DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

2022年 シーズン展望 第1回 KTウィズ

初の韓国シリーズ2年連続出場・優勝へ

 韓国で10番目のプロ野球チームとして2015年に一軍へ参入、2020年に初めてポストシーズン進出、2021年は韓国シリーズ初優勝を成し遂げた。初めて追われる立場となった2022年シーズン、初の2年連続の韓国シリーズ進出・優勝を狙う。


【投手陣】

〈先発〉 
デスパイネ、クエバス、ソ・ヒョンジュン、ペ・ジェソン、コ・ヨンピョ、オム・サンベクなど
〈リリーフ〉
パク・シヨン、チョン・ユス、△チョ・ヒョヌ、チュ・グォン、キム・ミンス、アン・ヨンミョン、△シム・ジェミン、キム・ジェユンなど
注 : ◎は新加入、△は左腕

 2021年の韓国シリーズ初優勝の原動力となった先発投手陣は2022年も健在と思われる。2020、2021年とリーグ最多の投球回数を記録したデスパイネ、韓国4年目のクエバスの両外国人選手だけでなく、アンダースローのコ・ヨンピョ、プロ3年目の20歳のソ・ヒョンジュン、3年連続で先発ローテーションを守るペ・ジェソンなどが中心となる。

 リリーフも堅固で、2021年は32セーブを記録した抑えのキム・ジェユンを中心に層が厚い。右の中継ぎはチュ・グォンやキム・ミンス、左の中継ぎはチョ・ヒョヌが柱となる。そのため期待の高卒新人パク・ヨンヒョンなどの若手が一軍に定着するのは容易でないと思われる。

 

【打撃陣】

〈先発予想〉

捕手:チャン・ソンウ

一塁:△ カン・ベッコ

二塁:パク・キョン

三塁:ファン・ジェギュン

遊撃:シム・ウジュン

外野:◎△ラモス、△チョ・ヨンホ、ペ・ジョンデ

DH:◎パク・ピョンホ
〈控え〉
(捕手)  キム・ジュンテ
(内野手) △クォン・ドンジン、オ・ユンソク、シン・ボンギ
(外野手)  ムン・サンチョル、△キム・ミンヒョク、ソン・ミンソプ

注 : △は左打者、◎は新加入。

 打線の中軸は22歳で韓国を代表する打者に成長しつつあるカン・ベッコで、その周りを固める選手としてキウムからFA(フリーエージェント)となり移籍した過去5回の本塁打王となったパク・ピョンホ、新外国人選手ラモスが加わった。この新戦力2名以外の主力に大きな変化はないと思われるが、1995年生まれのシム・ウジュン、ぺ・ジョンデを除いてパク・キョンス、ファン・ジェギュンなど30代以上の選手が目立ち、今後を見据えて23歳のクォン・ドンジンなど若手の台頭が望まれる。

 2021年の優勝チームとはいえ長打力に乏しくシム・ウジュン、ぺ・ジョンデなど盗塁数の多い選手をそろえているが、35歳となり年齢による衰えが心配されるが韓国通算327本塁打の実績があるパク・ピョンホや、示範競技などで本塁打を放った新外国人選手ラモスが本領を発揮し得点力が向上すれば、強力投手陣を背景に韓国シリーズ2連覇が見えてくるであろう。就任4年目を迎えたイ・ガンチョル監督はKTウィズの黄金時代を築くことができるであろうか。

 

【本拠地】
水原KTウィズパーク

 KTウィズの本拠地・水原(スウォン)はソウルから南へ約40kmに位置し、中心市街地を囲む世界文化遺産の華城(ファソン)の城郭都市である。総合運動場は華城から2km北西に離れ、その北端に水原KTウィズパークがある。この野球場は2000年から2007年まで現代ユニコーンズ(解散)の本拠地として利用されていた。KTウィズが創設され一軍へ参入した2015年、観客席の増設工事などで大幅にリニューアルされ本拠地として使用している。観客席はチームカラーの赤で統一され、外野には大型の電光掲示板が設置され内部の通路には多様な売店も並ぶなど快適な観戦環境が提供されている。


[交通アクセス]
 近隣に鉄道の駅はない。最寄りはKORAIL首都圏電鉄・華西(ファソ)駅でタクシーで10分程度。大田(テジョン)、釜山(プサン)などからの長距離列車が停車するKORAIL水原駅からはタクシーで20分程度。水原駅からは7770番などのバスも運行されている。
 また、ソウル市内からはソウルメトロ2・4号線の舎堂(サダン)駅から水原方面への7770番バスが球場北西側のバス停に止まる。


(文責:ふるりん