6月23日、仁川SK幸福ドリーム球場での観戦レポート(その1)の続きです。
試合中はファンたちを飽きさせないため、イニングの合間に参加型のイベントが行われます。
中には他では見られないような斬新なゲームもありますので試合とは関係がなくとも目が離せません。
この日は恒例のSK、トゥサンのファンたちによるダンスバトルやカウィバウィボ(じゃんけんに近い遊び)などで場内が沸いていました。
このトゥサン-SKの3連戦では韓国語で「もっと希望を(SHOW YOUR HOPE)」と銘打って、病気に悩む子供たちを支援するチャリティー活動が行われていました。
イニングの合間には、2018年韓国シリーズでSKを8年ぶりの優勝に導くも家庭の事情で退任したトレイ・ヒルマン前監督(現在はMLB・マイアミマーリンズコーチ)などからのメッセージが電光掲示板に映され、SKの選手たちは背中の背番号の上に自分の名前ではなく病気に苦しむ子供たちの名前をつけていました。
なお、SKの選手たちは普段の本拠地用のユニフォームではなく、日曜日を中心に着用する「INCHEON」と胸にかかれたオールドスタイルのユニフォームでした。
試合はSKがリードして進み、8回裏の攻撃の前には仁川広域市のご当地ソング「沿岸埠頭(ヨナンブドゥ)」の大合唱が始まります。
6月下旬、夏至を過ぎたばかりで韓国の仁川広域市付近は試合終盤の19時半過ぎまで明るく、SKファンたちが歌いながらかざす携帯電話のライトはそこまでまぶしくは見えませんでした。
選手別の応援歌のみならず、「沿岸埠頭」の歌詞は内外野の電光掲示板に映され、初めて野球場に来た観客も応援に入りやすいような配慮がされています。
9回表、SKが3-1と2点をリードした場面で、抑えのハ・ジェフンがマウンドに上がりました。
2019年よりSKに入団したハ・ジェフンは、レギュラーシーズン開幕を一軍で迎え、中継ぎから抑えへと昇格しチームの首位独走に貢献しています。
(開幕前のキャンプの写真がこちらにあります)。
ハ・ジェフンは1点を失うものの、SKが3-2で勝利し2位トゥサンとの首位攻防3連戦を全勝で終え、すっかり暗くなった場内はSKファンの勝利の歓喜に包まれました。
試合終了後には内野1塁側の応援ステージでチャリティーオークションが始まり、SKの選手たちのユニフォーム、グラブ、スパイクなどの実使用品が競売に掛けられました。
司会が観客席に向かって開始の値段を告げ、希望者が手を上げて競売して落札していました。
特に高値がついたのは、この日も1回裏に3試合連続本塁打を打った主砲チェ・ジョンのユニフォームで、なんと300万ウォン(7月16日の為替レートで約27万4000円)でした。
落札した男性は、2006年にチェ・ジョンが一軍に定着してから応援している長年のファンだそうです。
なお、落札者はクレジットカードで決済していたのがカード社会の韓国らしかったですね。
すっかり夜の帳が下り、ファンたちが帰宅の途につくにあたって、場内の通路では応援団長がファンたちにSKのステッカーを配っていました。7月14日時点で、SKは2位トゥサンに6ゲーム差をつけて首位を独走しています。果たして2年連続で優勝の歓喜に浸ることはできるのでしょうか?
(文責:ふるりん)