DAILY KOREAN PRO BASEBALL 2

1982年に発足し、2024年時点で10球団が加盟する韓国野球委員会(KBO)による韓国のプロ野球リーグ(通称KBOリーグ)に関するブログ。レギュラーシーズン、ポストシーズン(韓国シリーズなど)の試合速報や球団別の情報、現役プロ選手が含まれる野球韓国代表が出場する国際大会の情報などもお伝えします。 twitter : @kbodigest

 2009年も当ブログをご覧いただき、どうもありがとうございました。

 今年は3月のWBC(ワールドベースボールクラシック)での韓国代表の激闘が記憶に新しく、日本代表との5度の激突は歴史に残る名勝負となりました。準優勝に終わりましたが、国家のために戦う韓国代表選手たちの闘志と実力の高さは、世界の野球ファンたちの印象に深く残ったことでしょう。

 そして韓国プロ野球の公式戦も例年にない盛り上がりを見せました。2008年北京五輪優勝、そしてWBC準優勝の相乗効果で大勢の野球ファンが生まれ、野球場に足を運び、約592万人の年間観客動員数新記録を更新しました。特に3連覇がかかったSKと、10度目の優勝を狙ったキアとの韓国シリーズは、第7戦までもつれる名勝負となり、第7戦9回裏、ナ・ジワンのサヨナラ本塁打でキアの優勝が決まるという、これ以上ない最も劇的な結末を迎え、球史に残るシーンとなりました。


 1982年に発足し、2011年でようやっと創設30年目を迎えようとしている韓国プロ野球。2000年代という10年間を、大まかではありますが振り返ってみましょう。

 2000年には、資金難で解散したサンバンウルの代わりに、新球団SKが創設されました。SKは苦難を経て2007,08年と韓国シリーズ2連覇を達成した強豪へと成長しました。そして翌2001年、9度の韓国シリーズ優勝を誇った名門ヘテが売却され、キアとして生まれ変わりました。2005年以降ヘテ時代の威光が完全に消えたかのような低迷の時期が続きましたが、2009年突然その輝きを取り戻し、10度目の韓国シリーズ優勝でプロ野球界を大いに盛り上げました。

 2002年、7度目の韓国シリーズ出場でようやっと初優勝したサムソンの主砲は、イ・スンヨプでした。イ・スンヨプは翌2003年、もう誰にも破られないであろう年間56本塁打の大記録を達成すると、日本プロ野球へと進出し、韓国を代表するホームラン打者として国際舞台でも活躍を続けました。このあともイム・チャンヨンなどが日本プロ野球で活躍し、2010年からはキム・テギュンイ・ボムホの2人が日本へ進出することになりました。
 
 2004年、4度目の韓国シリーズ優勝を達成した現代ユニコーンズ。しかし親会社の業績不振と、ソウルへの進出失敗で先細りとなり、その3年後の2007年限りで解散となりましたが、KBOの交渉のまずさもあり、最悪の不人気球団を引き取る買い手は現れませんでした。結局投資家集団による、企業グループをバックに持たない新球団ヒーローズが2008年誕生し注目を集めましたが、2009年末主力選手たちを複数金銭トレードに出すことになるなど、その前途は明るくないように見えます。母体となる企業グループへの依存度が高く、ビジネスとして独立できていない球団経営の基盤の弱さは、ここ10年で改善されたとは言えません。

 2005年、ソン・ドンヨル監督の下で2度目の韓国シリーズ優勝を遂げたサムソンは、第1回アジアシリーズに出場し、日本、中国、台湾それぞれのリーグ王者とアジアの頂点の座をかけて戦いました。野球の国際化のために始まった新しい試みでしたが、諸事情により2008年限りで休止となってしまい、アジアシリーズは2010年の再開も確実とは言えない状況です。当初掲げられていた「真のワールドシリーズ」が開催される日はいつなのでしょうか。

 国内外の精鋭が韓国代表に招集されて国家の名誉のために戦う国際大会でも、悲喜こもごものドラマがありました。初めてのプロ選手が参加した五輪となった2000年シドニー五輪では、3位決定戦で日本を破り銅メダルに輝きました。だが2004年アテネ五輪は、台湾、日本に敗れアジア予選で敗退してしまいました。その悔しさを2006年第1回WBC(ワールドベースボールクラシック)で、国内外から結集した一流選手たちが晴らし、予想外のベスト4進出という快挙を達成しました。

 地元開催の2002年釜山大会で優勝し、2006年ドーハ大会ではアジア大会3連覇が有力視されましたが、代表の世代交代期にあたっていたこともあり、まさかの3位に終わってしまいました。ですが2008年北京五輪は、プロ野球界の世代交代を象徴するかのように、キム・グァンヒョン、リュ・ヒョンジン、キム・ヒョンス、イ・ヨンギュなどの若手選手の活躍もあって、見事9戦全勝で金メダルを獲得しました。2009年第2回WBCで、イ・スンヨプパク・チャンホなど精神的支柱を欠いた韓国代表は、大いに不安視されましたが、2大会連続で指揮をとった名将キム・インシク監督の選手起用術もあって、見事準優勝となりました。


 次の2010年代、韓国プロ野球はどのようにわれわれを楽しませてくれるのでしょうか。こちらでも、今後も引き続き最新の情報を皆様にお届けしますので、韓国プロ野球に対する理解を深めていただけたら幸いです。何卒よろしくお願いいたします。 
 
(文責 : ふるりん