打者(.363)キム・テギュン(元千葉ロッテ)を3番にして、4番をかつての主軸打者で軍から除隊されたキム・テワンにする構想がある。5番には長打力のあるチェ・ジンヘンを据え、他球団に負けないクリーンアップを組める。ただ快足の選手が少なく、得点が中軸の一発頼みになる可能性が高い。正捕手争いも見もので、高卒新人ハン・スンテクが開幕1軍に起用された。
2009年、2010年、2012年と過去4年間で3度も最下位に低迷しているハンファを、キム・ウンニョン監督の名将としてのカリスマで上位に進出させられるのであろうか。選手層が薄いため、キャンプから新人を積極的に起用し、チャンスを与えているのが特徴である。
【本拠地】
大田・ハンバッ運動場野球場
大田(テジョン)は韓国中西部の地方都市で、ソウルから南部への鉄道・高速道路の分岐点と交通の要所にあり、1970年代以降ハイテク産業が発展し人口140万人を超える韓国第5の都市に成長した。ハンファは1986年の球団創設(1993年までピングレイーグルス)以来大田を本拠地としている。2012年5月、野球場の大規模な改修工事により内野2階席が増設され、リニューアルされた。シーズン終了後改装工事を再開し、これまで狭かった外野をセンター125mまで拡張し、バックスクリーン横には芝生席まで新設された。そのため2011年までと比べて野球場は様変わりしたが、地元のファンの熱い声援はチームが低迷していても変わることがない。
最近の改装工事費用には、リュ・ヒョンジンがロサンゼルスドジャースへ移籍した際の2500万ドル以上のポスティング入札額が利用されていると思われる。大エースが新たな舞台を求め太平洋を渡ったが、生まれ変わったこの野球場から新たなスターが誕生するかもしれない。
2013年シーズンの入場料金は、3月28日現在未定。
[交通アクセス]
【大田・ハンバッ総合運動場野球場】
Korail、大田地下鉄1号線大田駅からバス(111-1番など)、タクシーで10分程度。
大田地下鉄1号線・中央路(チュンアンノ)駅から111番バス、タクシーで5分程度。
(文責 : ふるりん)