2013年よりプロ野球一軍の公式戦に参入し、3年あまりの月日がたったNCダイノス。
韓国南東部にある馬山総合運動場野球場は、NCの本拠地としてすっかり濃い青色に染まっています。
なお、2016年秋より現在の野球場の横にNCの新本拠地となる野球場を建設予定です。
以前あった競技場が解体され、工事の準備が進められていました。
8月13日、真夏の暑い土曜日の夜は絶好の野球観戦日和でした。
内野はテーブル席がメインで、ファンたちは飲食物を持ち込んだりバラエティに富んだ売店で購入したりしていました。応援ステージはチアリーダーが2人と、補助の応援団員もいました。
この野球場は韓国の他のプロ野球本拠地と違って、ホームの1塁側外野席に応援ステージがあります。
応援団長はそこでリードをしていて、チアリーダーも4人いました。
グラウンドの整備の時間にはグラウンドキーパーや係員が1塁側内野席近くでダンスを見せ、場内を盛り上げていました。
馬山のような地方都市には、遠征のチームのファンは少なく、韓国シリーズなどのポストシーズンのような重要な試合を除いて、応援団が派遣されることは稀です。
ですがこの日は土曜日ということもあり、3塁側外野にはKTの応援団長とチアリーダーたちがパフォーマンスを繰り広げ、本拠地とする首都圏の水原(スウォン)などからわざわざ応援しに来たと思われるファンたちが一角に固まり、ビジターユニフォームの黒色に染めていました。
NCに遅れること2年、2015年よりプロ野球一軍の公式戦に参入したKTウィズは、土日・祝日は遠征の試合にも盛んに応援団を送り、ファンサービスに努めています。
2010年代、新たにプロ野球へ参入し人気定着に一役買っている2チームの対決ですが、首位トゥサンと優勝争いを続けている2位NCが、前日12日まで8連敗と最下位に沈み不調にあえぐKTを2-3と1点差で下しました。遠い南の馬山にまで駆け付けて懸命に応援したKTファンの願いは届きませんでした。
聞くところによると、翌14日もKTの応援団とファン一行はこのNC戦に駆け付け、9連敗から脱出し勝利の喜びを分かち合ったようです。
2010年代になり10チームへと規模が拡大し、野球場の新設や改善が進んでいる韓国プロ野球。
その中で歴史の浅いNCダイノスとKTウィズという2チームの対決は、現時点では大きな差がついてしまっていますが、国民的な娯楽に成長しているプロ野球の新しい姿、韓国中にくまなく広まっているプロ野球文化の胎動がそこからうかがい知ることができます。
NCダイノスは、馬山という地方都市から新たなエネルギーをプロ野球界に解き放っていますが、今後新たに建設される野球場は最先端のボールパークとして市民たちや遠くから訪れた野球ファンたちにここでしか見られない夢を与えてくれるのかもしれません。
しかしまだ当分の間は、球団創設以前からあるこの野球場がNCダイノスのファンたちに感動と興奮を与え続けてくれることでしょう。
(文責:ふるりん)