2014年の光州(クァンジュ)キアチャンピオンスフィールドを嚆矢として、2016年の大邱(テグ)サムソンライオンズパークと高尺(コチョク)スカイドームといった新球場が韓国で完成し、プロ野球の観戦環境は劇的に進化しています。今回は2019年3月に開場して間もない最新鋭のボールパーク、昌原(チャンウォン)NCパーク馬山(マサン)球場を紹介します。
2011年にプロ野球9番目の新球団NCダイノスが創設され、2012年より韓国南東部の地方都市・馬山(マサン)を本拠地として本格的に活動を始めました。本拠地球場の馬山総合運動場野球場は1982年に完成し、時折近隣の釜山(プサン)広域市を本拠地とするロッテジャイアンツの試合が開催されていました。NCダイノスの創設により球場は大幅に改装され、2018年まで一軍の試合が開催されてきましたが収容人数は11000人と小さく、2万人以上を収容する新球場の建設が計画されてきました。
新球場の建設地については二転三転しましたが、結局馬山総合運動場内の競技場を解体し、その跡地に新球場を建設することになり、2019年に昌原NCパーク馬山球場として完成しました。「昌原」とは馬山を含む広域の都市名(慶尚南道昌原市)で、馬山は球場のある古くからの地域名です(2010年に馬山市や旧昌原市などが合併して現在の昌原市となりました)。
さて、昌原NCパーク馬山球場ですが、主な出入り口は大通りに面した外野の後方にあり、野球にちなんだオブジェやモニュメントがあり人目を引きます。
外野の三塁側後方には野球展示館があります。NCダイノスは2011年創設と歴史が浅いため、1982年のプロ野球創設前から高校野球が盛んだった馬山の野球の歴史全体についての展示もあります。NCダイノスがこれからどのような歴史を刻んでいくのか見守っていく役割を果たすのでしょう。
三塁側の入口からは特にこのせり出した部分が目に付きます。
この部分の下にNCダイノスの公式グッズショップがあります。ここはプロ野球が開催されていない日でも出入り自由なようで、23時までと営業時間も長めです。
階段を上がると記念撮影コーナーがあり、その上は野球を見ながらビールなどが楽しめるホフ(韓国風のビールを中心とした飲食店)となっています。テラス席からの眺めは壮観です。こちらもプロ野球開催の日以外も営業しています。
ご覧のとおり、この野球場の上段部分はかなりの高さです。そのため、下の通路からはエレベーターも設置されています。
さて、外野席を見てみます。近年のプロ野球本拠地球場は外野席が多様化していて、ここもその例に漏れません。芝生席やバーベキューゾーンなどがあります。
上の写真をご覧になるとお分かりでしょうが、この球場は低いすり鉢状の構造のため、内野席はグラウンドレベルに近くて臨場感があります。
5月3日は金曜日で、試合は19時開始と他の曜日より遅く開始となっていたため、18時を過ぎても観客席はまだまだ埋まっていませんでした。
長くなりましたので、試合開始後につきましてはまた後日お伝えいたします。
(文責:ふるりん)