DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  KT、現代を買収しプロ野球進出へ

 KBO(韓国野球委員会)は27日、シン・サンウ総裁などが出席してソウルで緊急記者会見を開き、現代ユニコーンズ野球団が国内有線通信企業KTに売却されることを発表することとなった。現代は以前から経営危機のため球団売却先を探していたが、2007年1月農協への球団売却が報じられたものの、内部団体の圧力で中止となった。結局今季はKBOが8球団制を維持するため、農協などの金融機関から融資を受け、選手の年俸など運営資金を現代に貸し付ける形でシーズンを終えた。
 その後9月には新興企業グループSTXが買収に乗り出していると報じられたが、不祥事や他の事業に資金を回すこととなり、11月にKBO側から交渉を打ち切られた。その後KBOは水面下で複数の企業と交渉していると報じられていたが、2007年が終わろうとしても具体的な話は聞こえてこなかった。
 KBOの資金提供にも限界があり、このままでは空中分解の危機にあった現代ユニコーンズだが、今後球団は一旦解体され、KTの買収後に選手、コーチ、監督、球団職員などを引き続き雇用する形で新球団が誕生し、2008年シーズンからプロ野球に参入することとなる。これで韓国プロ野球は8球団制が維持され、現代ユニコーンズの消滅による7球団制への移行の危機は免れる見込みだ。1996年太平洋ドルフィンズを買収して誕生した現代ユニコーンズは、4度の韓国シリーズ優勝に輝いた強豪として一時代を築いたが、2007年限りで12年の歴史に幕を閉じることになりそうだ。
 正確な買収額は27日発表される見込みだが、以前KBOが農協やSTXと交渉した際には80億ウォン(約9億70000万円)程度だったとされていて、今季KBOが現代に貸し付けた球団運営資金130億ウォン(約15億8000万円)を負担するとしたら合計200億ウォン(約24億3000万円)前後と考えられる。本拠地は現代が2000年以降使用していた水原(スウォン)公設野球場ではなく、ソウル市内西部の木洞(モクトン)野球場を使用すると思われるが、今後ソウル市が同球場の改装を行う計画があるものの、開幕までに間に合うかは微妙で、当分は水原に本拠地を置いたままになる可能性もある。