イメージ刷新で6年ぶりのポストシーズン進出へ
2022年は背番号10が永久欠番に指定されたロッテジャイアンツ史上最高の打者イ・デホ(元福岡ソフトバンク)が現役を引退した最後のシーズンだったが、2年連続の8位で5年連続ポストシーズン進出失敗に終わった。その空白を埋めるためNCダイノスから内野手ノ・ジンヒョク、LGツインスから捕手ユ・ガンナム、キウムヒーローズから投手ハン・ヒョンヒィと3名ものFA(フリーエージェント)となった選手を補強した。また他球団から自由契約となった投手を積極的に集めた。
その他の大きな変化としては、ユニフォームが2018年以来5年ぶりとなる大幅な変更があり、イメージが刷新された。就任3年目となる外国人監督サットン監督は2017年以来となる6年ぶりのポストシーズン進出を狙い、1992年を最後にして30年以上遠ざかる韓国シリーズ優勝を狙う。
【投手陣】
〈先発〉
△バーンズ、ストレイリー、パク・セウン、◎ハン・ヒョンヒィ、ナ・ギュナン、イ・インボク
〈リリーフ〉
ク・スンミン、キム・ドギュ、チェ・ジュニョン、◎シン・ジョンナク、◎キム・サンス、◎ユン・ミョンジュン、△キム・ジヌク、ムン・ギョンチャン、キム・ウォンジュン
注 : ◎は新加入、△は左腕
先発投手陣は2022年にチーム最多の12勝を記録した左腕バーンズとシーズン途中に復帰したストレイリーの外国人選手2名、2年連続10勝を記録した右腕パク・セウンが軸となる。特に近年の国際大会にも出場したパク・セウンは軍への入隊を延期し、2023年9~10月の杭州アジア競技大会野球韓国代表への選出され、優勝による兵役免除の恩典を受けることを目標としている。キウムで先発、リリーフともに起用された29歳のサイドハンド右腕のハン・ヒョンヒィも先発として活躍が期待される。
リリーフ陣はチェ・ジュニョン、キム・ウォンジュンが軸となるが、2022年は層の薄さが目立ちハンファからシン・ジョンナク、トゥサンからユン・ミョンジュン、SSGからキム・サンス、LGからチャ・ウチャンと他球団から自由契約となった実績のある投手と契約した。期待の若手としては21歳のリリーフのチェ・ジュニョン、20歳の左腕キム・ジヌク、プロ2年目の19歳のイ・ミンソクなどがあげられ、杭州アジア競技大会野球韓国代表への選出が目標となる。
【打撃陣】
<先発予想>
捕手:◎ユ・ガンナム
一塁:チョン・フン
二塁:アン・チホン
三塁:ハン・ドンヒィ
遊撃:◎△ノ・ジンヒョク
外野:△レックス、△コ・スンミン、△ファン・ソンビン
DH:チョン・ジュヌ
〈控え〉
(捕手) チョン・ボグン、チ・シワン
(内野手) キム・ミンス、△パク・スンウク、△ イ・ホヨン、△イ・ハクチュ
(外野手) △ キム・ジェユ、シン・ヨンス、◎△アン・グォンス、チョ・セジン
注 : ◎は新加入、△は左打者。
引退するまで4番打者を任されていたイ・デホの空白を埋めるため、LGで活躍していた強打の捕手ユ・ガンナム、NCの主力内野手だったノ・ジンヒョクを補強した。特に捕手は不動のレギュラーが定められず、2017年シーズンオフにカン・ミンホがサムソンに移籍してから5年ほどウィークポイントとなっていた。ロッテの生え抜きの主力選手では23歳の内野手ハン・ドンヒィにさらなるスケールアップが求められ、22歳の外野手コ・スンミンとともに杭州アジア競技大会野球韓国代表への選出が目標となる。また俊足の高卒新人の外野手キム・ミンソクも一軍で起用される可能性がある。
2022年シーズン途中から契約した外国人選手レックスは安定した打撃でチャンスメイカーとなる。イ・デホの代わりに4番打者となるのは37歳の右打者チョン・ジュヌなどのベテランになると思われ、若手への切り替えを進めるチームにおいては35歳のチョン・フンとともに頼れる存在となる。
【本拠地】
釜山・社稷野球場
釜山は韓国のみならず、アジア屈指の貿易港として発展を遂げた。野球の盛んな都市として知られ、釜山近隣のファンの期待を一身に受ける本拠地・社稷(サジク)野球場は、ロッテが好調だと大観衆で球場が埋まり、特有の熱を帯びた応援のボルテージが見られるかもしれない。なお2023年シーズンにおいては7月15日に2007年以来16年ぶりのオールスター戦の開催が決定し、イ・デホが去り寂しさの残る社稷野球場に久々の熱気が戻ってくることになりそうだ。
社稷野球場は釜山広域市の北部にあり、国際フェリーターミナルがある釜山港付近からは遠く、西面(ソミョン)や釜田(プジョン)の繁華街からは比較的近い。野球場の正面玄関付近は繁華街であり、食事や買い物などには困らない。
[交通アクセス]
釜山交通公社3号線・総合運動場(チョンハプウンドンジャン)駅、社稷(サジク)駅下車で徒歩10分。
(文責 : ふるりん)