DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

   アジア大会野球、13日緒戦・台湾戦で開幕

 2010年広州アジア大会に出場する韓国代表チームは12日、試合会場の広東オリンピックセンター野球場で大会開幕前最後の練習を行い、13日の緒戦・台湾戦に向けて調整した。韓国代表はグループBに属し、台湾、香港、パキスタンと対戦し、上位2位に残ればグループA(中国、日本、タイ、モンゴル)の上位2チームと18日の準決勝で対戦する。


【2010年 広州アジア大会 野球韓国代表メンバー】


[監督] チョ・ボムヒョン(キア)


[投手]
チョン・デヒョン(SK)     49試合 4勝1敗4セーブ8ホールド 防御率1.40
ソン・ウンボム(SK)      44試合 8勝5敗8セーブ4ホールド 防御率2.30 
アン・ジマン(サムソン)     67試合 9勝3敗9セーブ8ホールド 防御率2.74
イム・テフン(トゥサン) 36試合 9勝11敗1セーブ1ホールド 防御率5.30
コ・チャンソン(トゥサン)    73試合 6勝4敗22ホールド 防御率3.62
ユン・ソンミン(キア)      23試合 6勝3敗3セーブ 防御率3.83
ヤン・ヒョンジョン(キア) 30試合 16勝8敗 防御率4.25
ポン・ジュングン(LG)     28試合 10勝9敗 防御率3.58
リュ・ヒョンジン(ハンファ)   25試合 16勝4敗 防御率1.82    
キム・ミョンソン(中央大) 

[捕手]
パク・キョンワン(SK)    129試合 打率.262 14本塁打 67打点 1盗塁 
カン・ミンホ(ロッテ)     117試合 打率.305 23本塁打 72打点 2盗塁

[内野手]
チョン・グヌ(SK)      128試合 打率.305 2本塁打 48打点 33盗塁
チェ・ジョン(SK)      123試合 打率.300 20本塁打 80打点 12盗塁
チョ・ドンチャン(サムソン)  95試合 打率.292 9本塁打 51打点 33盗塁
ソン・シホン(トゥサン)    128試合 打率.273 8本塁打 62打点 0盗塁
イ・デホ(ロッテ)       127試合 打率.364 44本塁打 133打点 0盗塁
カン・ジョンホ(ネクセン)   133試合 打率.301 12本塁打 58打点 2盗塁
キム・テギュン(千葉ロッテ)  ※ 141試合 打率.268 21本塁打 92打点 0盗塁

[外野手]
キム・ガンミン(SK)     115試合 打率.317 10本塁打 72打点 23盗塁
イ・ジョンウク(トゥサン)   114試合 打率.312 5本塁打 45打点 30盗塁
キム・ヒョンス(トゥサン)   132試合 打率.317 24本塁打 89打点 4盗塁
イ・ヨンギュ(キア)      129試合 打率.307 3本塁打 51打点 25盗塁
チュ・シンス(クリーブランドインディアンズ)  △ 144試合 打率.300 22本塁打 90打点 22盗塁

注 : 成績は2010年シーズンのもの。ただし※は日本プロ野球、△は米国・メジャーリーグでのもの。


【広州アジア大会 野球日程】
(グループB)

13日19時 台湾
14日19時 香港
16日13時 パキスタン

(準決勝)
18日13時 グループA1位−B2位
18日19時 グループB1位−A2位

(3位決定戦)
19日13時 準決勝敗者の対戦

(決勝)
19日19時 準決勝勝者の対戦

注 : 時間はすべて日本・韓国時間(広州との時差は1時間)。


 1998年、2002年と2大会連続で優勝しながら、2006年ドーハ大会では緒戦の台湾戦に敗れムードが悪くなると、プロ選手のいない日本にも敗れ銅メダルで終わってしまった。その時の反省として、代表選手の選考を兵役を終えていない選手を主体に行ってしまい、海外組を入れなかった点があげられた(代表選手22名のうち14名が2006年11月当時兵役を終えていなかった)。今大会の24名の代表選手のうち、2010年11月現在で兵役を終えていない、あるいは免除となっていない者は11名にとどまっている。そしてキム・テギュンチュ・シンスと、日米で活躍する実力のある選手を招集した。特にメジャーリーグでレギュラーとして活躍するチュ・シンスにとっては、2度とないであろう兵役免除のチャンスである。
 
 最大の難敵はグループリーグ緒戦で対戦する台湾であるとされている。4年前のドーハ大会で力負けしただけでなく、2003年アジア野球選手権(アテネ五輪予選)での逆転負けなど過去何度か台湾代表には苦杯をなめさせられてきた。韓国と同じくほとんどの選手をプロが占め、国内のみならず日本、米国の海外組の選手も数多く召集された。韓国代表は台湾戦に、2007年アジア野球選手権(北京五輪アジア地区予選)の台湾戦でも先発したリュ・ヒョンジンを起用すると見られている。また、台湾の先発は日本プロ野球で活躍する陽耀勲(福岡ソフトバンク)だと予想され、左腕対決となる。野手では米国・メジャーリーグ胡金龍(ロサンゼルスドジャース)、台湾プロ野球本塁打、打点の2冠王・林智勝(La New)、首位打者・彭政閔(兄弟)など国際大会経験豊富な選手がそろっている。
 対する韓国代表の打線は、打撃三冠王イ・デホを軸に、2009年WBC(ワールドベースボールクラシック)で活躍したキム・テギュンチュ・シンスの海外組がクリーンアップを打つと予想される。またチョン・グヌ、イ・ヨンギュなどの快足の選手もそろい、国際大会での活躍が光るキム・ヒョンスにも期待がかかる。大会随一の破壊力を誇る打線に、リュ・ヒョンジン、ポン・ジュングン、ユン・ソンミン、チョン・デヒョンなど近年の国際大会で活躍した投手陣をそろえる韓国代表は、文句なしの圧倒的な優勝候補である。緒戦の台湾戦を勝利すれば、香港、パキスタンはプロ選手のいないチームであるだけに、グループB1位はほぼ確定したようなものだ。
 準決勝以降で対戦が予想される相手としては、開催国・中国、プロ選手はいないが国際経験豊富な社会人野球の名選手たちがそろう日本があげられる。中国は開催国としてのアドバンテージと、選手個人個人の力量は韓国より劣るが、長い時間をかけ代表合宿を行ってきたためまとまりがあり、油断のならない相手である。また日本代表には先日プロ野球のドラフト会議で指名された榎田(東京ガス阪神1位指名)、須田(JFE東日本、横浜1位指名)、美馬(東京ガス東北楽天2位指名)など若き才能ある投手たちがいるため、韓国としても最大級の警戒を払っている。また、決勝でまた台湾と対戦する可能性も決して低くはない。

 韓国代表は優勝して当然というプレッシャーに負けなければ、2大会ぶり3度目のアジア大会優勝は決して困難なことではない。だが、中国南部の暑い気候、あまり野球が盛んではない中国の状態の悪いグラウンドなど、環境面が最大の敵となる可能性が高い。韓国代表選手たちがタフな戦いを見せ、2010年の韓国野球界の至上命題としてきたアジア大会制覇を成し遂げてくれるものと信じたい。