DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

2023年 シーズン展望 第7回 サムソンライオンズ

パク・チンマン新監督のもと2年ぶりのポストシーズン進出へ

 2022年は2年連続のポストシーズン進出、8年ぶりの韓国シリーズ優勝が期待されたがチーム史上最多の13連敗が響いて7位で終わり、ホ・サミョン監督がシーズン途中で辞任、シーズン終了後にパク・チンマンが監督代行から正式に監督へ就任した。選手時代は韓国を代表する内野守備の名手として活躍しサムソンの韓国シリーズ優勝にも貢献したパク・チンマン新監督は、フューチャース(二軍に相当)監督だった経験を活かし若手を積極的に抜擢、2021年以来となる2年ぶりのポストシーズン進出を目指す。


【投手陣】

〈先発〉 
ブキャナン、スアレス、ウォン・テイン、△ペク・チョンヒョン、ヤン・チャンソプ、△ホ・ユンドン

〈リリーフ〉
ウ・ギュミン、キム・デウ、イ・スンヒョン(背番号20)、△イ・ジェイク、ムン・ヨンイク、チェ・チュンヨン、△イ・スンヒョン(背番号54)、オ・スンファン
注 : ◎は新加入、△は左腕

 先発投手陣の柱は、2020年から3年連続で10勝以上を記録した韓国4年目の外国人選手ブキャナン(元東京ヤクルト)で、2022年は6勝と勝ち星には恵まれなかったが防御率2.49と安定していた韓国2年目の外国人選手スアレス(元東京ヤクルト)とも再契約している。韓国人選手では22歳の右腕ウォン・テインが2022年に2年連続の10勝以上を記録、近年の国際大会にも出場しており2023年9~10月の杭州アジア競技大会野球韓国代表への選出が目標となる。他にも21歳の左腕ホ・ユンドンなども先発に定着したい。

 リリーフでは41歳を迎えるオ・スンファン(元阪神)が2022年もチーム最多の31セーブと記録し韓国史上最多の個人通算セーブ記録を370まで伸ばすも、その後継者が必須となる。チェ・チュンヨン、20歳の左腕のイ・スンヒョン(背番号54)などがあげられる。また高卒新人の右腕イ・ホソンも積極的な一軍での起用が考えられる。

 
【打撃陣】

〈先発予想〉

捕手:カン・ミンホ

一塁:△オ・ジェイル

二塁:キム・ジチャン

三塁:イ・ウォンソク

遊撃:イ・ジェヒョン

外野:△ク・ジャウク、イ・ソンギュ、ピレラ

DH:キム・ドンヨプ  

〈控え〉
(捕手)キム・テグン、キム・ジェソン
内野手)キム・ホジェ、△カン・ハヌル、△コン・ミンギュ、イ・へスン
(外野手) ◎△キム・テフン、キム・ホンゴン、△キム・ヒョンジュン
注:◎は新加入、△は左打者。

 打線の中軸は生え抜きのク・ジャウク、2022年は打率.342、28本塁打、109打点とチーム最多を記録した韓国3年目の外国人選手ピレラ(元広島)、36歳のベテランの左打者オ・ジェイルが担うと思われる。生え抜きの内野手として活躍してきたキム・サンスがFAとなりKTウィズへと移籍したが、20歳のイ・ジェヒョン、21歳のキム・ジチャンなどの若手の活躍でその空白を埋められると思われ、他の若手と同じく杭州アジア競技大会野球韓国代表の選出が目標となる。

 若手以外で注目されている選手としては29歳のイ・ソンギュがあげられ、2020年に10本塁打を記録するも一軍には定着できず、2023年は示範競技で5本塁打と好調を維持し期待されている。新戦力としてはキム・サンスの補償選手としてKTから移籍したキム・テフンも加わり、野手の層は厚くなった。また正捕手カン・ミンホが38歳を目前に体力的な面での不安が大きいため、キム・テグンとキム・ジェソンの2名の捕手の出場機会も多いと思われる。


【本拠地】
大邱サムソンライオンズパーク
 

 大邱(テグ)は韓国南東部にある人口250万人以上の韓国第4の都市である。中心市街地から小さな峠を越えた東にある大邱サムソンライオンズパークは2016年に完成した緑に囲まれたボールパークである。周囲には商店や食堂などは少ないが、大邱都市鉄道(地下鉄)2号線・大公園(テゴンウォン)駅の目の前にあり交通の便はよい。

 客席がサムソンのチームカラーの青に統一された特徴的なデザインの野球場には電光掲示板、観客席ともに最新鋭の設備が導入され、売店なども充実し快適な観戦環境が提供されている。この野球場は西日が差し込まないようにするためホームが三塁側となっている。3塁側内野応援席の上には8回の優勝を記念するエンブレムが掲げられ、1塁側ライトポール付近には2017年に引退し2023年よりトゥサンベアースの監督となった韓国プロ野球での本塁打数個人通算記録保持者(467本)のイ・スンヨプ(元オリックス)の肖像画が描かれ、ボール型のモニュメントも置かれている。ファールグラウンドが狭く、他の韓国のプロ野球本拠地球場に見られない八角の形状である。


[交通アクセス]
 大邱都市鉄道(地下鉄)2号線・大公園駅4,5番出入口の目の前にある。高速鉄道KTXが停車する東大邱駅前の複合乗換センターから大邱サムソンライオンズパーク方面への937番バスで15〜20分程度。
 
(文責:ふるりん