DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  第3回  LGツインズ 

 2013年は公式戦2位で、悲願だった11年ぶりとなるポストシーズン進出を果たしたが、無残にもトゥサンとのプレーオフで敗れ去ってしまった。課題を多く残したが、3年目のシーズンを迎えるキム・ギテ監督は2年連続のポストシーズン進出に向けて戦力の底上げに余念がない。


【投手陣】

〈先発〉 
リュ・ジェグク、ウ・ギュミン、シン・ジョンナク、◎リオーダン、△シン・ジェウン、◎キム・ソヌ
〈中継ぎ〉
イ・ドンヒョン、キム・ソンギュ、△イ・サンヨル、ユ・ウォンサン、△リュ・テッキョン、チョン・ヒョヌク、チョン・チャンホン、◎シン・スンヒョン
〈抑え〉
ポン・ジュングン

注 : ◎は新加入、△は左腕
 2013年、11年ぶりのポストシーズン進出は投手陣の充実によるところが大きかった。だが、過去3年間先発で活躍してきた外国人投手リズが1月の海外キャンプ中に足を痛めてしまい、代役の外国人選手を探しているとも言われている。そうなると先発の柱は2013年チーム最多の12勝をあげた元メジャーリーガーのリュ・ジェグクとなり、新外国人投手リオーダンにも期待がかかる。また、トゥサンを自由契約となった元メジャーリーガーのキム・ソヌもいて、先発でも起用は可能である。
 リリーフ陣は2次ドラフトでサイドハンドのシン・スンヒョンをキアから獲得し、軍から除隊されたばかりのチョン・チャンホンの復帰によってさらに厚くなった。2013年は終盤同点の場面でも積極的に起用され、リリーフだけで8勝をあげたポン・ジュングンも健在である。



【打撃陣】

〈ベストオーダー〉

1.パク・ヨンテク(中) △
2.オ・ジファン(遊) △
3.イ・ビョンギュ(背番号9)(指) △ 
4.ベル(三) ◎ 
5.チョン・ウィユン(左)   
6.イ・ジニョン(右) △
7.チョン・ソンフン(一) △
8.ユン・ヨソプ(捕) 
9.ソン・ジュイン(二)   

〈控え〉
(捕手) チェ・ギョンチョル、チョ・ユンジュン
(内野手) ムン・ソンジェ、ペク・チャンス、クォン・ヨングァン、△キム・ヨンウィ、チェ・スンジュン
(外野手) △ヤン・ヨンドン、イ・ビョンギュ(背番号7)、パク・ヨングン

注 : ◎は新加入、△は左打者、×は両打ち。

 2013年首位打者イ・ビョンギュ(背番号9、元中日)、パク・ヨンテク、イ・ジニョンなどベテランの左打者が多く、右の大砲として新外国人打者ベルを迎えた。期待通り長打を連発すれば得点力は更に上がる。また右打者としては2013年自己最高の成績を残したチョン・ウィユンにも期待が集まる。
 内野手の層はだいぶ厚くなったが、イ・デヒョンのキアへの移籍により外野の控えがやや心もとなくなった。捕手が不安定で日替わりの起用となるなど、得点力の高さは健在だがそれなりに不安は残る。

  
 LGは長年の低迷から抜け出す第一歩を踏み出した。主力野手の高齢化が進んでいるため、現在の戦力で優勝を狙うには2014年シーズンがラストチャンスかもしれない。20年ぶりとなる韓国シリーズ優勝のためには、若い力の台頭が必須である。


本拠地
 ソウル・蚕室野球場

 韓国最大級の野球場は、LGのみならずトゥサンの本拠地でもある。1982年創設のMBC青龍の時期からソウル特別市を本拠地としていることもあり、「ソウルの地元球団」というカラーを前面に押し出してきたのはLGのほうである。トゥサンもそれに対抗するため、球団エンブレムにアルファベットで「SEOUL」という文字を入れてはいる。試合中にもよく「ソウル賛歌」が流されるし、ファンたちも合唱する。
 ちなみにトゥサン−LG戦の際、どちらがホーム側でもLGが1塁側、トゥサンが3塁側のベンチやロッカーを使用する(応援席は主催チームによって1塁側と3塁側が入れ替わるので要注意)。毎年5月5日、こどもの日の同カードは、ソウルの野球ファンを二分するダービーマッチということで大いに盛り上がり、球場全体が赤のLGファンと白のトゥサンファンに分かれ、他国のプロリーグの試合にはない独特の雰囲気となる(2014年はトゥサン主催)。
 人気球団ということもあり、グッズショップは狭いながらも品揃えが豊富で眺めているだけで楽しい。Tシャツなどのデザインも凝っていて、2−3万ウォン程度で購入できる。またユニフォームの名前や背番号のプリントサービスも行っている。








 2014年シーズンの入場料はグリーン席(外野自由席)が7000ウォン(土日・祝日8000ウォン)。なお内野は指定席制となり、上段のネイビー席(内野上段)は9000ウォン(土日・祝日10000ウォン)、下段のレッド席は1万ウォン(土日・祝日12000ウォン)、ブルー席は12000ウォン(土日・祝日15000ウォン)。内野エキサイティングゾーンは2万ウォン、テーブル指定席は4万ウォン、プレミアム席は7万ウォン(この2種類は平日、土日・祝日ともに同料金)。

※ 3月21日現在の為替レート : 1万ウォンが約947円。


[交通アクセス]
 ソウル地下鉄2号線・総合運動場(チョンハプウンドンジャン)駅、5番出口徒歩0分。
 ソウル駅、鍾路(チョンノ)、明洞(ミョンドン)などソウルの中心街からは、地下鉄2号線などで約40分。ソウル・江南(カンナム)地区の繁華街からは地下鉄2号線で10分前後。
(第2回 トゥサンベアーズ編も参照〉 
 
(文責 : ふるりん)