2011年に球団が創設され、トゥサンで若手育成に定評のあるキム・ギョンムン初代監督の指揮のもと、2012年は2軍のみの参加だった新球団ＮＣダイノス。初参加となった2011年ドラフトで優秀な新人を多数指名できたことで、2012年2軍南部リーグでは勝率.632と圧倒的な強さだった。2012年ドラフトでも多数の優秀な新人を指名し、オフには既存8球団から特別指名権で1人ずつ選手を補強した。また初のＦＡ選手としてＳＫよりイ・ホジュン、キアよりイ・ヒョンゴンと実績のある選手を獲得した。
【投手陣】
〈先発〉
◎△アダム、◎チャーリー、◎エリック、イ・ジェハク、△ノ・ソンホ、○イ・ソンミン
〈中継ぎ〉
◎ソン・シニョン、◎コ・チャンソン、◎△イ・スンホ、△ムン・ヒョンジョン、チェ・グムガン、イ・テヤン、ファン・ドッキュン
〈抑え〉
キム・ジンソン
注 ： ◎は新加入、○は新人、△は左腕
ＮＣは特例で外国人選手が他球団の2名より1名多い3名まで認められている。近年外国人選手はほぼ投手だが、ＮＣも3名の外国人選手枠をすべて投手で埋めた。左腕アダム・ウィルク、チャーリー・シレック、エリック・ハッカーの3名のファーストネームをもじって「ACE(エース)」トリオとして売り出している。また韓国人選手は2012年2軍で15勝をあげたイ・ジェハク、2011年ドラフトの目玉だった左腕ノ・ソンホが先発を任される。
リリーフ陣は、特別指名でハンファからソン・シニョン、トゥサンからコ・チャンソン、ロッテからイ・スンホと実績のある中継ぎ陣を引っ張ってきた。抑えはかつてＳＫ、ネクセンに在籍していたが1軍に定着できず、ＮＣにテスト入団したキム・ジンソンが任される。ここには挙げなかったが、高校野球韓国代表のエースだったユン・ヒョンベなど有望な新人たちの成長を期待したい。
【打撃陣】
〈ベストオーダー〉
１．キム・ジョンホ（中） △◎
２．パク・ミヌ（二） △
３．モ・チャンミン（一） ◎
４．イ・ホジュン（指） ◎
５．クォン・ヒィドン（左） ○
６．ナ・ソンボム（中） △
７．イ・ヒョンゴン（三） ◎
８．キム・テグン（捕） ◎
９．ノ・ジンヒョク（遊）
〈控え〉
(捕手) ホ・ジュン、キム・テウ
(内野手) △チョ・ヨンフン、◎チャ・ファジュン、チョ・ピョンホ、キム・ドンゴン、イ・サンホ
(外野手) △○パク・ウットゥム、△パク・サンヒョク、マ・ナッキル、パク・ホヌク
注 ： ◎は新加入。△は左打者。○は新人。
サムソンからキム・ジョンホ、ＳＫからモ・チャンミン、ＬＧからキム・テグンと特別指名で獲得した選手と、ＳＫの主砲だったイ・ホジュン、2007年首位打者でキアの内野のレギュラーだったイ・ヒョンゴンのＦＡ選手2名と、他球団から新たにやってきた選手たちが主力の多くを占める。その中でまだ20歳の若手パク・ミヌ、23歳のノ・ジンヒョク、大卒新人ながら春季キャンプでの練習試合から打撃で存在感を見せるクォン・ヒィドンなど生え抜きの若手にもレギュラーのチャンスはある。またキャンプ中の負傷で開幕には間に合わなかったが、2012年2軍の本塁打王(16本)で走攻守そろった大型外野手ナ・ソンボムの活躍に期待したい。
2013年のプロ野球でも特に大きな注目を集める新球団ＮＣダイノス。戦力的にはだいぶ既存球団より見劣りするが、その分有望な若手たち、あるいは前所属チームで出番がなかった選手たちには飛躍のチャンスはいくらでもある。順位よりも1つでも多くの勝利、そして1人でも多くの選手の成長と活躍が新球団に課せられた目標であろう。
【本拠地】
馬山総合運動場野球場
韓国南東部にある馬山(マサン)の街は古来から港町として栄え、1970年代から自由貿易地帯として工業地域となり、経済発展を支えた。2010年近隣の昌原(チャンウォン)、鎮海(チンヘ)といった都市と合併して誕生した昌原総合市の一部となった。街の中心部のそばに野球場があり、2010年までロッテの準本拠地として利用され、以前はロッテファンが多かった。ＮＣダイノスの誕生により野球場は大きく改装され、現在の形となった。そして4月2日、初の公式戦はロッテが相手であり、この2チームの対戦はプロ野球の新しいライバル対決として注目を浴びている。将来は軍港で有名な鎮海地区に新球場を建設する予定。
2013年シーズンの入場料金は、平日をブルーゲーム、土日・祝日をゴールドゲームとした2種類の設定となっている。内野指定席はブルーゲーム(以下B)が10000ウォン、ゴールドゲーム(以下G)が12000ウォン。1塁側応援席、内野指定テーブル席(上段)はBが15000ウォン、Gが20000ウォン。内野テーブル席(下段)、ダイナミックゾーン(内野フィールドにせり出した席)はBが20000ウォン、Gが25000ウォン。中央テーブル席はBが25000ウォン、Gが30000ウォン。外野指定席はGが7000ウォン、Bが8000ウォン。外野自由席はB、Gともに5000ウォン。その他内外野に4人、6人と団体観戦用のパーティー席・家族席、最大20人が観戦できる個室のスカイボックスがある。
［交通アクセス］
ソウルからKTXの直通列車で馬山駅まで約3時間。駅からはタクシーで10分弱。
また徒歩10分ほどのところに馬山高速バスターミナルがあり、ソウル方面へのバスも発着している。釜山方面への市外バスターミナルへはタクシーで10分程度。
（文責 : ふるりん）
