2016年は一軍参入4年目にして初の韓国シリーズ進出を果たしたが、公式戦でも大きな差をつけられたトゥサンの前に4戦全敗とあっけなく膝を屈してしまった。それでもチームは初の韓国シリーズ優勝に向けて選手の育成に力を入れている。
【投手陣】
〈先発〉
ハッカー、◎マンシップ、イ・ジェハク、チェ・グムガン、△ク・チャンモ
〈リリーフ〉
キム・ジンソン、ウォン・ジョンヒョン、△イム・ジョンホ、チャン・ヒョンシク、△チェ・ソンヨン、チョン・スミン、イム・チャンミン
注 : ◎は新加入、△は左腕
韓国5年目を迎える外国人投手ハッカー、2013年から4年連続2ケタ勝利をあげるイ・ジェハクが先発の柱となる。また高額年俸の新外国人選手マンシップにも期待が集まる。2016年シーズン途中から先発に転向したチェ・グムガンは引き続き先発陣の一角を任されると思われる。若手では左腕ク・チャンモに期待が集まり、そのほかにもチャン・ヒョンシク、メジャーリーグベースボール(MLB)傘下のマイナーリーグを経験したチョン・スミンなども先発として起用されることが考えられ、強力な先発投手陣が構成される可能性は決して低くない。
リリーフ陣はサイドハンドから150km/h以上の速球を投げるウォン・ジョンヒョン、同じくサイドスローのイム・チャンミン、正統派右腕のキム・ジンソンなどが軸となり、比較的層は厚い。2016年はイム・チャンミンが26セーブと抑えを任されたが、守護神の座を誰が射止めるかにも注目したい。
【打撃陣】
〈ベストオーダー〉
1.パク・ミヌ(二) △
2.キム・ソンウク(中)
3.ナ・ソンボム(右) △
4.スクラッグス(指) ◎
5.パク・ソンミン(三)
6.モ・チャンミン(一)
7.ソン・シホン(遊)
8.キム・テグン(捕)
9.イ・ジョンウク(左) △
〈控え〉
(捕手) キム・テウ、パク・クァンヨル
(内野手) △チョ・ヨンフン、チ・ソックン、チョ・ピョンホ、イ・ホジュン、イ・サンホ
(外野手) クォン・ヒィドン、キム・ジュヌァン、ユン・ビョンホ、△キム・ジョンホ
注 : ◎は新加入。△は左打者。
2014年から3シーズンの間4番打者を務め圧倒的な成績を残しMLBへ復帰したエリック・テームズの代役として、新外国人選手のスクラッグスに期待がかかる。その他の選手に大きな変化はなく、AAA級のマイナーリーグで本塁打を量産してきたスクラッグスが期待に応えられれば機動力と長打力のある上位打線は依然として他チームの脅威となる。一軍に参入した2013年前後にFAで他チームから補強したイ・ホジュン、ソン・シホン、イ・ジョンウクといったベテラン選手たちに代わり、パク・ミヌ、キム・ソンウク、ナ・ソンボムなど生え抜きの打者たちがチームの顔になる時期を迎えている。控えの選手層も厚いが、正捕手キム・テグンの代役となる選手がいないのが不安材料である。
2011年にプロ野球9番目の新球団として発足してからさほどの月日も経たないうちに3年連続のポストシーズン進出と結果を出し、さらなる成長と成果が期待されるNCダイノス。補強と育成の両輪を機能させてきたチームはついに初の韓国シリーズ優勝を成し遂げられるか。経験豊富な名将キム・ギョンムン監督の育成能力と采配に注目したい。
【本拠地】
馬山総合運動場野球場
韓国南東部にある馬山(マサン)の街は古代より港町として栄え、1970年代から自由貿易地帯として韓国の経済発展を支え、2010年に近隣の昌原(チャンウォン)、鎮海(チンヘ)といった都市と合併して誕生した昌原総合市の一部となった。中心市街地の一角に野球場があり、2010年までロッテの準本拠地として利用されていたため、以前はロッテファンが多かったが、新しい地元チームのNCダイノスの誕生により野球ファンの層が拡大した。2016年9月より、隣の競技場を解体して新球場を建設していて、予定通り完成すれば2019年シーズンより新本拠地へ移転する。小ぢんまりとしながらも洗練された現在の本拠地球場の風情を楽しめるのもそう長くはないと思われる。
場内は座席の種類も豊富で売店も多い。観客席の傾斜が急で、上段からも臨場感あふれる観戦が楽しめる。NCの応援ステージはライト外野席にあり、内野1塁側にもチアリーダーがいて応援を盛り上げている。
[交通アクセス]
ソウルからKTXの直通列車で馬山駅まで約3時間。馬山やその先の晋州(チンジュ)方面は釜山行と比べて本数が多くないので注意。駅からはタクシーで10分弱。
また徒歩10分ほどで馬山高速バスターミナルがあり、ソウル方面へのバスも発着している。釜山方面への市外バスターミナルへはタクシーで10分程度。
(文責 : ふるりん)