2年連続ポストシーズン進出、韓国シリーズ初優勝へ
2019年は新球場の昌原NCパーク馬山球場で前年の最下位から5位に浮上し、2年ぶりにポストシーズン進出を果たした。2年目のイ・ドンウク監督は2年連続のポストシーズン進出、そして2013年の一軍参入以来初となる韓国シリーズ優勝を目指す。
【投手陣】
〈先発〉
ルチンスキー、◎ライト、イ・ジェハク、△ク・チャンモ、パク・チヌ、△キム・ヨンギュ
〈リリーフ〉
チャン・ヒョンシク、キム・ジンソン、キム・ゴンテ、ペ・ジェファン、△イム・ジョンホ、△カン・ユング、△チェ・ソンヨン、ウォン・ジョンヒョン
注 : ◎は新加入、△は左腕
先発の柱は韓国2年目の外国人選手ルチンスキーで、新外国人選手ライトもルチンスキーと同様の働きが求められる。韓国人の先発投手ではイ・ジェハクが最も実績があり安定しているが、層が厚いとは言えないため23歳のク・チャンモ、20歳のキム・ヨンギュといった左腕の成長に期待したい。
リリーフ陣の中心はベテランのサイドハンド右腕ウォン・ジョンヒョンであるが、高齢化が進み2019年の4位以上のチームと比べると層が薄い。チャン・ヒョンシクとペ・ジェファンの成長が必須である。
【打撃陣】
〈予想先発〉
捕手:ヤン・ウィジ
一塁:モ・チャンミン
二塁:△パク・ミヌ
三塁:△キム・テジン
遊撃:△ノ・ジンヒョク
外野:△ナ・ソンボム、◎アルテール、キム・ソンウク
DH:パク・ソンミン
〈控え〉
(捕手) キム・テグン、チョン・ボムモ
(内野手) チ・ソックン、キム・チャンヒョン、イ・サンホ、△イ・ウォンジェ
(外野手) カン・ジンソン、△イ・ミョンギ、クォン・ヒィドン、△キム・ジュヌァン
注 : ◎は新加入。△は左打者。
攻守の軸はプロ野球界を代表する捕手ヤン・ウィジ、安打製造機のパク・ミヌである。これに2019年は負傷で5月以降欠場した生え抜きの主力打者ナ・ソンボムが復帰してくる。また2019年は主軸としての活躍ができなかった外国人の野手であるが、新外国人選手アルテールが活躍すれば、2019年に10球団最多の本塁打を記録した打線はより強力となる。野手の層は比較的厚いため、打撃陣の好調がやや手薄な投手陣をいかにカバーできるかが優勝争いに残れるかのポイントとなる。
まだ45歳と若い就任2年目のイ・ドンウク監督にとっては、2年連続のポストシーズン進出が現実的な目標となるであろうが、ヤン・ウィジ、ナ・ソンボム、パク・ミヌといったプロ野球界を代表する選手たちがいるうちに初の韓国シリーズ優勝を成し遂げたいところである。比較的歴史の浅い球団ながら、2013年から2019年までの7年間で5回ポストシーズンへ進出(2016年には韓国シリーズに出場)した地力もある。まだ新しさの残る最先端のボールパークが優勝争いで盛り上がることを期待したい。
【本拠地】
昌原NCパーク馬山野球場
韓国南東部の地方都市・馬山(マサン)は港町として栄え、1970年代から自由貿易地帯として韓国の経済発展を支えた。2010年に近隣の昌原(チャンウォン)、鎮海(チンヘ)と合併して誕生した昌原総合市の一部となった。
NCは球団創設当初の2012年から馬山総合運動場野球場を改修して本拠地として利用してきた。昌原市内に新球場を建設することを公約としていたため、隣の競技場を解体して新球場の昌原NCパーク馬山球場を完成させ、2019年シーズンより利用している。
昌原NCパーク馬山球場は2万5000人収容の最新鋭のボールパークである。内野1階席はグラウンドレベルに近く臨場感があり、電光掲示板には打率や本塁打、防御率以外にも選手の細かい成績の数値が出されるなど、既存の野球場にない快適な観戦環境が提供されている。またNCダイノスのグッズショップは試合のない日でも開店しており、野球観戦が可能な飲食店も上層にある。
すぐ隣に旧本拠地・馬山総合運動場野球場は主に二軍選手が出場するフューチャースリーグが使用しているため、一軍と二軍の試合観戦を同じ日に楽しむこともできる。
[交通アクセス]
釜山市内から馬山までは沙上(ササン)バスターミナルから市外バスで40分程度。馬山市外バスターミナル、KTXなどの列車が停車する馬山駅からは昌原NCパーク付近までは110番市内バスで結ばれている。
ソウルなどからの高速バスが発着する馬山高速バスターミナルからは徒歩5分程度。
(文責 : ふるりん)