DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  KT、プロ野球新球団設立を撤回

 韓国最大の通信事業体であるKTは11日緊急理事会を開き、2008年シーズンからプロ野球に参入する予定だった新球団の設立を撤回することに決めた。
 KTは2007年12月27日、KBOとの交渉に合意し2008年にソウルを本拠地とするプロ野球新球団を設立すると発表していた。経営危機で球団解散の危機にあった現代ユニコーンズは新球団の設立とともに解体され、選手やスタッフなどが新球団に移籍して再出発すると思われていた。
 だが、翌12月28日に以前からソウルを本拠地としていたトゥサン、LGが異例の共同声明を発表し、KBOが独断専行でKTのプロ野球参入を認めたことに強い反発の意を表した。これに対してKTも、1球団でも反対すれば新球団設立を撤回すると示唆するようになり、2007年プロ野球最大の課題であった現代ユニコーンズ球団売却問題解決に暗雲が立ち込めだした。
 年明けの1月8日、KBOは各球団の社長を集めて理事会を開き、長時間の議論の末KT新球団の設立には合意したが、交渉過程でKBOが提示した加入金60億ウォンでは財政難のKBOにとっては少なすぎるため、加入金の増額を暗に要求した。他球団、特にトゥサン、LGが納得のいく額としては、ソウルを本拠地とする際に必要とされる54億ウォン(ソウルを本拠地とすることを希望していた現代にかつて要求したのと同じ額)、2007年KBOが現代の球団運営費として金融機関より融資した131億ウォンの合計185億ウォンあまりだったと見られる。これは当初の予定の3倍以上にもなり、KTとしては球団設立を再検討するとしても異論の余地はなかった。そして11日、緊急理事会で他球団とのさまざまな葛藤の末に新球団を設立しても企業のイメージアップにつながらず、新事業に資金を投入すべきであるとして球団設立撤回の結論に至った。
 
 これでKBOは2007年から農協、STXに続いてKTとの交渉も失敗してしまい、3度目の正直はならなかった。これで現代ユニコーンズ解散の危機はますます高くなり、1990年以来18年ぶりにプロ野球が7球団で行われる可能性も否定できなくなった。KTの新球団設立撤回によりプロ野球のイメージはさらに傷つき、当分の間はプロ野球に進出しようとする企業は現れない可能性すらある。韓国プロ野球は1982年の出発以来、規模縮小という未曾有の危機を迎えつつある。
 今回こそ球団の行方が決まると期待していた現代の選手、スタッフたちはこのニュースを聞いて落胆の色を隠せなかったが、選手たちは普段通り開幕に向けての練習を続けた。彼らに朗報が届くのはいつの日になるのだろうか。

[黙々と練習を続ける現代の選手たち。]