DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  8月12日 ハンファイーグルス−ロッテジャイアンツ(蔚山・文殊野球場)

 
 近年、韓国各地で野球場の新設が相次いでいます。
 今回は、2014年よりロッテジャイアンツの準本拠地としてプロ野球が開催されるようになった蔚山(ウルサン)・文殊(ムンス)野球場について紹介します。


 韓国南東部の地方都市・蔚山広域市東海岸に面し、韓国を代表する複数の大企業が生産拠点を置き、重化学工業の各種工場が臨海部に建ち並んでいます。
 近隣の大都市・釜山からは北へ約50kmと比較的近いためつながりが強く、野球ファンの多くは釜山広域市を本拠地とするロッテジャイアンツを応援していると考えられています。
 かつてロッテは釜山広域市から見て西の地方都市・馬山(マサン)を準本拠地としていましたが、2011年に馬山を本拠地とする新球団・NCダイノスが創設されたため、試合を開催しなくなりました。
 代わりに新しくプロ野球開催が可能な野球場が建設された蔚山広域市が新しい準本拠地として選ばれました。

 2014年3月に完成した蔚山文殊野球場は、両翼101m、センター122mと広く、収容人数は約12,000人となっています。

 蔚山中心市街地から西に離れた山麓にあり、外野側は山を削って造成されたと思われ幅が狭く、レフト側には山腹にも観客席もありました。
 付近には2002 FIFAワールドカップに合わせて建設された文殊サッカー場Kリーグ蔚山現代ホランイの本拠地)もあります。
 準本拠地とうたっているため、野球場の入り口付近には「ロッテジャイアンツ第2野球場」と大きく書かれていました。







 管理人が訪れた8月12日は金曜日で、翌13日から8月15日(光復節の祝日)までは三連休だったこともあり、ホームのロッテ応援席となっている内野席一塁側を中心に、観客席はかなり埋まっていました。
 この日の蔚山周辺は天気も良く気温も上がり、夕暮れを迎えた野球場にはまだまだ真夏の熱気がこもっていました。




 2万5000人以上を収容できるロッテの本拠地、社稷(サジク)野球場と比べて規模は半分に満たないですが、1塁側には社稷にも負けない応援の熱気が見られました。





 そして終盤になると、ロッテの応援席には定番のこの光景が見られました。
 オレンジ色のビニール袋が配られ、軽く耳に結んで頭にのせています。





 
 前日までロッテは4連敗でしたが、8回裏、ソン・アソプのタイムリーで勝ち越し4-3で勝利し、ロッテは数少ない蔚山での試合でファンたちに勝利を届けることができました。
 残り少なくなってきた2016年シーズン、この文殊野球場では8月23-24日にKT−ロッテ戦が開催されます。
 (毎年7-8試合程度開催されます)

 
 小ぢんまりとしながらも開放感のある野球場ですが、年間数えるほどしかプロ野球が開催されないため、売店などの設備はあまり充実していません(ロッテジャイアンツのグッズショップはありました)。
 また市街地から少し離れているため、周囲に食堂やコンビニエンスストアなどもありません。
  
 気になる交通アクセスですが、ソウルなど首都圏からの場合は高速鉄道KTXの蔚山駅からシャトルバス5004番で30分程度、蔚山大学校付近で下車し徒歩10分程度です。
蔚山中心市街地からも遠い蔚山駅から文殊野球場は15km程度離れていて、タクシーで15000ウォン程度、30分近くかかります)。
 
 蔚山の中心部にある市外バスターミナルからは、近くの文殊サッカー場前までの直行バス2300番(所要時間約30分)で行くのが便利かと思われます(バス停から野球場まで徒歩8分程度)。
 釜山方面からは、主に釜山地下鉄1号線・老圃(ノポ)駅前の総合バスターミナルから蔚山市外バスターミナル行きの市外バスが発着しています(所要時間1時間程度)。
(参考までにKTXですと釜山駅から蔚山駅までは1駅で約20分です。)

 近隣に鉄道の駅はなく、比較的外国人にとってアクセスしにくい野球場ですので、蔚山に行かれたことのない方は、ご観戦の際には十分にお時間に余裕をもってお出かけください。


(文責:ふるりん