4年ぶりのポストシーズン進出へ
ホ・ムンフェ監督が就任した2020年は前年の最下位から7位へと順位を上げることができた。38歳の4番打者イ・デホ(元福岡ソフトバンク)などベテランが投打ともに主力の多くを占めているため、若手や中堅の育成と起用を進めてきた。2021年シーズンはレギュラーシーズン5位以上で2017年以来4年ぶりのポストシーズン進出が目標となる。
【投手陣】
〈先発〉
ストレイリー、◎フランコ、パク・セウン、ソ・ジュヌォン、ノ・ギョンウン、イ・スンホン
〈リリーフ〉
イ・インボク、パク・チンヒョン、チェ・ジュニョン、ク・スンミン、キム・デウ、オ・ヒョンテク、キム・ウォンジュン
注 : ◎は新加入、△は左腕
先発投手陣は2020年に最多奪三振の個人タイトルを受賞した韓国2年目の外国人選手ストレイリーが軸となる。新外国人選手フランコはストレイリーと同様に先発として高い水準が求められる。外国人と比べて韓国人の先発投手の質は決して高いと言えないのが弱点で、エースとして期待される25歳のパク・セウンも安定感に欠ける。プロ3年目の20歳のソ・ジュヌォン、22歳のイ・スンホンなど若手の成長次第でチームの成績が左右される。まだ37歳のノ・ギョンウンに頼らなければならない状況だ。
リリーフ陣では2020年に初めて抑えを任されたキム・ウォンジュンが軸となる。中継ぎ陣は頭数がそろっているが、先発と同様に左腕不足である。そのため大型左腕として評価されている高卒新人キム・ジヌクが積極的に起用されると思われる。
【打撃陣】
<先発予想>
捕手:キム・ジュンテ
一塁:チョン・フン
二塁:アン・チホン
三塁:ハン・ドンヒィ
遊撃:マチャド
外野:△ソン・アソプ、チョン・ジュヌ、△カン・ロハン
DH:イ・デホ
〈控え〉
(捕手) チ・シワン、△チョン・ボグン
(内野手) キム・ミンス、△イ・ビョンギュ、オ・ユンソク、◎△ ナ・スンヨプ
(外野手) △チュ・ジェヒョン、△ キム・ジェユ、シン・ドンス
注 : ◎は新加入、△は左打者。
2020年も4番打者として活躍した38歳のイ・デホの現役生活が長くないことを予測してチーム作りを進めていくと思われる。2020年も190安打と活躍した33歳のソン・アソプがイ・デホと並ぶ打線の軸であり、長く主力野手として活躍してきたチョン・ジュヌも36歳である。若手で主力に成長したのがプロ4年目の21歳のハン・ドンヒィだけで、選手層が薄いこともあり育成が急務となっている。主力の外野手の一人だったミン・ビョンホンが2021年1月に脳の手術を受けて復帰が未定であるため、18歳の高卒新人ナ・スンヨプが本来の内野手ではなく外野手として起用される可能性がある。
韓国2年目の外国人選手マチャドは安定した守備でショートを任される。マチャドとコンビを組む二塁はアン・チホンが起用されると思われるが、2020年にFAでキアから移籍したものの期待されたほどの成績は残せなかった。ロッテでの2年目に復活をかける。
ホ・ムンフェ監督は就任2年目で、ようやく監督としての職務にも慣れてきたと思われる。ロッテジャイアンツと言えば社稷野球場に集まる釜山(プサン)の野球ファンの熱狂的な応援で知られてきたが、過去5年間でポストシーズン進出が2017年の1度だけと上位から遠ざかっているため、かつてほどの熱気が感じられなくなっている。プロ野球自体が昨今の情勢で観客入場数の制限が続くと思われる中、ロッテジャイアンツにとっては、近い将来熱気を取り戻し1992年以来となる韓国シリーズ優勝を達成する日のための土台作りのシーズンとなるかもしれない。
【本拠地】
釜山・社稷野球場
韓国第2の都市・釜山は韓国のみならず、アジア屈指の貿易港として発展を遂げた。野球の盛んな都市として知られ、釜山近隣のファンの期待を一身に受ける本拠地・社稷(サジク)野球場は、ロッテが好調だと2万人以上の大観衆で球場が埋まり、特有の熱を帯びた応援のボルテージが名物だった。
社稷野球場は釜山広域市の北部にあり、国際フェリーターミナルがある釜山港付近からは遠く、西面(ソミョン)や釜田(プジョン)の繁華街からは比較的近い。球場の西には山々が連なるが、野球場の正面玄関付近は繁華街であり、食事や買い物などには困らない大都市の球場である。ロッテファンたちは新聞紙を短冊状にちぎってからまとめて房を作り、試合後半になると配布される赤色のビニール風船を振り回すか頭にかぶるなどして、一体となって野球場全体を盛り上げてきた。
釜山から北へ50kmほどの地方都市・蔚山(ウルサン)広域市の文殊(ムンス)野球場でも時折主催試合が行われることがある(2020年の開催はなかった)。
[交通アクセス]
釜山交通公社3号線・総合運動場(チョンハプウンドンジャン)駅、社稷(サジク)駅下車で徒歩10分。
(文責 : ふるりん)