2017年はレギュラーシーズン4位で4年連続ポストシーズン進出に成功し、準プレーオフでロッテに勝利し地力がついてきたことを証明したNCダイノス。一軍参入から6年目となった2018年シーズンは、韓国シリーズ初優勝を目指す。
【投手陣】
〈先発〉
チャン・ヒョンシク、△ク・チャンモ、◎ベレット、◎△王維中、チェ・グムガン、イ・ジェハク
〈リリーフ〉
キム・ジンソン、ウォン・ジョンヒョン、△ミン・テホ、◎ユ・ウォンサン、△ノ・ソンホ、チョン・スミン、イム・チャンミン
注 : ◎は新加入、△は左腕
先発投手陣は2017年と大きく入れ替わった。23歳の右腕チャン・ヒョンシク、21歳の左腕ク・チャンモが先発として安定した働きを求められ、新外国人選手のべレット、またプロ野球史上初の台湾出身の外国人選手・王維中にも期待がかかる。2016年まで4年連続2ケタ勝利を記録したが、2017年は不本意な成績に終わったイ・ジェハクの復活も待たれる。
リリーフは抑えのイム・チャンミンを軸に層が厚いが、余剰戦力を対象とした2次ドラフトでLGからユ・ウォンサンを指名するなど補強に余念がなかった。チョン・スミンなどが先発として起用されることも考えられ、比較的計算できる陣容が整った。
【打撃陣】
〈ベストオーダー〉
1.パク・ミヌ(二) △
2.キム・ソンウク(中)
3.ナ・ソンボム(右) △
4.スクラッグス(一)
5.モ・チャンミン(三)
6.チェ・ジュンソク(指) ◎
7.クォン・ヒィドン(左)
8.ソン・シホン(遊)
9.シン・ジンホ(捕)
〈控え〉
(捕手) パク・クァンヨル、キム・ジョンミン
(内野手) パク・ソンミン、ノ・ジンヒョク、チ・ソックン、チョ・ピョンホ、イ・サンホ
(外野手) △イ・ジョンウク、△カン・グソン、ユン・ビョンホ、△パク・ウットゥム
注 : ◎は新加入。△は左打者。
ナ・ソンボム、外国人選手スクラッグス、モ・チャンミンが打つ中軸に、ロッテからチェ・ジュンソクが加わり、元来強力だった打線はさらに破壊力を増した。安打製造機のパク・ミヌを1番に置いた切れ目のない打線で、パク・ソンミンやチ・ソックンなど打力のある内野手もそろい、野手の層は厚い。課題としては2017年末に軍へ入隊したキム・テグンの代わりとなる捕手であり、高校卒業後にMLB(メジャーリーグベースボール)・カンザスシティロイヤルズ傘下のマイナーリーグに属していた27歳のシン・ジンホなど、複数の選手の競争となると思われる。
内野のソン・シホン、外野のイ・ジョンウクといった経験豊富なベテランもおり、年齢的にはバランスの取れた構成となっている。キム・ギョンムン監督が得意とする若手の育成と起用でさらに選手層を厚くしたい。
2011年の球団創設から短期間で戦力を揃え結果を出し、プロ野球界に新風を巻き起こしたNCダイノス。就任から6年が過ぎたキム・ギョンムン監督にとっても、2018年は監督として自身初の韓国シリーズ優勝を狙うチャンスである。まずは5年連続のポストシーズン進出が目標となろうが、プロ野球の歴史にまた新たな1ページを刻みつけることができるであろうか。
【本拠地】
馬山総合運動場野球場
韓国南東部にある馬山(マサン)の街は古代より港町として栄え、1970年代から自由貿易地帯として韓国の経済発展を支え、2010年に近隣の昌原(チャンウォン)、鎮海(チンヘ)といった都市と合併して誕生した昌原総合市の一部となった。中心市街地の一角に野球場があり、2010年までロッテの準本拠地として利用されていたため、以前はロッテファンが多かったが、新しい地元チームのNCダイノスの誕生により野球ファンの層が拡大した。2016年9月より、隣の競技場を解体して新球場を建設中である、予定通り完成すれば2019年シーズンより新本拠地へ移転し、2018年は球団創設から現在までNCダイノスを見守ってきた野球場では最後のシーズンとなる可能性が高い。
場内は座席の種類も豊富で売店も多い。観客席の傾斜が急で、上段からも臨場感あふれる観戦が楽しめる。NCの応援ステージはライト外野席にあり、内野1塁側にもチアリーダーがいて応援を盛り上げている。比較的温暖な南東部に位置し、春先には近隣の鎮海の桜並木の見物とかねてプロ野球観戦を楽しむこともできる。
[交通アクセス]
ソウルからKTXの直通列車で馬山駅まで約3時間。馬山やその先の晋州(チンジュ)方面は釜山行と比べて本数が多くないので注意。駅からはタクシーで10分弱。
また徒歩10分ほどで馬山高速バスターミナルがあり、ソウル方面へのバスも発着している。釜山方面への市外バスターミナルへはタクシーで10分程度。
(文責 : ふるりん)