DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

  第5回 SKワイバーンズ

 2015年は3年ぶりにポストシーズン進出を果たしたが、オフシーズンにチョン・ウラム、ユン・ギルヒョンのリリーフ投手、正捕手チョン・サンホと主力3人がFAで移籍してしまい、大幅な戦力ダウンを強いられた。世代交代期にさしかかっていることもあり、若手の台頭が急務である。


【投手陣】

〈先発〉 
△キム・グァンヒョン、ケリー、△セッドン、パク・チョンフン、チェ・ビョンニョン
〈リリーフ〉
ムン・グァンウン、チョン・ユス、パク・ミンホ、チョン・ヨンイル、◎キム・スンフェ、△コ・ヒョジュン、あた△シン・ジェウン、△パク・ヒィス


注 : ◎は新加入、△は左腕
 2015年も14勝と安定した成績を残したキム・グァンヒョンがエースとして君臨し、韓国2年目のケリー、2015年7月から復帰した左腕セッドン(セドン・元読売)の両外国人投手を加え先発三本柱が構成される。アンダースローのパク・チョンフンなどが先発定着を図る。
 チョン・ウラム、ユン・ギルヒョンの抜けたリリーフ陣では、故障で満足に活躍できていないコ・ヒョジュン、パク・ヒィスと2人の左腕の復活が望まれる。またメジャーリーグベースボール(MLB)傘下のマイナーリーグ、高陽ワンダーズ、日本の四国アイランドリーグなどを経て兵役を終えた27歳のチョン・ヨンイルが新戦力として期待されている。


【打撃陣】

〈ベストオーダー〉
1.イ・ミョンギ(左) △ 
2.キム・ガンミン(中)   
3.イ・ジェウォン(捕)   
4.チョン・ウィユン(右)  
5.パク・チョングォン(一)△
6.チェ・ジョン(三) 
7.チェ・スンジュン(指)
8.ゴメス(遊) ◎
9.キム・ソンヒョン(二)

〈控え〉
(捕手) ホ・ウン、キム・ミンシク
(内野手) △パク・ケェヒョン、ナ・ジュファン、ユ・ソジュン、◎イム・ソクチン、イ・デス
(外野手) △キム・ジェヒョン、△チョ・ドンファ、△パク・チェサン,
◎キム・ドンヨプ

注 : △は左打者。

 2015年7月、LGからトレードで移籍し新天地で打撃開眼となったチョン・ウィユンが主軸を打つことになりそうだ。これまで指名打者として起用されることが多かったイ・ジェウォンが捕手として起用されことが予測され、チョン・サンホの移籍で層が薄くなった捕手のやりくりに苦労しそうである。ただ、チョン・サンホの人的補償としてLGから移籍してきたチェ・スンジュンは、右の長距離砲としてチョン・ウィユン同様にSKで才能が発揮される可能性を感じる。
 キム・ガンミン、パク・チョングォン、チェ・ジョンなどは近年やや精彩を欠いているため、復活に期待したい。新外国人打者ゴメスは、メジャーリーグベースボール(MLB)や傘下のマイナーリーグでの成績を見ると長距離砲とは言えず、チャンスメイカータイプとして貢献することになりそうだ。


 SKで2年目のシーズンを迎えるキム・ヨンヒィ監督は、不振の主力選手の復活だけでなく、これまで以上に二軍から戦力を引き上げていくことが期待される。現実的には2年連続のポストシーズン進出が目標となるであろう。



【本拠地】 仁川SK幸福ドリーム球場

 2002年に開場した、総天然芝の美しい野球場。2015年シーズン開幕後、文鶴(ムナク)野球場に代わって現在の名称で呼ばれるようになった。すぐ隣には文鶴競技場があり、2002年FIFAワールドカップ、2014年アジア大会などの会場としても利用された。
 2007年から「Spo-tainment」のキャッチフレーズを掲げ、球場のテーマパーク化を進め、球場内の通路には子供のための遊戯施設もある。球場の南側に小高い山があり、緑豊かな環境のため、レフト外野に芝生席の「グリーンゾーン」も設置されるなど、地球にやさしい「グリーンスポーツ」もテーマとしている。2016年は従来のライト側にあった電光掲示板が撤去され、センターバックスクリーン上に「ビッグボード」の愛称で長さ63m、高さ18mもの巨大な電光掲示板が新設された。そのほか周囲の案内標識をリニューアルするなど、雰囲気の刷新に努めている。
 座席はレフト側の芝生席以外にも内野のテーブル席、ライト側のバーベキュー席、外野最前列のカップル席など種類が豊富である。












[交通アクセス]
 仁川地下鉄1号線・文鶴競技場(ムナクキョンギジャン)駅から徒歩5分。
 ソウル駅からは仁川方面への首都圏電鉄線の電車に乗り、富平(プピョン)駅で仁川地下鉄1号線に乗り換えて1時間程度で到着。ソウル市内でも江南(カンナム)地区からだと、ソウル地下鉄7号線で終点の富平区庁(プピョングチョン)駅で仁川地下鉄1号線に乗り換えることもできる。
 仁川国際空港からは、空港鉄道(A`REX)に乗り桂陽(ケェヤン)駅で仁川地下鉄1号線に乗り換え、1時間10分程度で到着。また、文鶴競技場前のバス停留所に止まる仁川空港からのバスもある(所要時間1時間前後)。ソウル・金浦(キムポ)空港からも空港鉄道と仁川地下鉄1号線で行くことができ、所要時間45分程度。
 また、国内各都市から近くの仁川総合バスターミナルまで高速バスの便があり、同ターミナルから文鶴競技場駅までは仁川地下鉄1号線で1駅しか離れていないため、大田や光州などの地方都市へのアクセスがよい。また球場周辺には目だった飲食店や店舗はなく、文鶴競技場駅付近には野球開催日になると屋台などが軒を並べる。

(文責 : ふるりん