DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

キアタイガーズ-KTウィズ(2019.3.30) 観戦レポート

 今回は2015年よりKTウィズの本拠地として利用されている水原(スウォン)KTウィズパークを紹介します。

 

 KTウィズがプロ野球10番目の球団として参入してから5年あまり、徐々にKTファンたちも増えてきています。

 特に2018年、高卒新人としてはプロ野球新記録となるシーズン29本塁打を記録したカン・ベッコの活躍は大きかったですね。

 身長184cm、98kgの堂々たる体躯はまだ20歳にならない若者とは思えず、高く上がる豪快な本塁打は天性の素質を証明しています。2018年、初出場となったオールスター戦では高校時代を思い出したかのように投手として登板し三振を奪うなど、また先日、2019年4月20日のロッテ戦ではベンチに捕手がいなくなったため、9回裏から捕手としても出場するなど、多才ぶりも見せ付けています。

 管理人が見学した3月30日のキアタイガーズ戦でも、5回裏にバックスクリーンへ特大の逆転2ランを放ち、場内を騒然とさせました。

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電光掲示板でのカン・ベッコの紹介画像。

 カン・ベッコと同期の高卒2年目の投手、キム・ミンも甘いマスクで人気が出ています。2018年は4勝をあげその才能を感じさせましたが、2019年はこれまで勝ち星なしの3敗と苦しんでいます2018年はこれまでの3年連続最下位からようやく9位に浮上したKTウィズはまだまだ戦力的には厳しいですが、こうした若い選手たちの成長とそれに伴うファン層の拡大によりポストシーズン進出や優勝争いができる日が来るのかもしれません。

 

 水原KTウィズパークは近くに鉄道の駅こそないですが、ソウル市内や仁川空港からのバスが頻繁に通り交通の便に恵まれ、大型スーパーマーケットもあるちょっとした繁華街で、プロ野球の本拠地の立地としてはかなり恵まれています。なお、世界文化遺産水原華城(スウォンファソン)などの観光地やKORAIL水原駅からもそう遠くはなく、観光のついでや遠方からの観戦にも適しています。

 

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 野球場の内野席外側には通路が伸び、KTウィズの選手たちの写真が飾られ、飲食物やグッズなどの売店が並んでいます。

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 水原KTウィズパークの特徴のひとつに、外野席に近い内野席下段からはブルペンが見えることがあります。3月30日の試合開始前は韓国初登板となった外国人選手ラウル・アルカンタラが投球練習を繰り返していました。なお、アルカンタラはこの日7回途中1失点で見事に韓国初勝利を記録し、その後も先発投手陣では特に安定した投球を続けています。

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ブルペンで投球するラウル・アルカンタラ。

 外野のライトポール際には、真夏のみ開放されるウォータースライダーもあります。8月の暑い日々が続くころ、1塁側のKTウィズ応援席では「ウォーターフェスティバル」として応援ステージから大量の水しぶきが観客席にむけて発射される納涼イベントがあります。

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写真右側のらせん状の細い管がウォータースライダー。

 予定通り17時に試合が開始されましたが、18時ごろに日が沈むと一気に冷え、なんと試合中にはヒョウやあられなどが降り、2度も中断になるほどでした(この日、水原周辺は昼過ぎに強く雨が降るなど不安定な天気でした)。 

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 近年試合数の増加や国際大会のため、プロ野球のレギュラーシーズンは3月下旬と以前より早めに開幕するようになりましたが、天気が不安定で寒さの残る時期でのプロ野球観戦は体にこたえることもありますね。韓国、特に首都圏や大田(テジョン)付近では4月前半まで厳しい寒さに襲われることもあり、現地観戦の際には注意が必要です。

 

 3月30日は悪天候と寒さのためあまり快適なプロ野球観戦とは言えませんでした。

 

 今回の記事ではその魅力のほんの一部しかお伝えできませんでしたが、現代的なボールパークとして整備された水原KTウィズパークにはぜひ一度足をお運びください。首都圏の球場のため3塁側のビジターチームのファンも多いですが、まだ初々しさも感じられる新興球団・KTウィズの応援のとりこになるかもしれません。 

 

(文責:ふるりん