10番目のプロ野球チームとして誕生し、2015年より水原総合運動場野球場から新たに生まれ変わったボールパークを舞台に熱戦を続けているKTウィズ。
本拠地、首都圏の主要都市・水原(スウォン)は世界文化遺産・華城(ファソン)を中心とした歴史と伝統のある都市ではありますが、まだ2年目の若いチームのファンの数は、他のチームと比べて多いとは決して言えません。しかし最先端の技術を導入し、多様な観戦空間を提供している水原KTウィズパークに集まる野球ファンは徐々に増えていっているようです。
2016年5月6日は金曜日でしたが、前日5日のこどもの日の祝日に続いて特別に臨時休日となりました。翌7-8日の土曜・日曜日も休めば4連休となりました。そのため、夕方まで弱い雨が降る不安定な天気でしたが、5月6日の水原KTウィズパークには試合開始前チケットを買い求める長蛇の列ができていました。
18時半前に雨は上がり、曇り空のもと試合は18時半に予定通り開始されました。夜のとばりが野球場を包むとともに観客も増え、熱気も増していきました。
試合はKTの打線が爆発し得点を積み重ねていきます。
5月6日時点で最下位に沈んでいたハンファのファンたちも劣勢ながら、ビジターゲームでは異例の応援団派遣もあり盛り上がっていました。
この日のKTの先発投手、コロンビア出身のマリモンに対しては、このような応援ボードもありました。また母国から家族が来ていたようで発奮したか、6回1失点と好投しました。
プロ野球の魅力は何といっても応援団です。KTは一軍参入の2015年から、キム・ジュイル応援団長が中心となって応援活動をしています。団長は2014年までキアの応援をしていて経験も豊富で、歴史の浅いチームの応援の創造に貢献しています。なお、応援団長は他社からの派遣であるプロ野球チームが多いのですが、このKTウィズは応援団長を正式な職員として雇用しているとのことです。
応援団長とともにチアリーダーたちが応援に華を添えています。
ファンたちの応援は試合が進むごとに熱を帯びてきます。
熱心な応援の後押しもあり、KTは10-3で勝利しました。応援団長、チアリーダー、ファン、一塁側応援席にいたすべての人々に笑顔が浮かんでいました。
まだ一軍で2年目のシーズン、一つずつ勝利を積み重ね、いつか来るであろう栄光の日日に向かってKTウィズはその歩みを始めたばかりです。そのためには一人でも多くの地元・水原の人々の情熱が必要になってきます。そのあくなき挑戦心とまばゆいばかりの光り輝く可能性を、今回の観戦で感じ取ることができました。
(文責:ふるりん)